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蒼星のレクイエム  作者: ノザキ千溜
宇宙海賊ブルーホーン襲来編
14/63

ついに宇宙へ!

カイラ強かったね〜

ほんとビックリした

灰燼の星の夜、宇宙船内の宴は静かに終わりを迎えていた。俺はカイラの隣に座っていた。彼女はかつての敵から盟友へと変わりつつあった。部族の子供たちがナックルの筋肉に触れ、感嘆の声を上げ、ザルクがリナと談笑する姿が温かい光景を作り出していた。

カイラがグラスを手に、静かに口を開く。「…私たちの船、食料と水が底を尽きかけている。宴の裏で、危機が迫ってるのよ。」

その言葉に、宴の雰囲気が一変した。俺は立ち上がり、ザルクと目を合わせる。「どれくらい持つ?」

「あと3日だ。原子力は動くが、生活資源が…」カイラの声に重さが乗る。ナックルが拳を握り、「普段からよく食う俺のせいだ…」と嘆いた。

リナが心配そうに言う。

「みんな、飢えちゃう…何か方法ない?」

宇宙船の制御室へ向かうと、モニターに赤い警告が点滅していた。食料庫は空っぽ、水タンクは残り10%。カイラがデータを確認し、「私には悪い癖があるの。戦うことしか考えてこなかった。でも…今は違う。みんなを救いたい」と呟く。

彼女はすっかり改心していた。

俺は拳を握る。

「地球に帰るためにも、生き延びなきゃ。アイデアを出そう。」

ザルクが頷き、「ジチュー野郎、俺の炎でなんとかする」と提案。だが、ずっと彼を火力発電所に縛り付けるわけにはいかない。

議論の末、リナが小さな声で提案する。

「交易惑星…聞いたことがある。近くに交易の中心があるって。そこなら補給できるかも…」

カイラが目を細め、「交易惑星か。…私も一緒に行く。償いの第一歩だ」と決意を口にした。ナックルが「俺もそこに行くのに賛成だ。」と加わる。

俺は「なら、行くしかない。みんなで」と頷いた。


翌朝、宇宙船の出発が近づいた。部族が集まり、長老の息子リュウマが前に立った。黒い鱗に覆われた戦士で、父の遺志を継ぐリーダーだ。「アレキサンダー、ザルク。部族は私が守る。旅の成功を祈る」と力強く宣言。リナが涙ぐみ、俺に近づく。

「アレキサンダーお兄ちゃん…ザルクおじちゃん…行っちゃうんだね。気をつけてね…」リナの小さな手が俺とザルクの片手をぎゅっと握る。ザルクが笑い、「リナ、勝手に俺を老けさせるなよ。戻るまで頑張れ」と励ます。

俺はセイラの笑顔を思い出し、「必ず戻る。約束だ」と言った。リナが頷き、別れの雰囲気が漂う中、宇宙船の扉が開いた。だが、その瞬間、リナが突然叫んだ。


「やっぱり私も行く!」


「アレキサンダーの故郷、地球に行ってみたい!

「部族はパパが守ってくれるよね!?」

彼女の瞳が輝き、決意が溢れる。長老の息子が苦笑いし、

「…アレキサンダーとザルクも一緒だしいいだろう。行け。だが、無茶はするな」と許可。リナが飛び跳ね、宇宙船に飛び乗った。

カイラが笑う。「…驚いた。だが、仲間が増えるのは嬉しいわ。」ナックルが「守るぜ、リナ」と呟き、俺たちは船内に整列。部族たちが総出で手を振って送り出してくれた。

ザルク「じゃあなーーーー!!バカヤロウどもぉおおお」

俺もザルクもリナも…なぜかナックルも号泣していた。

そして、段々と窓から見える赤黒い星が遠ざかっていった。

交易惑星ヴェルティスを目指して、彼らはこの先の冒険に胸を躍らせた。

いよいよ宇宙を冒険し始めるよ!

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