第50話 吸血鬼
記念すべき50話目!
セロと咲の戦いの行方は....
セロ「(見たところ、あの悠真と呼ばれる男はもう動けそうにない。ならもう位置替えもないだろう。)邪魔が入りましたがこれで終わりです。」
そう言うと、セロが大量の血の斬撃を放ってきた。
ベルザ「(まずい!本気で殺す気だ!)」
咲「(すごい量だ。喰らえば一溜りもない。でも、なんだろう。すごく...遅い。)」
次の瞬間、私は全ての斬撃を躱してみせた。
セロ「な!?(馬鹿な!殺す気で放ったぞ?)」
咲「次はこっちの番だよ。」
そう言って私は知鶴から教えて貰った収納魔法を使い刀を取り出した。
碧「あれは冬季の刀?(返してなかったの?)」
咲「行くよ。」
その言葉と共に私はセロに突っ込んで行った。
セロ「は?(いつの間に目の前に)」
私が凄まじい早さで刀を振り下ろす。
咲「はぁぁ!」
セロ「がぁぁぁ!」
セロは半歩分さがることで致命傷は避けていたが、傷は深かった。
咲「(手応えあり。)」
セロ「どんな傷を負わせても、我々吸血鬼は傷を瞬時に回復する。能力で吸血鬼の力を得ているだけのあなたとは違うのです!」
セロがそう言いながら自身の手甲で襲いかかる。
咲「ちっ!(接近戦か。)」
そのまま激しい斬り合いが始まる。
セロ「もうベルザ兄様など知ったことか!ここまで私をこけにした貴女ごと殺してしまいましょう!」
咲「くっ!(ついて行くのがやっとだ。どんなに強くなっても技術は上げられない。)」
私が少しずつ押され始める。
セロ「どうだ!怖いか?貴様ら人間は傷を負ってもすぐには回復しない!なんとも弱い生き物ですね!」
ベルザ「(ついに本性を見せて来たか。)」
セロがトドメを刺すべくギアをあげる。
セロ「死になさい!吸血鬼の名を怪我した人間!」
咲「........」
非能力者だった頃、周りが当たり前のように持っている能力に憧れていた。例え戦闘向け出なくても、それを持っていることが私にとってはすごいことだった。
咲「(なんで私には.....)」
時には神様だって恨んだ。私にだって能力をくれても良かったんじゃって。でも、あの日。ベルザと会った雨の日。
咲「(もしかしたら...)」
その出会いは私に与えられた最後のチャンスだと思った。
碧「咲!こっちこっち!」
湊「危ないから下がってろ。」
冬季「大丈夫だ。負けるなんてありえない。」
今まで皆に守られてきた。
雫「咲さん。あの日助けてくれてありがとうございます!」
知鶴「ほら、ぼさっとしないで!貴方は私のライバルなのよ?」
穂乃香「知鶴様と仲良くして頂いてありがとうございます。」
誠一郎「咲ちゃんー!聞いてよ!間違えて隼司のお菓子食べたら...」
隼司「待てー!誠一郎!逃がさねぇぞ!」
観月「止まれ!隼司!」
椎名「ちょ、速すぎ!」
誠一郎「げ!来たーー!」
源「おいお前ら!暴れすぎだ!」
能力者になれたからこそ新しい仲間と会えた。確かに能力がなかったらこんな事には巻き込まれなかっただろう。でも、あの選択への後悔はない。私と共にいてくれるこの仲間を守る。その為なら私は....
咲「(人間だって、辞めてやる!)」
次の瞬間、私もギアを上げることで斬り合いは勢いを増した。
セロ「なっ!(何が起きた。急に動きが別人のように変わった!)」
咲「うぉぉぉぉ!(押し切れ!)」
形成が逆転し私がセロを押し始める。
セロ「ぐっ!人間風情がぁぁぁ!」
次の瞬間、セロがいきなり距離を取る。
セロ「何もかも消し飛ばしてくれる!」
セロがそう言うと自身の魔力を全て使い魔力を溜め始める。
咲「負けるか!」
私も同じように魔力を溜め始める。それにより、辺りの空気が揺れ始める。
碧「こ、これは...」
知鶴「なんて魔力出力なの。こんなことしたら体が持たないわ。」
穂乃香「咲様。」
エドラ「なんだ?急に外からすげぇ魔力出力を感じたが。」
氷華「....咲?」
セロ「終わりだ!血技千激砲」
セロが血を光線の様に一直線に放った。
咲「はぁぁぁ!」
それに合わせて私も同じように血を魔力光線のように放った。
セロ「なっ!(馬鹿な、押されてる?)」
咲「はぁぁぁぁぁ!」
セロ「ば、馬鹿な!人間に吸血鬼が負ける訳が!」
私の魔力光線がセロに打ち勝ち、私の魔力光線がセロに直撃した。
セロ「がぁぁぁぁぁ!」
魔力光線がセロを飲み込む。そしてそれが消えると、セロの姿は影も形もなかった。
咲「か、勝った。」
私が仰向けに倒れ込む。
碧「咲!大丈夫?」
咲「あ、碧。」
碧「もう、びっくりさせないでよ。」
知鶴「雫ちゃん!こっちにも回復を!」
雫「わかった!」
咲「(皆....良かった。)」
何とか守りきれた。よかった。
アルドフ「(なんだ?今の魔力は。)」
ロキ「すごい魔力だったなぁ。で、まだやる?」
アルドフ「あぁ、もちろんだ。」
?「アルドフ....」
アルドフ「!?」
次の瞬間、アルドフの脳内に声が響く。
アルドフ「まさか...そんなことが。」
ロキ「ん?おーい、どうしたの?」
アルドフ「....あぁ、事情が変わった。今日はこれで終わりだ。」
その瞬間、アルドフが空間に穴を開け、そこへ飛び込んだ。
アルドフ「また会おう。ロキ。」
その瞬間、その穴は閉じられた。
ロキ「あっ!....まぁいいか。さて。俺も皆のところに行こうかな。」
次回!
他の戦闘にも動きが...




