第7話 新しい友達
第7話まできました!
どうやら冬季につるむ人がいるらしい。
私達は雫ちゃんと共にクラスに戻って行った。
「さっき九重さんにいじめられてたのは何か理由があるの?」
「私達、同じ中学だったんです。中学時代、私は
何やっても上手くいかないし能力も弱い。何かしようとしてもクラスに迷惑をかけるような人でした。でも、知鶴ちゃんは違った。何もかも優秀で、今回の試験もポイント数トップでしたし。でも、人を見下す性格で周りの人もよく見下し、いじめてたんです。」
「なにそれ!意味わかんない!最低ね!」
「大変だったね。」
「あの、良かったら仲良くしてくれませんか?」
「もちろん!よろしくね!」
碧がそう言って雫ちゃんの両手を握った。
「私も、よろしく!雫ちゃん」
「!はい!」
そしてクラスに着いたらさっきより人が増えていた。でも、
「1クラスの人数にしては少なくない?」
「そうだね?どうしてなんだろう」
「それは、あの受験が絡んでるよ。」
「うわぁ!」
いつの間にか源さんが碧の後ろにいた。
「びっくりするので、勘弁してください。」
見ると、碧は驚きのあまり少し涙が出ていた。
「いや、すまんすまん。」
「受験が絡んでるって?」
「それも含めて話があるからとりあえず席に着け。」
そう言われ私達は席に座った。
「えー今日からこのクラスの担任となった、当麻源だ。よろしくな!」
この人が担任だったのか。知ってる人が担任だと安心する。
「今Cクラスの配属に不安や不満を持つ人もいるだろうが、今年は例年に比べてレベルが高い。クラスの格差なんて飾りみたいなもんだ。そんな気を落とす必要は無いからな。」
まぁそうは言われても、納得出来ない人は一定数いるだろうな。
「あとクラスの人数に疑問を持つ人もいるだろう。実は今年の試験はとある会場で少しトラブルがあってな。戦闘科への参加者がとても減っているんだ。だから今年は1クラス20人ほどとなった。」
なるほど。多分あの時の受験者たちだけじゃなくて、その噂を聞いた生徒も一般科へ移動したのだろう。
「俺からの連絡はこんなもんだ。行事などは明日説明する。じゃあ解散!」
そうして、私達は帰路に着いた。
「ねぇ、ほかのクラスちょっと見に行かない?」
「いいね。雫ちゃんはどう?」
「私も行きたいです。」
まだ敬語が抜けてない。まぁ大人しそうな子だし癖なのかな?
そういうわけで、私達は他クラスを見て回ったが、
「私がこのBクラスのトップよ!従いなさい、愚民ども!」
「はい!知鶴様!」
「...ねぇ、ここって宗教かなんか?」
碧が呆れたようにそう呟く。
「知鶴ちゃん、昔からモテたんですよねー。そのせいで、調子に乗っちゃったりした時もあるし」
雫ちゃんはどこか心配そうに見ていた。
「はぁ、別のクラス見に行こう。」
碧が嫌気がさしたようなので、私達はBクラスを後にして、Aクラスに向かった。
「嘘...冬季...」
冬季に会った私は目を疑った。
「あんた、まさか...」
「友達がーーー!?」
衝撃的過ぎて、思わずハモってしまった。
「お前ら、失礼って言葉知ってるか?」
私達からしたら衝撃だった。だって、あの冬季が、1人で友達なんて!
「愛想よく接してくれたんだよ。」
「どうも!2人が咲ちゃんと碧ちゃん?初めまして。Aクラスの松風誠一郎です!」
「ああ、こちらこそ初めまして。」
この人...Aクラスなだけあってすごい覇気をまとってる。只者じゃない。
「ところで、そちらの方は?」
「ああ、彼女は美澄雫ちゃん。私達の新しい友達。」
「は、初めまして。冬季さん。」
「どうも、初めまして。すみませんね、手を焼くと思いますが根はいい子なんで。」
「おいそれどういう意味じゃコラ。」
碧がそれを聞いて少しキレそうになる。
「まあまあ、落ち着いて。」
「ふふ。」
良かった。雫ちゃんと冬季もすぐ仲良くなれそう。
「おいお前ら。邪魔だ。」
その時、冬季達の後ろから誰かが声をかけた。
「そんなCクラスの奴らと話すために廊下に立たれちゃたまらん。」
「なんですって。」
碧がまた怒りそうになる。
「これでも中学からの友達なんだ。悪くいうのはやめて欲しい。」
「そうか、ならお前も無能という事だな。そんな奴らと絡むなんてAクラスの恥だ。」
碧が今にも襲いかからんとする勢いで相手を見ている。
「Aクラスは常にトップであり続けなければならない。お前らもそのクラスにいる以上、適した振る舞いでいることだな。」
そう言うとその人は去っていった。
「なにあいつ!ムカつくーーーー!」
碧が怒りをぶつけている時、誠一郎君が口を開く。
「あいつは神宮寺龍青。今回の受験でトップ成績を叩きだしたやつさ。」
あれ?でもポイントトップは知鶴さんなんじゃ?
「多分お前ら、ポイントトップはBの知鶴じゃないの?とか思ってるんだろ。」
そう言われ、私は驚いた。心の中読まれた?!何この人怖い!
「あいつは能力の精密度や、その強力さが評価されたんだと。まぁ俺らも能力は知らないんだけどな。」
「へー。そうなんだ。」
その時、私は少し不安になった。多分これから先、今のままじゃ太刀打ち出来ない。もっと強くならないと。
「冬季、今日特訓付き合って。」
「お、咲がそう言うなんて珍しいな。いいよ。」
「何何?特訓?面白そう。俺も行きたい!」
「わ、私も。」
「なら私も行くー。」
「よし、全員で行くか。」
丁度いい。みんなの能力も知っておこう。
こうして、私達はいつもの山へ向かった。
「よし、始めようか。」
「そうだね。誠一郎くんと雫ちゃんはどんな能力なの?」
「俺のはちょっと面倒なんだよね。俺の能力は、『人獣化』。動物の力を借りれて、最大限発揮できる能力だ。」
「へー。そんなのあるんだ。」
少し似ているからか、碧が興味ありげに話を聞く。
「ただ、全身同じ動物にすると意識を失って本能のままに攻撃するようになっちゃうんだよ。だからいつもは、背中に鷲のはねとか手にライオンの爪とかみたいに部分部分で分けてるんだ。でも、全身を同じ動物にしたら、そうじゃない時の比にならない力を発揮するよ。」
「へー。面白いね。雫ちゃんはどんな能力なの?」
「私の能力は『守護』って名前。シールドを出したり、回復出来たりするんだけど、敵に攻撃する手段がなくて...」
「なるほど...」
冬季は頷きながら、何かを考えていた。
「なあ、3人の能力はなんなんだよ。」
「ああ、それはな.....」
~能力説明中~
「なるほど。結構似てる感じのやつ多いな。」
「ね。私達もそう思ってたところ。」
何か私も思ってることにされた。いや、思ったよ?思いましたけども。でもなんで分かるの?
「じゃあ特訓開始だ。」
こうして、お互いの情報を共有した私達は特訓を始めたのだった。
翌日、学校へ登校した私はいつもより疲れていた。
「付き合ってとは言ったけど、まさかあそこまでとは。」
特訓ははっきり言って地獄だった。碧は憑依させて誠一郎くんと組手するし、それに巻き込まれて私が攻撃食らうし、私が冬季へ攻撃してみても簡単に躱されてカウンター貰うし!
でもその度に雫ちゃんが回復してくれたから何とかこうしていられてます。マジ雫ちゃんありがとう。
「おい皆ー、席に着け。」
すると、源先生が入ってきた。
「昨日言った通り、行事について話すぞー。まぁ行事と言っても、説明するのはお前らが1番近い5月のクラス対抗戦だがな。」
次回
知鶴が咲に絡んでくる。喧嘩勃発か?!




