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決着と思い


 「聖典あらたかなる力を!」

 「ぶっ潰す!」 


 男たちの闘争が此処に終わりを告げた。



■■□■



 現代においての戦いの意味とはなんだろうか? 戦争? 喧嘩? 何かにおいての競争? どれをとってもこれだ! というものはない、的確な戦いを示す言葉はなくどれにおいてもそんなものだろう。 という答えを得るものである。

 では目の前で起きているこの闘争はなんと言うのだろう? 盾と斧が交差し火花を散らす。 ページという戦士とパラディンという戦士。 ぶつけ合っているのは力だけか? いやそうではない。 己が力と信念、そしてボロボロになってまで支えるものは意地だ。

 こいつには負けたくない、こいつには目に物見せてやる、勝つんだ、先に見えるのは互いに自分だけが立っている光景。 その気持ちが動かなくなる体を支え続ける。 傷つき倒れそうな体を動かし続ける。


「りゃあ!」

「っし」

 

 第3ラウンドといわれたから始まった猛攻、守りから攻撃へと転じたLocolocoに正直なところrooooの勝機は薄くなっていっていた。

 まだLocolocoが自分をなめてかかっているときであれば流れもあり攻め切れたであろうがLocolocoの気迫が攻撃がそれを許さない。

 Locolocoもrooooも大して己の体力の差は変わらない、重い攻撃を受け続けたLocolocoだ、たとえその職業ステータスを持ってしてもかばいきれるものではなかった。

 体が悲鳴を上げてやばいと感じながらそれは相手も変わらないと考え気合を入れなおす、長剣を受けながら最初からこの状態でこられなくなくてよかったと思うrooooだが戦いながら今思うことは、


「せりゃあ!」


 鋭い横薙ぎを放つLocoloco。


「ぐ…うおおおぉお!?」


 アックスで守りに入るがその動作のまま吹き飛ばされる。


 ………勝てるきがしねぇ…。


 その一言に尽きた。

 戦において心が負けたものに勝利はないがrooooの場合は勝てる見込みはないけれどその闘気は引くことを知らなかった。

 もともと闘うことが好きな少年はその名がrooooではないときから引くことをしなかった。 たとえ目の前の存在に勝てないけれど、超えることはできないけれど、だからこそ、


「全力でぶつかっていくしかねえよなあ!」


 本気でぶつかることを望み続けた。


「あんたには今は敵わねえ…だから見てろよ。 いつか絶対に追いついてぶった押しに行ってやる! だから絶対にダンジョンなんかでやられんじゃねえぞ!」

「当たり前だ、俺はしなない。 こんなに楽しいことがこの先出来なくなる事なんて考えたくもない!」


 そう言って再び切り合う二人。 

 ただの技術で張り合う二人にはスキルを使う暇さえ与えず凄まじい攻防戦が続が、その均衡が崩れる。


「いい加減その盾ぶっ壊れやがれ!」


 そこで大きく動いたのはrooooだった、

 大きく振り上げ上えと投げたアックスに気をとられたLocolocoはスキルの発動を許してしまう。


「叫べ!」


 発動。【アクティブスキル:ブレイクヴォイス】


「ハイヤアアァアアアァ!」


 ブレイクヴォイス、その名の通り声を発し相手に超音波攻撃を与えるスキル。 もともとヴォイス系統のスキルはページ専用の特殊スキルであり、ヴォイス系統は唯一ページが仲間へとバフをかけれるスキルであるが、このブレイクヴォイスはその派生技であり、相手にダメージ増加のデバフを掛けるというものだった。


「しまっ、くぅ…」


 とっさに盾を構えるLocolocoだがヴォイスは盾を素通りしその耳にダメージを与える。


「ちっ」


 落ちてきたアックスを受け取り前進して来る力を利用した大きな振りかぶり攻撃をLocolocoはぎりぎりのバックステップで避けその隙にスキルを発動する。


「慈悲を」


 発動。【アクティブスキル:ブレイブヒール】


 そのスキルにより疲れた体に少しだけ力が入る、だからといって体力が回復したわけではない。 Locolocoが聖騎士といっても回復スキルを使えるのは聖魔術師プリーストだけでありLocolocoは自身の体を活性化させる、言わばドーピングのようなことしかできなかった。

 だが、今のスキルによって形勢は変わり掛ける。


「斬!」


 隙を見せたことにより防御体制に入るrooooにスキルを放つ。


 発動。【アクティブスキル:スラッシュエア】


 振りぬいた剣から光の波動がrooooを襲い続けざまにスキルを放つ。


「連撃!」


 発動。【アクティブスキル:ラッシュ】


 一気にLocolocoはrooooに近付き、その勢いのまま盾を前にrooooを振りぬく。


「ぐっ…」


 後ろにすべるように吹き飛ばされたrooooは内心やられたと思う。 

 距離をとられてしまった。 これに尽きた。


「これはやべぇ…」

「さて? 覚悟はいいかい? これで終わらそう」

「ハッ! やれるもんならやって見やがれ!」


 そう言ってLocolocoは剣を上に掲げる。


「これを後輩に使うことになるとは思わなかったよ」

「そりゃ、光栄ですわ!」


 そう言いながらもその場を動けないroooo。

 発動させまいと近付いて攻めることはできなかった。 Locolocoがどんなスキルを放つか分からない以上、後手にしか回ることができなかった。


「なら終わりだ、楽しかったぞ後輩」

「そりゃこっちのセリフだぜ! 先輩!」


 Locolocoの掲げる剣に光が集束しその準備が終了する。

 それを見たrooooはアックスを上段に構える。


 「聖典あらたかなる力を!」

 「ぶっ潰す!」 


 発動。【スペシャルスキル:グランドクロス】

 発動。【アクティブスキル:ユニオンブレイク】【パッシブスキル:脈動】



「ああぁああぁあァああァア!」

「ウオォオオォオォォオオ!」


 Locolocoからは巨大な十字の形をした白き光の斬撃。 それに対しrooooは己が武器を地面に突き立て地面から発せられる巨大な衝撃波。

 空気を裂き迫る斬撃と大地を割り突き進む衝撃波。 その二つが凄まじい音と共にぶつかり合い土煙を巻き起こし…、


 



 二人の男の戦いに決着がついた。




 そして叫んだのは、 


「俺の……勝ちです!」


 土煙が晴れ現れるのは倒れるrooooの前に立つLocolocoだった。 盾を掲げ勝利を表すと同時にあふれる歓声。

 その声を聴きながら薄れていく意識の中、rooooの口は小さくこう動いた。


 ……あぁ、やっぱり負けるのはくやしい、な。


 


 _to be continued.


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