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第51話 別れ

セロとの決着が着いた頃、他のとこでも動きが見えた。

サタン「なんだ今の魔力反応は。」

湊「(この反応は吸血鬼のもの?ベルザを召喚したのか?)」

ベルフェゴール「そろそろ潮時にしとかないか?」

神宮寺「ふざけるな。逃がすと思うか?」

そう言うと、神宮寺がしっぽで押さえ込もうとする。

ベルフェゴール「やめてくれよ。」

しかし、ベルフェゴールは下段受けでそれを弾いた。

神宮寺「(こいつ、武術に秀でているのか。)」

ベルフェゴール「サタン。撤収しようぜ。」

サタン「何言ってんだ!こんなに楽しいのに。」

その時、サタンとベルフェゴールが何かを察知した。

サタン「....ちっ、ここまでか。」

次の瞬間、サタンが地面を殴り土煙を上げる。

サタン「湊。俺は我慢は好きじゃない。次は必ず決着をつけるぞ。」

ベルフェゴール「俺はもう行きたくないけどな。」

その声と共に2人の気配が消えた。

湊「ちっ!(またか。)」

神宮寺「(あのベルフェゴールってやつ、まだ底がしれないな。)」

誠一郎「とりあえず、学校に向かうぞ。走れるか?」

智之「は、はい!」

神宮寺「湊、行くぞ。」

湊「あ、あぁ。」




エドラ「はぁ、はぁ、はぁ。」

氷華「どうした?もう息切れか?」

エドラ「(これがあの方の言ってたことか。最強、霜凪氷華。確かにこれはやばいな。しかもこれが全力じゃないなんて信じたくねぇな。)」

?「エドラ。頃合だ。戻ってこい。」

その時、エドラの脳内に直接声が響く。

エドラ「(ま、今回はいい経験だったな。)じゃあ俺はそろそろ帰るわ。また会おうぜ。」

そう言ってエドラは去って行った。氷華はそれを追おうとはしなかった。

氷華「(今はあいつよりも咲達の方へ向かわないと。)」





ルシファー「どうした?終わりか?」

ベルゼブブ「はぁ、はぁ。この化け物が!」

アスモデウス「私、やっと出てこれたのにこんなのないでしょ!」

レヴィアタン「くそが!」

マモン「模倣(コピー)してるはずなのに、ここまで差がでるとは。」

ルシファー「経験がものをいうんだよ。さて、あいつらも帰ったみたいだし俺も帰るとするか。」

レヴィアタン「逃げるのか!?」

ルシファー「俺らの目的はお前らじゃない。死にたくなかったらもう仕掛けてくるなよ。」

そう言ってルシファーは姿を消した。

レヴィアタン「待ちやがれ!ぐっ!」

ベルゼブブ「(セロもやられ、残りの魔力も少ない。)ちっ!退散するぞ!」

そう言ってベルゼブブが空間に穴を開けた。

アスモデウス「今度は別のタイミングで呼んでよ。」

マモン「お前が勝手に来ただけだろ。」

レヴィアタン「くそ!」

そうして悪魔達は去って行った。

碧「何とか助かったみたいだね。」

知鶴「とりあえず、咲達を回復させないと。」

雫「私の出番だね。」

穂乃香「私もお手伝いします。」

咲「うぅ(意識.....が......)」




咲「うーん。ここは。」

気がつくと、私は私自身の心の中にいた。

ベルザ「久しぶりに来ましたね。」

咲「あ、ベルザ。」

ベルザ「しかし驚きましたよ。まさかセロに勝つなんて。」

咲「いや、あれは偶然だよ。椿ちゃんの強化薬のおかげだし。」

そこで私はふと疑問に思ったことを聞いてみた。

咲「ねぇベルザ。私に何が起きたか分かる?」

ベルザ「.......恐らく、能力のポテンシャルを全て発揮したのでしょう。」

咲「能力のポテンシャル?」

ベルザ「本来、人間は自身の能力の100%の力を発揮できません。しかし、ごく稀にそれが出来る人間がいるのです。咲さんの場合はあの薬の効果により一時的にそれを可能にしたのでしょう。」

咲「そんなことがあるんだ。」

ベルザ「しかし、それによる代償もあると聞いています。どんなことが起きるかは人によって違うらしいのですが。」

咲「そうなんだ。というか、なんかめちゃくちゃ詳しくない?」

ベルザ「まぁ長いことこっちの世界で生きていますからね。ざっと300年は。」

咲「さ、300年!?ベルザは今何歳なの?」

ベルザ「吸血鬼の寿命は永遠とも思えるほど長いですからね。あまり数えてはないんですが、だいたい1500歳でしょうか。」

咲「せ、1500歳!?信じられない。」

ベルザ「まぁ人が聞いたらそりゃそうでしょうね。」

その時、謎の光が迫ってきた。

咲「あ、そろそろ意識が戻るみたい。」

ベルザ「なら帰る前にひとつお願いしておきたいことが。」

咲「ん?どうしたの?」

ベルザ「目が覚めてある程度したら私を召喚してくれませんか?」

咲「え?いいけど何かあったの?」

ベルザ「いえ、少し気になることがありまして。」

咲「わかった。」

その瞬間、光が私を包んだ。




咲「う、うーん。」

冬季「お、起きたか。」

碧「よかった。無事で。」

咲「ここは?」

湊「毎度の如く病院だよ。」

咲「毎度の如くって。でも、体は全然痛くないよ?」

冬季「そこがよく分からないんだよな。俺の目で見てもどこにも異常があるようには見えないんだ。」

碧「咲、何かしたの?」

咲「いや、心当たりはないんだけど。」

冬季「(まさか"あれ"が起きたのか?いや、まさかな。)」

咲「あ、そういえば他のみんなは?」

湊「源先生はもう意識を取り戻してるよ。今雫の知鶴が頑張ってる。他の4人も異常なしだって。」

咲「それはよかった。」

冬季「ただ、少し面倒になってな。」

碧「面倒?」

冬季「元々あの4人を連れてきたのは俺の独断なんだ。国からの許可なんて貰ってない。その事でブチ切れてる国の奴らから今すぐ処分するように言われてるんだ。」

咲「はぁ!?何それ!」

湊「人権とかガン無視かよ。」

冬季「あぁ、だからもう公には出せない状況なんだ。"今のまま"だとな。」

碧「どういうこと?」

冬季「これからあの4人は四神の奴らに面倒を見させる。俺が面倒見てもよかったんだが俺はお前らを育てる必要があるからな。国もキレてるだけで何か仕掛けてくるとかはないだろう。」

湊「まぁ、仮に何か仕掛けてきても四神やお前がいるなら安心だな。」

冬季「まぁそういうことだ。だからお前らがあの4人と関わることはほとんど無くなるだろう。」

咲「そっか。ちょっと寂しくなるね。」

湊「まぁ仕方が無いさ。彼らが安定して能力を使えるようになった時にまた会いに行こう。」

碧「それもそうだね。」

冬季「ま、多分このままいけばすぐに会えると思うけどな。」

咲「それもそうだね。」

こうして私達は無能力者の4人と別れることになった。でも、不思議と寂しさはない。きっとまた会えるから。







その日の夜、学校近くの茂みの中

セロ「ぜぇ、はぁ、ぜぇ。よ、よくもやってくれましたね。」

セロは何とか生き延びていた。

セロ「柊咲!貴方は必ず殺します。いずれ必ず!」

?「それは無理だな。」

セロ「!?」

その時、突如セロの背後から声が聞こえる。

セロ「何者だ!?」

?「何者だって言われても。兄の声を忘れたのか?」

そこには月を背に歩いてきたベルザがいた。

セロ「なんです?捕まりに来てくれたんですか?」

ベルザ「いや?多分お前が生きてるだろうなと思って来てみたんだ。お前、あの時咄嗟に心臓を取り出して死を逃れただろ?」

セロ「バレてましたか。」

ベルザ「吸血鬼の弱点は心臓。そこさえ無くならなければ何度だって復活出来る。それを考えれば誰だって分かる話だ。」

セロ「そんな事はどうでもいいです。無駄話をする気はありません。」

次の瞬間、セロが爪型の手甲をつける。

セロ「貴方を連れ帰ります!」

その言葉と共にセロが凄まじい踏み込みを見せた。

ベルザ「セロ、お前はやりすぎた。」

セロ「.....がはぁ!」

しかし次の瞬間、ベルザの腕はセロの体を貫いていた。その位置は確実に心臓を貫いていた。

セロ「な、馬鹿な。」

ベルザ「兄弟のよしみで手を抜いていたが、これ以上何をするか分からないからな。」

セロ「.....何故、我が一族を、裏切った。」

ベルザ「俺は裏切ったんじゃない。自由を求めただけだ。」

セロの体が崩壊していく。

セロ「わ、私は。ただ貴方を....」

その言葉が言い終わる前にセロの体は完全に崩壊した。

ベルザ「....さよならだ。セロ。」

ベルザがその場を後にしようとした時、

氷華「まさかお前が直々にやるとは。」

物陰に隠れていた氷華が姿を見せた。

ベルザ「盗み聞きか?」

氷華「いやいや、そんなんじゃないよ。元々俺が先にいたんだ。だけど、お前が来たから影から見守ることにしたんだ。」

ベルザ「そうか。気を使わせたな。」

氷華「気にするな。咲が世話になってる礼だ。」

ベルザ「随分気にかけるんだな。」

氷華「......まぁな。」

その時、ベルザの体が薄くなる。

ベルザ「おっと、ここまでか。」

氷華「お互い本気で戦えないのは苦労するな。」

ベルザ「そうだな。まぁいつかまた本気で戦える時が来たら、その時は手合わせ頼むよ。」

氷華「あぁ。わかった。」

その言葉を聞き終えると、ベルザの姿は消えた。

氷華「そんな日が来なくてもいいような世の中に出来たらいいな。」

次回!

?「今回出番なかったんだけど!」

?「なら、俺らの話を少し聞かせるか。」

?「賛成!こっちも苦労してるんだからね。」

?「遊んでただけでしょ。」

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