長老の覚悟
灰燼の星の昼、溶岩地帯は混戦の嵐に包まれていた。俺、アレキサンダー(元佐藤タクヤ)はザルクと共に、カイラの圧倒的なスピードに立ち向かっていた。1日1回の「一撃奪取」で"必ず何よりも速くなる"
ザルクの翼と肩を斬り、俺の腹を裂いた彼女の刀と短刀がまだ目に焼き付いている。
ザルクが息を切らしながら言う。
「ジチュー野郎…もう一踏ん張りだ。お前の毒、頼む…」
部族のドラゴノイドが後退し、リナがいう。
「アレキサンダー、勝てるよね…?」
俺は頷き、決意を固める。
「行くぞ、ザルク!」
俺は毒針を高く掲げ、体内で熟成した毒を解放。ドラゴノイドには無害だが、多種族に致命的な毒霧を数百メートルに噴射し瞬時に拡散させた。周辺に生息していた溶岩獣たちは瞬時に絶命。霧は極めて繊細で透明に近く、カイラの超スピードでも避けきれずに吸い込んでしまう。風に乗り、戦場全体を覆う。
カイラが一瞬咳き込み、動きが鈍る。「何!?この霧…!」だが、彼女の目は依然鋭く、刀を構える。衰え始めても、ザルクと俺を同時に相手し、互角以上の強さを発揮。短刀でザルクのドラゴンテールを弾き、刀で俺の毒針をいなす。
「雑魚の毒で私を止められると思うな!」カイラが吼え、二刀流で攻め立てる。ザルクがカイラの前後に炎の分身体を2体作り、陽炎で姿をぼやけさせつつ、溶岩槍を投げる。だが、カイラはスピードで分身体を切り裂き、槍を刀で弾いて、陽炎を看破してザルクの右耳を削いだ。
ザルク「陽炎でオレの輪郭を捉えるのは困難になっていたはずっ…それなのに!」
俺は毒針を振り、腐敗毒を直接カイラに浴びせる。彼女の動きがさらに遅くなり、青い皮膚に黒い斑点が広がる。それでも、カイラは笑う。「まだ…まだだ…!」と、刀でザルクの左目を斬り、短刀でオレの右大腿部を突き刺す。
「くそっ…毒が回ってるはずなのに…!」俺が歯ぎしりする中、戦場全体が混戦に。カイラの仲間100名の宇宙海賊が部族を襲い、ドラゴノイドたちが苦戦していた。長老が杖を振り、爆炎で海賊を焼き払うが、数が多い。リナが叫ぶ。
「おじいちゃん、気をつけて!」
長老が戦場を見渡し、決断する。
「リナ…お前は下がれ。この命に変えても部族を…守る。」彼の目は覚悟に満ちていた。老いた体に鞭打ち、命を燃やす選択を取る。杖が赤く輝き、全身から爆炎が迸る。
かつてドラゴノイド史上最強の火力を誇った長老の全盛期の力――「爆炎覇王」が復活し始めた。
「うおおおっ!」
長老の咆哮と共に、溶岩地帯が揺れる。炎の渦が100名の海賊を飲み込み、一部が灰に。だが、老体は限界に近づき、息が荒くなる。リナが泣き叫ぶ。「おじいちゃん!やめて!」
カイラが毒霧を吸わないために息を止めながら戦いを続行。だが無理が祟って次第に不利になっていく。ザルクがドラゴンテールで彼女を叩きつけ、俺が毒針で追撃。だが、カイラもすかさず反撃し、互角の攻防が続く。
長老の爆炎が弱まり、海賊が再び部族を圧倒。
長老が膝をつき、血を吐く。
「リナ…すまん…」長老の声が途切れ、炎が消えかける。
部族が絶望に沈む中、俺は拳を握る。長老の犠牲を無駄にしない。カイラを倒し、リナを守る!