表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼星のレクイエム  作者: ノザキ千溜
灰燼(かいじん)の星編
5/63

腐敗龍

灰燼の星の朝、溶岩地帯の空は赤黒く脈動している。俺、アレキサンダー(元藤原タクヤ)は長老とザルクに囲まれ、部族の戦士たちと並んで立っていた。昨夜のレッドドラゴンの咆哮が耳に残っていた。

「水源の汚染が進行中だ。」

長老が杖を振り上げ、部族を鼓舞する。

「ジチュー野郎、アレキサンダー!レッドドラゴンの手下が水源を毒している!我らは守る!平和を!奮い立て!ドラゴノイドの誇りにかけて!!」

部族のドラゴノイド――鱗に覆われた戦士たちが槍や剣を構える。ザルクが俺の肩を叩き、小声で言う。

「ジチュー野郎、覚悟しろ。ドラゴンゾンビは腐敗毒で厄介だ。だが、上位種のボーンドラゴンがいるなら、さらに戦いは長引く。」

「分かった。援護するぜ、ザルク。」

長老が号令をかけ、部族が溶岩地帯へ進む。遠くで黒い影が蠢く。ドラゴンゾンビ――腐敗したドラゴン(3〜5メートルほど)の亡魂が15体、ぼろぼろの鱗を揺らしながら迫る。だが、その中央に異様な存在。ボーンドラゴン――白い骨だけになった上位種、15メートルの巨体が炎を纏う。

「来るぞ!」

ザルクが吼え、部族が突進。ドラゴンゾンビが爪を振り、腐敗毒が空気を汚す。俺は毒針の尾を振るうが、鱗に弾かれ、毒が効かねえ。肺が焼けるように痛む。

「くそっ…この毒、強すぎる…」

長老が部族を指揮し、3体を炎で焼き殺す。だが、ボーンドラゴンが咆哮し、酸を吐いた。部族の戦士たちが酸を浴びて溶けて絶命、叫び声が響く。ザルクがボーンドラゴンに飛びかかり、溶岩槍を骨に叩き込む。だが、骨が弾き返し、ザルクが後退。

「ジチュー野郎、援護しろ!」

俺はゾンビに囲まれ、毒針を乱打。1体が倒れる。

さっき浴びた腐敗毒が体内に染みる。体が熱を持ち、何かが蠢く感覚。毒が熟成し始めてる?

ボーンドラゴンが長老を狙う。骨の尾が振り下ろされ、長老が転ぶ。俺は反射的に飛び込み、毒針で尾を刺す。効果は薄いものの、ボーンドラゴンが一瞬うろたえる。ザルクがその隙に槍を投げ、骨の肩を砕く。

「よくやった、ジチュー野郎!」

長老が立ち上がり、部族を再編成。ドラゴンゾンビ5体が残り、ボーンドラゴンが再び咆哮。腐敗毒が濃くなり、俺の視界が揺れる。だが、体内で毒が変化する感覚が強まる。毒針が淡い緑に光り始めた。

「この力…何だ?」

ザルクが俺を振り返り、目を細める。

「アレキサンダー、お前の毒が覚醒しかけてる。レッドドラゴン戦に備えろ!」

戦闘は膠着。ボーンドラゴンが酸を撒き散らし、部族が後退。俺はドラゴンゾンビを肉弾戦で1体倒し、息を整える。

強くなる。地球に帰るため、俺は立ち続ける。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ