龍王爆誕
灰燼の星の夜、部族の火が赤黒い空を照らす。俺、アレキサンダー(元藤原タクヤ)はザルクの手術を見守っていた。レッドドラゴンの心臓移植が始まり、長老が呪文を唱え、部族の医者が血と炎を操作する。緊張が張り詰める中、ザルクの体が震え、突然、背中から赤い翼が突き破った。
「うおっ…!」
部族が驚きの声を上げる。翼は炎を纏い、3メートルほどに広がる。ザルクが目を開け、立ち上がる。目が赤く輝き、力が溢れる。
「ジチュー野郎…成功したようだ。」
長老が頷く。「レッドドラゴンの力が目覚めた。だが、新たな能力が…」
ザルクが身震いすると炎の分身体が複数現れ、さらに陽炎で見るものの視界を歪ませる。火力も上がっており、ほぼ無尽蔵に業火を出し続けられるようになった。それだけじゃなくて、彼の炎で呼吸することができるため彼は宇宙空間でも生きられるのだという。
俺は目を丸くする。
「すげえ…ザルク、お前、別人だな。」
ザルクが笑う。「アレキサンダー、お前のおかげで"龍王"になれた。だが、お前も強ぇぜ。最高の毒龍だ」
翌日、部族はザルクの新力を祝う祭りを開いた。火口のそばで踊り、酒が振る舞われる。俺は毒針を手に、ザルクの変化に感心しながら見守る。だが、その時、少女が近づいてきた。ドラゴノイドの娘、リナ――長老の孫娘で、12歳の鱗の薄い少女だ。赤い目が俺をじっと見つめる。
「アレキサンダー、お前、かっこいい。昨日、ザルクを救ったよね。」
俺は動揺する。「え、えっと…ありがとうな、リナ。」
リナがニコッと笑う。「お前、ジチュー野郎って呼ばれてるけど、優しい。好きだよ。」
「はっ!?」
顔が熱くなる。
俺にはセイラがいるのに、リナの言葉にどう反応していいか分からない。
「リナ、俺は…その…」
リナが首を傾げ、「ふーん、照れてる?」って笑う。部族の奴らがニヤニヤして、ザルクがからかう。
「ジチュー野郎、モテるじゃねえか。」
その日、リナは俺に水袋を渡し、一緒に溶岩を見ながら話した。彼女の純粋さに、俺は少し心が温かくなった。だが、セイラの笑顔が頭を離れない。
夜、祭りが終わり、俺は空を見上げた。赤黒い空に、突然、金属の輝き。直径10kmはあろう宇宙船が低空を飛ぶ。不審な形状、地球人か?それとも侵略者か?はたして…。心臓が早鐘を打つ。地球に近づいたのか、はたまた新たな敵か?
灰燼の星編はここで終わり!
次回から新章へ!
とは言ってもまだ舞台は灰燼の星なんだけどね!