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第43話 成長の理由

怪しい影が迫る中、4人はどこまで力をつけたのか。

?「ほう、協力とは。散々こちらの幹部にちょっかいをかけておきながら、どういう風の吹き回しだ?」

アドルフ「あぁ、それはセロ兄さんの話ですね。」

?「何?お前らは別々に動いてるのか?」

アドルフ「えぇ。セロ兄さんは魔界に残っている七大悪魔達と手を組みました。彼らはそちらの幹部の3人に恨みがあるようで、その恨みを晴らすのを条件として協力したらしいのです。」

?「なるほどな。で、お前個人としてはこちらに協力するのが得だと?」

アドルフ「えぇ。利害は一致しているかと。我々は長男であるベルザ兄さんの確保か、ベルザ兄さんが隠れてる柊咲本人の確保が目的です。そちらとしても、敵の戦力が減らせるのは悪い話ではないと思いますが。」

?「......いいだろう。貴様と協力関係を結ぼう。」

アドルフ「ありがとうございます。」

そう言って2人が握手をする。

?「君とは仲良くなれそうだ。」

アドルフ「光栄です。」

べラス「.....(こいつ、大丈夫か?)」

こうして、私達の知らないところで陰謀が動き始めていた。





雫「どうですか?魔力を感じてますか?」

椿「う、うん。なんとなく。」

碧「まぁ最初はだいたいそんなもんだよ。徐々に慣れていければいいよ。」

椿「こ、こんなに疲れるんだね。びっくりしたよ。」

碧「こればっかりは慣れないとだからね。」

雫「でも、初日でここまでできるなんてすごいです!」

椿「そ、そう?ありがとう。」

雫「今なら何か生み出せるんじゃないですか?」

碧「確かに!ちょっとやってみてよ!」

椿「わ、わかった。」

そう言って椿さんは能力を発動した。

椿「(イメージ、イメージ。)」

すると、椿さんは1つのナイフを作り出した。

椿「はぁ、はぁ。」

碧「うーん。今はナイフ1つを生み出すのが限界かな。」

椿「ぜぇ、はぁ、ぜぇ。」

雫「ちょ、大丈夫ですか?すぐ回復を!」

椿「(む、難しい。)」





沙羅「くっ、ちょ、一旦離れて。」

その時、沙羅さんは沢山の動物に囲まれていた。

知鶴「うーん....」

穂乃香「どうです、知鶴様。何か分かりました?」

知鶴「正直全然ね。魔力を操って生き物を寄せることができても、肝心の操る方法が全くだわ。」

沙羅「ど、どうしたら。」

穂乃香「案外、念じてみたら言うこと聞いてくれるかもしれません。」

沙羅「念じる、か。」

それを聞いた沙羅さんは念じ始めた。

知鶴「いや、そんなので上手くいくわけ...」

沙羅「(皆、知鶴さんを囲って。)」

すると、動物達が知鶴を囲い始めたのだ。

知鶴「え?何よ急に。」

沙羅「で、できた!」

穂乃香「お見事です。ですが、今は簡単な命令しか聞かないでしょう。」

沙羅「もっと上手く能力を扱わないといけないのか。」

知鶴「ねぇ、それは分かったから、一旦この状況を何とかしてよー!」







智之「こ、転べ!」

誠一郎「どわ!」

神宮寺「うーん。まだ魔力が乗ってるなぁ。どうやって抑えるか。」

智之「(む、難しい。)」

誠一郎「魔力を抑える時は、体の中をキューっとするイメージだぞ!」

神宮寺「いや、そんなので分かるわけないだろ。」

智之「(体の中をキューっと。)」

智之くんは真に受けたのか、体の中をキューっとするイメージを持った。

智之「転べ!」

誠一郎「うぉっと。」

誠一郎くんは転びそうになったが何とか耐えることが出来た。

誠一郎「おお、少し効力が弱くなったな!いいじゃん!」

智之「!!」

神宮寺「嘘だろおい。真面目に考えてたのが馬鹿らしくなるわ。」

誠一郎「よし!このまま慣らしていくぞ!」

智之くんは激しく首を縦に振った。






咲「って感じで、魔力を操作する時は体を巡る魔力の速さを一定にさせるのがいいよ。」

悠真「な、なるほど。」

湊「さすがだな。ここまで分かりやすく説明するとは。」

咲「えっへん!すごいでしょ!(まぁ、ベルザに教えて貰った時のこと言ってるだけだけど。)」

ちなみに、血液操作が1番簡単なのは魔力操作と感覚が似ているからである。

咲「よし、じゃあちょっとやってみよう。」

悠真「は、はい!」

悠真くんは能力を発動させた。すると、手のひらに少し黒みがかった球体が生まれた。

悠真「これが、僕が操れる空間の範囲です。もちろんここから拡大も縮小もできます。」

咲「へぇ、これがそうなんだ。」

湊「じゃあ拡大してみて。」

悠真「は、はい。」

悠真くんは空間を拡大した。その結果、この体育館を覆う程の大きさまで拡大した。

悠真「ぐっ!」

咲「だ、大丈夫?」

悠真「は、はい。今までの僕にはここまでが限界で。でも、今は前より負荷が少ないです。」

湊「それは良かった。」

悠真「ここからどうしましょう。」

咲「とりあえず、何か動かして見ようか。」

悠真「は、はい。」

悠真くんはナイフを動かそうとしたが、ナイフは少し宙に浮いただけですぐに落ちてしまった。

悠真「ぐっ!ま、魔力が。」

咲「無理はしないで。」

湊「多分、消費しなくてもいい魔力も消費してしまってるな。その無駄を減らせればもっと色んなことできると思うよ。」

悠真「な、なるほど。」

そんなこんなで4人の魔力操作は少しずつ成長していった。

冬季「よし、いい時間だし今日はここまでにしとくか。」

椿「ぜぇ、はぁ、ぜぇ。」

沙羅「つ、疲れた。」

智之くんが首を縦に振る。

悠真「今日は、ありがとうございました。明日もよろしくお願いします。」

咲「うん。またねー。」

こうして4人は帰って行った。





沙羅「どうだった?そっちは。」

悠真「2人ともすごくいい人だったよ。分かりやすかったし、成長も実感出来たし。」

椿「私も。すごくフレンドリーだった。」

智之が紙に『楽しかった。』と書いた。

悠真「智之の方もよかったみたいだね。」

沙羅「でも、なんか不思議かも。世間から弾かれた私達が認められようとし始めてるなんて。」

悠真「そうだね。あの頃は酷かったよね。」

無能力者。文字通り無能な能力者を指す。国や世間から認められず、産んだ親は後悔する始末。この4人は親から見捨てられ同じ施設て育った。だが、そこでも扱いは変わらず、人権なんて無いに等しかった。そして義務教育が終わり、そろそろ捨てられる頃合になった時、その人は現れた。

冬季「君たちは無能なんかじゃない。それを証明してあげる。」

その言葉に、僕らは希望を見出した。蔑んだり、嫌がったりせず、心から受け入れてくれている。そんなあの人の言葉を僕らは信じた。

悠真「しっかり期待に応えないとね。」

椿「...そうね。」

沙羅「うん。頑張ろ!」

智之も首を縦に振った。その時、

?「そんな希望は叶わない。」

悠真・沙羅・智之・椿「!!!」

突然後ろから声がした。4人は一斉に振り返るが、それと同時に体の中に何かが入ってきた。

悠真「がぁぁぁ!」

沙羅「な、に、これ。」

椿「ぐっ!がっ!」

智之「あ、あ....」

しばらく悶えると、4人は急に大人しくなった。

エドラ「いやー、助かったぜ。わざわざ魔界に行く手間が省けた。」

アルドフ「いえ、お気になさらず。しかし、いい器がいて良かったです。明日にでも襲撃を始めましょうか。」

エドラ「わかった。当日は幹部の2人が同行するから、把握しといてくれ。」

アルドフ「心得ました。」

エドラ「さぁ、血の雨を降らせようぜ。」

次回!

望まぬ戦闘が始まる...

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