第49話 予想外の進化
あちこちで繰り広げられる戦闘。果たして結末は...
セロ「安心してください。私もいい加減あなた達の相手をするのも飽きてきました。なので、今日で終わらせます!」
そういったセロの姿が変化した。背中から羽が生え、手には鋭い爪の形をした手甲がつけられていた。
ベルザ「あの姿になるとは。本気で殺しに来てるかも知れませんね。」
咲「注意が必要ってことね。(でも、どうしよう。)」
今私達は気絶している悠真くんと椿くんがいる。この2人を守る人も割り振ると、セロに挑む人数が少なくなる。
咲「(いや、ビビってる場合じゃないね。腹を括らないと!)知鶴と雫ちゃんは先生の回収に向かって。碧と穂乃香さんは気絶してる2人を守って。」
碧「え!?咲はどうするの。」
咲「私はセロを抑える。」
知鶴「無茶よ!何人かで挑まないと!」
咲「大丈夫。信じて。」
私は覚悟を決めた目を皆に見せる。
雫「咲さん.....」
穂乃香「.....承知しました。」
知鶴「死んだら許さないわよ。」
碧「頼んだよ。咲。」
そう言って4人は私の言う通りに動いてくれた。
セロ「これはこれは。まさか1人で私に挑むつもりですか?」
咲「うん。そのつもりだよ。」
セロ「何とも愚策。まぁ私にとっては都合がいいですが。」
咲「舐めないでよ?」
私は血液パックを飲み干す。
ベルザ「さ、咲さん!?(今までより量が明らかに多い。)」
咲「が、がぁぁぁ!」
そして私は完全に吸血鬼化する。
咲「行くよ!」
次の瞬間、私は血液を操り斬撃をとばす。
セロ「(これは....)」
セロはその斬撃を容易に躱した。
セロ「....なるほど。どうやら油断出来ないようですね。」
セロがそう言いながら私に突っ込んでくる。
セロ「なら接近戦といきましょうか!」
咲「くっ!(速い!)」
そのままセロが手甲で切り裂こうとする。
咲「当たらないよ!」
私はギリギリでその攻撃を躱した。
セロ「無理はしない方がいいですよ。」
咲「うるさいな。そんなに自信満々で、負けたら恥ずかしいんじゃない?」
セロ「私がお父様とお兄様以外に負けるなど有り得ません。」
サタン「やっぱりお前はいいな!湊!」
湊「俺は嫌なんだがな。」
ベルフェゴール「めんどくさー。」
神宮寺「くっ!(なんだこの結界は。)」
その頃、湊達も足止めをくらっていた。
湊「悪いが今回は相手にしてるほど暇じゃないんだ。さっさと終わらせる。」
湊はそう言うと、全身に影を覆わせた。
サタン「おぉ!きたか!これは楽しめそうだ!」
誠一郎「なんだ...あの姿。」
湊「特に名前もないが、まぁとりあえず『影神の姿』とかにしとくか。」
サタン「んなもんどうだっていいんだよ。早く続きをやるぞ!」
そう言ってサタンが殴りかかってくる。
湊「舐めるな!」
湊はその攻撃を正面から受け止めてみせた。
サタン「うぉ!受け止めるか!」
湊「今までと同じと思うなって、前にも言ったぞ。」
サタン「ははっ!そうだったな。なら、こっから俺も本気で行くか。」
その頃、神宮寺くんはベルフェゴールの結界に苦戦していた。
神宮寺「(なんだこの結界。邪魔だな。)」
次の瞬間、神宮寺くんが完全龍化を発動する。
神宮寺「ぐがぁぁぁ!」
ベルフェゴール「なんかめんどいことしてきたな。」
神宮寺「(よし!意識は保ててる。)」
神宮寺くんがそのまま爪で攻撃する。すると、ベルフェゴールの結界が破壊された。
ベルフェゴール「げっ。また破壊されたよ。しょうがないな。」
ベルフェゴールがゆっくり起き上がり、武術の構えを取る。
ベルフェゴール「これだけじゃ勝てないよなー。めんどいけど、やるか。」
次の瞬間、神宮寺くんの体に異変が起きた。
神宮寺「なっ!(なんだこれ。力が)」
神宮寺くんの体から力が抜けていき、人型の姿に戻ってしまった。
神宮寺「何!?」
ベルフェゴール「ほら、早くかかってこい。長期戦はめんどいからな。」
神宮寺「(こいつ、一体どんだけ能力を持ってるんだ。)」
神宮寺くんが警戒をあげる。
誠一郎「(なんかやばめだな。どうするか。)」
その時、誠一郎くんが何かを感じた。
誠一郎「え?(この魔力は....)」
エドラ「これが最強か?案外何とかなりそうだな。」
氷華「そう思うならお前は大したことないな。」
エドラと氷華が激しい戦闘を繰り広げる。
エドラ「(なんて言ってみたが、えぐいなこれ。)」
しかし、エドラの言葉は強がりだった。実際は氷華の攻撃を捌くのに苦戦していた。
エドラ「素手も飽きたな。そろそろ終わらせるか。」
そう言うとエドラが少し距離をとり、亜空間から金棒を取り出した。
エドラ「こっからが本番だ。」
氷華「金棒って。まるで鬼だな。」
エドラ「あぁご名答!俺は鬼だよ!」
そう言ってエドラが金棒を振り上げて、床を叩く。
氷華「うぉ!」
それにより、地面が破壊され足場が崩れた。
氷華「(中々のパワーだな。少し面倒そうだ。)」
エドラ「どうした?怖気付いたか?」
氷華「寝言は寝て言え。確かにパワーはあるが、それだけで勝てるとでも?」
そう言うと氷華は氷で刀を作り出した。
氷華「お前にはこれで十分だろ。」
エドラ「んな武器、すぐにでも破壊してやるよ!」
ルシファー「ほう。お前らも中々やるようになったな。」
レヴィアタン「黙れ!お前の発言全てがムカつくんだ!」
マモン「レヴィアタン!下がれ!」
次の瞬間、ルシファーに凄まじい重圧がかかる。
ルシファー「やはり厄介だな。お前の『模倣』は。」
マモンの能力は『模倣』。見た相手の能力を使うことができる。しかし、制限時間は10分でありコピーできる能力は5つまでである。
マモン「時間切れを待っても無意味なことくらい知ってるよな。」
ルシファー「あぁ。だからこそ厄介なんだがな。(相手を見続ければ制限時間は関係ないからな。)」
レヴィアタン「マモン。俺の能力もコピーしろ。」
マモン「あぁ。」
マモンがレヴィアタンを見つめる。
マモン「よし、コピーできたぞ。」
レヴィアタン「なら畳み掛けるぞ。」
そう言うとレヴィアタンが能力を発動した。すると、レヴィアタンの姿が変わった。その姿は人の形をした蛇のようなものだった。
ルシファー「きたか。『海の大蛇』」
?「それだけでは無いぞ。」
その言葉と共に空間に罅が入り、そこから2人の人物が出てきた。
?「私も混ぜてよー。」
?「観光じゃないんだぞアスモデウス。」
ルシファー「ベルゼブブに、アスモデウスか。」
ベルゼブブ「ルシファー。お前はここで終わりだ。」
アスモデウス「久しぶりに会ったばかりなのにごめんね?」
ルシファー「面白い!かかってこい!」
湊「いい加減倒れろよ!(あいつの倍は攻撃したぞ。)」
サタン「悪いがそれは聞けないな。」
神宮寺「くっ!(全力が使えない。このままじゃ押し切られる!)」
ベルフェゴール「粘らないで早く倒れてよ。」
湊「(このままじゃジリ貧だ。魔力消費もある。どうすれば。)」
?「沈め。」
次の瞬間、サタンとベルフェゴールに重圧がかかる。
サタン「なっ!(急になんだ。)」
ベルフェゴール「ちっ!(めんどいことを。)」
湊「この声は!」
後ろを振り向くと、そこには誠一郎に肩を貸してもらいながらも何とか立っている智之くんがいた。
智之「はぁ、はぁ。」
神宮寺「智之くん!大丈夫なのか?」
智之「な、何とか。」
湊「おぉ、話せるようになったんだ!」
誠一郎「中の魔人が消えていた。完全に意識を取り戻してるぜ。」
湊「ってことは!」
湊の予想は当たっていた。
セロ「粘りすぎです。いい加減にしてください!」
咲「それはこっちのセリフだよ!」
咲とセロの一進一退の攻防が繰り広げられる。
セロ「ならこれならどうです!」
セロがそう言うと、咲の周りに血で作られた籠ができた。
咲「これは!(やばい)」
セロ「細切れになれ!」
そのまま籠が縮小され、咲の体を切り刻むと思った。しかし、その瞬間
セロ「がっ!(何故、私が?)」
切り刻まれてたのはセロの方だった。
咲「何が....」
咲が辺りを見渡すと、倒れながらも能力を使っていた悠真くんがいた。
悠真「さ、咲さん。大丈夫ですか?」
咲「悠真くん!?大丈夫なの?」
悠真「ギリギリですけどね。」
椿「これ、使って!」
その時、悠真くんと共に起きていた椿ちゃんが私に何かを投げてきた。
咲「これは?」
椿「見様見真似で作った強化薬。効果は分からないけど、役に立つはず!」
咲「ありがとう。」
私がその薬を使うと、体からの魔力に変化が起きた。
咲「(なにこれ。魔力がすごい体に馴染む。)」
すると、私の体に変化が起きた。
咲「これは...」
ベルザ「な!これはまさか!」
私の体を血が覆う。血が消えると、私の服はまさに吸血鬼と言えるものになっていた。
咲「なにこれ。私に何が起きたの?」
セロ「何が起きようと、結果は同じです。」
咲「(いや、何が起きたかは後回しだ。とりあえずこいつを止める!)」
次回!
セロ対咲
完全決着!!




