毒龍の逆襲
灰燼の星の朝、溶岩地帯は炎と血で染まっていた。俺、アレキサンダー（元藤原タクヤ）はザルクの倒れた姿を見つめていた。ザルクは、血まみれで動かない。遠くでレッドドラゴンが咆哮し、炎を溜める。部族のドラゴノイドが後退する中、長老が叫ぶ。
「アレキサンダー！ザルクを救え！」
俺の心臓が跳ねる。ザルクの言葉、「アレキサンダー…オレを助けるな…逃げ…ろ」が頭をよぎる。
「なに言ってんだ…助けるに決まってんだろ！ザルク！」
俺は毒針の尾を振り上げ、ザルクのそばに駆け寄る。レッドドラゴンが炎を吐くが、部族が盾で防ぐ。その隙に、ボーンドラゴンが復活。白い骨の巨体が炎を纏い、部族を襲う。
長老が吼える。「ドラゴノイド！ボーンドラゴンを倒せ！」
部族が一斉に突進。槍と剣が骨に当たり、腐敗毒が空気を汚す。長老が杖を振り、炎の魔法でボーンドラゴンの手足を拘束する手錠を作り、動きを封じる。部族の戦士が連携し、骨を砕き始める。ボーンドラゴンが咆哮するが、数を頼りに部族が圧倒。最終的に長老の爆炎で骨が溶け、ボーンドラゴンが消滅する。
「よくやったぞ皆の衆！」
長老が息を整える中、俺はザルクを支え、レッドドラゴンに立ち向かう。20メートルの巨体が俺を睨み、爪を振り上げる。腐敗毒が肺を刺すが、昨日の戦いで熟成した毒が体内で覚醒。毒針が緑に輝き、鱗が熱を持つ。
「この力…今だ！」
俺はレッドドラゴンに突進し、毒針を胸に叩き込む。龍が咆哮し、動きが鈍る。毒が全身を侵し、龍が怯む。ザルクが這うように立ち上がり、血まみれの体で溶岩槍を構える。
「アレキサンダー…隙を作ったな…！」
ザルクが最大出力の必殺技、「ドラゴニックバスター」を放つ。槍が炎の奔流となり、レッドドラゴンの喉を貫く。龍が吼え、崩れ落ちる。炎が散り、戦場が静寂に包まれる。
ザルクが膝をつき、俺に笑う。
「ジチュー野郎…やるじゃねえか…やつの心臓を早く…」
俺が駆け寄り、ザルクの傷を押さえる。部族が駆けつけ、長老がいう。
「今からザルクにレッドドラゴンの心臓を移植する」
夜、火のそばでザルクの手術が始まる。
