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第5話 ひとつ先へ

第5話

果たして2人は勝てるのか?

冬季に一体魔物を任せ私たちはもう一体の方へと向かった。その魔物は巨大なベビのような姿をしていた。


「で、でかい!」


「これは一筋縄じゃなさそうね。」


私と碧は臨戦態勢へはいる。私は血液操作をより早く行った。そして碧は、


「憑依、九尾の狐」


そう言うと、碧の体を炎が包んだ。炎が消え、出てきた碧の姿は狐の耳を生やししっぽも9本ある。まるで九尾の狐が擬人化したようだった。


「行こうか咲!」


「うん!」


その合図で私は魔物へ特攻し渾身のキックをかました。だが、


「いったー!」


魔物にダメージはほとんどなく、逆に私が反動を食らった。


「シャー!」


魔物が雄叫びを放つと、やつのしっぽが私を襲った。


「ぐは!」


もろに食らってしまった。私はそのまま壁へと叩きつけられ、激しく吐血する。何だこの馬鹿げた威力は...


「咲!よくも!」


そう言って碧はいくつかの炎を作り出し魔物に向けてはなった。


「シャーー!」


効果はあり、このまま行けると思ったが、なんとやつは自分の体を地面に擦り付け、無理やり炎を消したのだ。


「嘘でしょ!」


次の瞬間、魔物が碧目掛けて噛み付こうとする。

だが、碧もすんでのところでかわし続けている。


「(私は何をしてるんだ。)」


自分が情けなくて腹が立つ。しかし、もう意識が途切れそうだ。




気がつくとと辺り全面真っ白。そう、私の心の中だ。


「随分と大変なことになってますね。」


「うん。私が弱いから、このままじゃ碧を守れない。」


「...確かにあなたは今は未熟です。ですが、この状況を何とかできる手段はあります。」


「え?それってどういう」


その瞬間、まるで何かに引き込まれるように視界が暗くなった。



目が覚めると、碧と魔物が一進一退の攻防を繰り広げいた。どうやら気を失っていたらしい。いやそれよりも今はこの状況を何とかしないと。


「とは言ってもどうしたら」


体からは血が流れ続ける一方で....ん?血?待てよ、もしかしたら!


「行けるかも!」




その頃、碧は魔物からの攻撃に苦戦していた。自身の炎もすぐにかき消されてしまい決定打に欠けていた。


「このままじゃ、魔力が切れちゃう。」


その時、魔物の体を後ろから何かが貫いた。


「シャーーーー!」


魔物は酷く痛そうにして苦しんでいる。


「ごめん碧、お待たせ。」


「咲!動けるの?」


「まあ何とかね。」


「ところで、魔物の体を貫いてるあれは何?」


「あれは溜まってた私の血を鋭い形にしてあいつに突き刺したの。」


そう、私は魔力を血液に変換することが出来ないけれど、体外にある血液を操作するのは体内にあるのと対して変わりないので簡単に出来るのである。

そこで、自分が吐血してでた血液を操作しやつの不意をついて攻撃したのだ。


「碧、叩くなら今だよ!」


「うん!ありがとう!それじゃ容赦なく行くよ!」


そう言うと碧は大量の炎を作り出し全て魔物へ放った。魔物は全身が燃えて激しく苦しみ出した。すると、魔物の頭の当たりに核らしきものがでた。


「咲!あの核を破壊して!あれを壊せば完全に消滅するから。」


「わかった!」


私は血液を再び鋭く尖らせて、やつの頭の核を貫いた。


するとその魔物は黒い灰のように消えていった。


「な、何とかかて...た...」


その瞬間、私は倒れた。血を流しすぎてしまったようだ。




目が覚めると、私はベットの上で横たわっていた。


「目が覚めたか。よかった。」


「大丈夫?咲。」


どうやら冬季と碧がここまで運んでくれたようだ。


「全く、無茶しすぎるなよ。」


「あはは、ごめんごめん。」


「ねえ、さっきの能力ってなんなの?」


「えーっとね。」


どうしよう、ここまで来たら隠せない。もう言ってしまうべきか?


コンコン


その時部屋のドアを叩く音がした。


「はーい。」


私が返事をすると、試験官が入ってきた。


「体調はどうだ?」


「体はまだ痛みますが、命に問題はありませんよ。」


「そうかそれは良かった。」


試験官はその言葉を聞き、安堵の表情を見せた。


「今回は申し訳なかった。試験官として、合

わせる顔もない。」


「大丈夫ですよ。試験官さんのせいじゃないです。」


「そう言ってくれるとありがたい。」


「ところで、今回の試験はどうなりました?」


「ああ、今回の受験をした受験生は合格にするつもりなのだが、あんなことがあったからか取り消しや一般科への移動が多くてな。」


「まあ無理もないですね。僕もあの立場ならそうするかもしれません。」


「君たちはどうするんだ?」


「僕は戦闘科行きますよ。」


「私もー。今回のことはいい経験したと思ってるし。」


2人が行くなら、私の答えは決まってる。


「私も戦闘科へ行こうと思います。」


「そうか、わかった。歓迎する。4月からよろしくな!」


そう言って試験官は去っていった。


「一般じゃなくて良かったのか?」


「うん。一般科も人多そうだし。それに、戦闘科

には2人もいるしね!」


「そうね。」


「じゃあ、入学までに少し特訓しないとな。」


「特訓?」


そうね。流石に今のままだと学校に入学してもすぐに退学しちゃいそうだし。」


「へ?」


「回復したら、僕らと特訓だな!」


「......」


誰か助けて。嫌な予感がするの!




それから数週間が経ち、無慈悲にも私の怪我は回復し、私たちはあの山の奥地へと向かっていった。


「はぁーーー」


「幸せが逃げるため息だな。」


「まぁ訓練と言っても組手とかはしないからさ。」


「嫌だなぁ。」


そうして、山奥に着いた私達は早速特訓を始めることにした。


「さて、じゃあまず咲の能力について教えてもらおうかな。」


「それは...」


私は迷った。言うべきか?いや、もうここまで来たなら隠さないで言った方がいいよね。大丈夫、この2人なら信じてくれる。


「ちょっと長くなるけど聞いてくれる?」


「?うんいいけど。」


そこで私はベルザと会うまでの経緯を2人に話した。


「そんなことが...」


碧が驚きの表情を見せる。


「私もまさかこんな事になるとは思ってなかったよ。」


「だから校長が能力者の反応があるとか言ってたのか。」


「でも、まだ血液操作しか上手くできないの。魔力を血液に変えられれば良いんだけど」


「じゃあそれからだね!私の炎を作るのと変わらないと思うから色々教えて行けると思う!」


「じゃあお願いしようかな。」


こうして、私達の特訓(Part2)が始まった。

次回

碧の能力の全貌が明らかに

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