第57話 国からの刺客
国から刺客が動く。
ルシファー「お前らから話だと?(俺らを憎んでいるはずだが。何が狙いだ?)」
ルシファーは少し違和感を覚えながらもベルゼブブの話を聞くことにした。
ベルゼブブ「単刀直入言おう。俺らをお前らの組織に加えてくれ。」
その言葉は、ベルゼブブからは飛んでくるわけのない言葉だった。
ルシファー「何?どういうつもりだ。」
ベルゼブブ「俺らはロールビア家のセロと手を組んでいた。柊咲を捕らえる代わりに、お前らへの復讐を手伝うという条件だった。だが、セロは死に、ロールビア家の他の奴らはお前らと組むことを選んだ。流石にお前らを同時に相手するのは分が悪すぎる。なら、一度お前らの協力関係が終わるまで一時協力してやったほうがいいと思ってな。」
ルシファー「なるほど。言いたいことは分かったが、よくあいつらがそれを呑んだな。」
ベルゼブブ「ああ、それは苦労した。」
実際、ベルゼブブは他の七大悪魔を説得するのにかなり苦戦を強いられた。アスモデウスはともかく、マモンとレヴィアタンは全力で反対していた。
ベルゼブブ「まぁ、あいつらも馬鹿なわけじゃない。メリットをしっかり考えて、渋々だが納得してくれた。」
ルシファー「そうか……」
ルシファーは少し悩んでいた。確かにこいつらが来てくれれば、戦力は増強され、勝つ確率は上がる。だが、ルシファーは内心で信じ切れずにいた。
ルシファー「悪るくない話だが、その分考えることも多い。少し考えさせてもらうぞ。」
ベルゼブブ「ああ、わかった。決まったら連絡してくれ。」
こうしてその場は解散となった。
ベルゼブブ「さあ。鬼が出るか蛇が出るか。」
燐「ちっ!何なんだよあいつらは!」
雷斗「落ち着け。言いたいことは分かるが、あいつらに逆らうのはいろいろと面倒だ。」
水葉「でもあいつらが何を仕掛けてくるかわからないよ。何か対策はしとかないと。」
風露「とはいっても、何からすれば?」
その頃四神は今後について話し合っていた。氷華は用があるといってどこかに行ってしまった。
雷斗「もしかしたら、あれを開放しなければならないかもな。」
水葉「あれって……あれのこと?できるかわからないよ?」
風露「それに、あれの開放を氷華が許すかな。」
燐「まあ、あくまで手段の一つだ。あまり深く考えるな。」
その時、部屋に拓真さんが入ってくる。
拓真「皆さん、お仕事が入りました。各地で魔人と思わしき魔力を感知しました。討伐をお願いします。」
燐「あいつら、散々言ってた癖に仕事はよこしやがって。」
雷斗「とりあえず行くぞ。さっさと終わらせたい。」
そう言って四人は仕事に向かったのだった。
拓真「(皆さん、すみません。)」
その頃、咲達は久しくなかった平和な学校生活を満喫していた。
湊「冬季も忙しくなってあんまり稽古来れないし、最近は平和だな。」
咲「そうだね。この平和を満喫するぞー!」
その時、前から碧と誠一郎くんが向かってくる。
碧「あ、いたいた。2人ともー。今日知鶴のお見舞い行く?」
咲「一応行くけど。どうしたの急に。」
誠一郎「折角だからなんかフルーツでも持ってってやろうかなと思ってな。」
湊「お前そういう気遣いできたんだな。」
誠一郎「失礼にも程があるだろ!」
碧「隼司くん達も誘ってるから。今日の帰りに一緒にどう?」
咲「わかった。」
こうして、知鶴達へのお見舞い品を買うべく、私達はスーパーへと向かった。
湊「ところで、隼司達とはいつ合流するんだ?」
碧「スーパーで落ち合う予定だよ。」
そう言ってスーパーに向かっていた時、
?「見つけた。」
咲「!?」
突然背後から声をかけられた。そのまま流れるように横一文字に銀線が走る。
咲「ぐっ!」
咲はかすりながらもその攻撃を躱した。
?「どうやら俺が一番乗りみたいだな。柊咲。お前は俺が捉えるぜ。」
咲「いきなりなんですか。ふざけないでください。」
私がそういった時、別の人影が姿を現した。
?「待て。それは私の任務だ。」
湊「(次から次へと。何が起きてるんだ?)」
?「ま、名前くらいは教えてやるか。俺は杉下鉄郎だ。」
?「千歳匠。貴様らが最後に聞く名だ。」
そういう奴らからはただならぬオーラが出ている。
誠一郎「ったく。これから友達を見舞いに行くところなんだがな。」
そう言って誠一郎くんが前に出る。
湊「俺もやろうか。少し気になることがある。」
碧「咲、行くよ!」
咲「えっ!ちょっと!」
私はそのまま碧に連れていかれてしまった。
湊「来るなら来いよ。相手してやるからさ。」
鉄郎「お前らに要はないが、邪魔だから殺さて貰うぜ。」
咲「碧、なんで逃げるの?」
碧「知鶴達が心配なの!もしかしたら奇襲を受けてるかもしれない。」
碧は昔から友達思いだが、今日はやけに焦ってるように見える。一体どうしたんだろう。
隼司「碧、咲。どうしたそんなに焦って。」
碧「隼司、咲が狙われてるの。何とかして守らないと。」
観月「くせ者か。武士としてしっかり守護しよう。」
椎名「2人とも。私達の後ろに。」
その時、突然スーパーの中から異様なオーラが出てきた。
?「いたか。以外と早かったな。」
碧「!!!!!!!!」
その声を聞いた碧は顔から汗を流した。
観月「何用か。」
?「そこの女の子を渡して欲しいんだ。頼めるか?」
椎名「それは聞けないね。帰って貰えない?」
?「まぁ、君たち2人には期待してないよ。お前なら分かるだろ?碧。」
碧「.........」
咲「碧?どうしたの?」
碧「......こいつの名前は仙石綿谷。私の父親なんだ。」
次回
国からの刺客の実力とは。




