表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/24

幼馴染と体育祭

あれからさらに数日経ち、体育祭がやってきた。疲れるから別に来なくてもよかったんだけどな……。俺が出る競技は借り物競争。結愛は男女二人三脚競争で相手は宮だった。宮は月島が好きだから問題ないけどなぁ。ちょっと複雑な心境だ。その月島と久遠は男女混合のリレー。鏡は障害物競争で凛斗は男子の学年対抗リレーで、初野は玉入れ。宮は玉入れに立候補していたが、人数オーバーでじゃんけんした結果、負けてそうなったらしい。久遠と月島はみんなから推薦されて。あの2人運動神経がいいから。そして今はその男女二人三脚競争の途中。


「結愛ー!宮ー!頑張れ〜!」


月島が声を出して応援してる。本当に意識されてないんだなぁ。と分かると若干不憫に思えてくる。気を強く持てよ……宮……。意識されてないのは俺も同じだけどさ。それにしても練習期間もあったからか2人は結構息が合ってるな。まぁ息合わせないと難しいよな。


「蓮、次借り物競争じゃなかったっけ?」


久遠に言われてそうだったと思い出して俺は入場場所に並ぶ。借りやすい借り物だといいんだけど。まぁ全校生徒の前で読み上げられないから、多少借りにくいもんでも平気かもな。人とかなら個人的には、数学の先生とか陸上部顧問の先生とか、そういう分かりやすい先生の方がありがたい。モテる人とかなら久遠連れてきゃ納得だろうし。とりあえず簡単かつ借りやすい借り物がいい。そう思っていると、男女二人三脚競争が終わり、借り物競争となった。俺は第二走者、借り物競争は四走者まであるからな。借り物と言っても人も入ってるようで、生徒や先生を連れて行く人たちもいた。やっぱり人がいた方が盛り上がるのかもな。

第二走者の人が呼ばれて準備してパァン!ピストルが鳴ると、みんな一斉に走り出しくじを引く。俺もくじを引き、借り物を確認する。その借り物を確認すると、俺の手が止まった。どうすればいい……。つか誰だよ!こんな借り物入れたやつ!!こんな告白に近いような借り物!でもこの借り物に当てはまるのは、結愛しかいない。俺は自分のクラスの方に駆け出す。


「ちょっと結愛来い!」


「え?私?」


結愛の腕を掴んで俺はゴールに駆け出し、ゴールテープを切った。多分だけど、俺にはほとんど告白でも、この程度なら結愛にとっては幼馴染だし、親も来てないからまぁ私になるだろうな、と思ってもおかしくないはず。でも親が来てたにしろ、俺にとってはこの借り物に当てはまるのは結愛しかいなかった。


「借り物なんだったの?名前に結が入ってる人とか?」


そんなものだったら、躊躇いもしなかったよ。なぜなら俺の借り物はそんな具体的ではなく、とても抽象的なものだった。


「借り物は……『世界で1番大切な人』ですね、えーっと……」


「こいつ幼馴染だし、親も来てないから消去法」


理由を聞かれる前に答えると「あぁなるほど」と納得したように「はいOKでーす」と言われた。


「なーんだ、私のことそんな風に思ってくれてたんだ?」


俺の台詞のせいでもあるけどやっぱお前にはそうなるんだな。分かってはいたけど、けど……少しくらいなら本音話しても、気づかれないよな……?


「父さんや母さんいてもお前を選んでたよ」


「え……」


「お前は俺にとっては世界で1番大切な奴だから!」


そう言うと結愛はポカンと呆けた顔をしている。やっぱりちょっと言い過ぎたかもしれない。と言った後に後悔してももう遅いんだけど……。


「も、もー!さすがに照れるじゃん!かっこつけちゃって!」


うん、こういう奴だよな、このくだり何回あったことだろうか……。俺がちょっと仕掛けたと思った瞬間に冗談だと流される。


「お前の役目終わったからさっさと戻らんかバカタレ」


「蓮が連れてきたのにその言い方なくない!?」


いや確かに俺が連れてきたんだけど、このままここにいられても俺の心臓にも悪いんだよ。これでもかなり心臓バクバクしながら言ったんだからな。俺こいつより早く死ぬんじゃねーかな……?まだ10代でこんなこと考えさせんなよ……。俺あと70年は生きたいぞ。

そう思ってる間にも借り物を終えた人達が、ぞろぞろと集まる。なんだかんだで俺達が一番だったんだな。


「れーん、借り物何だったんだ?」


「凛斗……」


凛斗も借りられてたのか。


「そう言うお前はなんの借り物で借りられてたんだよ」


「身長高い人」


あぁ、そういえば凛斗って高校1年でありながら身長は175センチで、身長は高い方に入るだろう。あ、そういえば入学当時背が高いって理由で、バスケ部にしつこいくらい勧誘されたから、バスケ部に入ったって話を聴いたな。


「で?お前の借り物は?」


「世界で1番大切な人」


そう言うと「ふーん」とニヤニヤしてくるので頭を叩いて「お前も早くクラス戻れ!」と追い返す。結愛は俺の気持ちに1ミリも気づいてないし、凛斗には変に絡まれるし、まったく今日は俺にとっては厄日か?

ただでさえ今日は体育祭っていう疲れる学校行事だっつーのによ。……でも俺は知らなかった。それは結愛がクラスに戻った時、初野に言われた。


「結愛、どうかしたの?」


「え……」


「顔、なんか赤いよ?」


「……っなんでもない!暑いだけ!」


結愛は顔を赤くしていたと、その時の俺は知らなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ