サードステップ
「お前は、お前の大切者を守るためにその力を身につけなさい」
「どうして?」
「理由なき力はただの暴力にすぎん、力は力でありただそれだけの理由しかないのだ。 そこにあるのは力と力の潰し合い…力とは本当の意味では力でしかないんじゃよ」
当時の私にはきっと意味なんて分かってなかった。
ただおじいちゃんが私を抱えてそうやってお話をしてくれるだけで嬉しくていつもそうしていた。
「だから、 はちゃんと意味を持ってその力を振るわなければいけないんじゃよ。 意味なき力は他者を傷つけるための道具に過ぎなくなってしまう。 まぁわしの孫にはそんなことを言わんでも分かってくれるじゃろうに、な?」
「うん!」
だから私は嬉しくてただ純粋に言葉を返したのだった。
■■■■
「んでルサルカ嬢。 楽しいのか? あいつとの練習ってか鍛錬は」
「楽しいです!」
「そーかい」
鍛錬の終わったルサルカに向かって公園のブランコの策に触りながらイチゴ牛乳のパックを吸いながらアルはそう言う。
「んで、お前は楽しい?」
「楽しゅうないわ……生きてるのがつらい…」
と言うのは公園の真ん中でうつ伏せに大の字で倒れている柿ピーだった。
「こんな厳しいなんぞ思ってなかったわ…」
と言いながら仰向けになる。
「くはー身にしみるはこりゃ」
「そりゃいいことじゃねえか、なまった体然り、体力作り然り」
「まぁな…まぁついらいことには変りないんやけど…」
「大丈夫ですか…?」
そうおずおずと言った形で柿ピーを伺うのは柿ピーをそうした張本人なのだが、張本人はいたって元気だった。
「そういってもらえるだけでわいは大丈夫や…で…」
「きゃー!? 柿ピーさん!?」
そういいながらまた地面に顔を伏せる柿ピーにオーバーリアクションなルサルカ。
「なにコントやってるし」
「結構命がけやぞ…精神的にも身体的にも」
「ワロス」
「ぐは…」
「柿ピーさーーーん!?」
「ていうコントを朝からしてきたんだ」
「うん、柿とルサルカがね」
と授業の間に隠れ桜と駄弁っていた時だった、この物語が進み始めたのは。
ブーーーーーーーーーーーーーーーーー!
隠れ桜との会話を遮ったのはそのアラート音だった。
「おいおいこりゃあ…」
「…やばい」
動いていた生徒たちも動きを止めその音に耳を傾ける。
そして告げられるのは非常なる世界からの宣告。
『神白沢市全民に告ぐ!』
まもなくして声が響くのはこの都市のトップである蛍火の声だった。
『現時点を持って特一級の警戒態勢を発令する』
それは即ち……、
『扉監視館から特緊急発令が出た。 それは即ち、戦争を意味する』
魔族の進行を意味する。
『此処が我らの最果ての人間は学園に非難し、学院教員2位以上のものは本部へと急行しろ。 3位の学院教師はⅣクラス以上の学院生を連れ此処が我らの最果ての守備に回り、4位以下の教員とその他の学院生は学院および人々の守護だ』
次々と飛び交う指令に人々は的確に動き始める。 みな理解しているから。
『分かっていると思うが』
みなそれを知っているから。
『簡易な言葉だがこれは訓練ではない』
そう訓練ではない。
『自分の命を守るな、他の命を守れ』
これは簡単に死ぬのだ。
『これより第6次魔大戦を開戦する。 言葉は不要だ、敵(魔物)を殺せ』
_to be continued.
ここからが本編だっ たぶん