表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼星のレクイエム  作者: ノザキ千溜
交易惑星ヴェルティス編
18/63

軌石祭(きせきさい) 前夜

ヴェルティスの夜空に、月のような衛星が静かに浮かんでいた。俺、アレキサンダー(元藤原タクヤ)は、宇宙船の甲板に立ち、緑豊かな陸地と青い海が混ざり合う景色を見下ろしていた。ヴェルティスは交易で栄えた惑星だが、資源争奪戦が絶えなかった。約500年前、種族間の和平を祝うために始まった輝石祭が、争いを最小限に抑える効果をもたらし、今も続いている。輝石——光を反射する希少鉱石は、交易の象徴として神聖視され、ギルドが主催する祭りは交易の掟を再確認する場だった。毎月1日の満月時に3日間開催され、今夜がその初日だ。

この惑星は、地球の半分ほどの面積を持ち、海と陸地の比率が5:5。四季はないが、極めて地球と環境が近く、前世の記憶を持つ俺にとってどこか懐かしい感じがした。風が頬を撫で、故郷の地球を思い出し、感傷に浸っていると、背後から声がした。

「なぁ、この星って緑豊かで海もあって、いいところだよな。地球はこれよりももっと凄いのか?」ザルクが赤い翼を広げ、俺の隣に立っていた。溶岩槍を肩に担ぎ、ドラゴノイドらしい野性が滲む彼の声に、俺は微笑んだ。「あぁ…きっと、見たら感動するさ…オレもお前も」と答えた。ザルクが目を細め、「そうか…楽しみだ」と呟き、しばらく黙って海を見続けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ