第42話 扱えぬ者
新キャラ登場!なんと5人も!
冬季「で、急に呼び出してどうした?本体の方を呼び出すなんてよっぽどの事だな。」
拓真「はい。最近、再び魔物が増加しているので分身体を増やして欲しいのです。」
冬季「そんだけ?ならいいけど。」
拓真「いえ、あともう一つ。魔界に通じる穴の出現反応が急増しています。何かあるのかと。」
冬季「魔界への穴?何でそんなものが。」
拓真「現在調査中です。」
冬季「(面倒なことにならないといいが。)」
拓真「と、そろそろ時間ですね。行きますか。」
冬季「はぁ、行かなきゃかー。面倒だなぁ。」
拓真「いいから行きますよ!国の会議に!」
碧「んーー、今日は気が軽いね。」
咲「そりゃね。今日は冬季が仕事で居ないし、四神は旅行中だし。」
そういう事で、私達は普通に学校に登校していた。私達が教室に向かうと、他の生徒がザワついているのが聞こえた。
生徒達「ねぇ、聞いた?」
「あぁ、最近被害が多いらしいな。」
咲「(何の話だろ。)」
そう思っていると雫ちゃんが話しかけてくれた。
雫「咲さん、碧さん。おはようございます。」
碧「おはよー。ねぇねぇ、みんな何について話してるの?」
雫「あれ?ニュース見ませんでした?最近ランクを問わずにバトラーが襲われてるんですよ。噂では生徒にも危害が及んでいるとか。」
咲「ぶっそうだね。何か原因とかあるのかな」
そんな情報に疑問を持ちながらも私達は久しぶりに"平和"な学校生活を送った。
湊「今日は平和だなー。体が痛くない!」
その日の下校途中、湊が歩いていると後ろから謎の気配がした。
湊「(なんだこれ。知らない気配だ。)」
次の瞬間、魔物が湊に襲いかかった。
湊「はぁ、またこれかよ。」
しかし、湊は影を操り魔物を蹴散らした。
湊「こんなレベルじゃ勝てないよ。一応強くなってるんだから。」
?「はっ!やるなお前。」
湊「....何者だ?(こいつ、気配がほとんどしなかった。)」
?「お前に教える義理はない。だが焦るな。時期にまた会える。」
そう言ってやつは姿を消した。
湊「なんだったんだよ。というか、なんで毎回俺は襲われるんだよ。」
次の日、私達は冬季に呼ばれていた。
冬季「今回はちょっとしたお願いがあってね。」
咲「お願い?」
知鶴「仕事は変わらないわよ?」
冬季「それもお願いしたいけど、そうじゃないよ。」
そうすると冬季は1つの紙を見せた。
冬季「お願いっていうのはさ、とある人達に魔力の使い方を教えて欲しいんだ。」
全員「え?」
冬季「今ここに乗ってるのは、能力を持っているけどそれを扱えない人達の名前なんだよね。ほら、聞いたことない?"無能力者"って。」
無能力者。それは非能力者とは違い、能力を持っているが、何らかの理由により能力が扱えない者たちのことを指す。大抵の場合、魔力の暴走だったり、能力が複雑すぎるなどの理由がある。
神宮寺「で、そいつらを鍛える事に何か意味があるのか?」
冬季「最近、ランク問わずバトラーが減るから人手不足なんだよ。それに、今の自分を変えたいって言うやつは結構いるからな。」
無能力者のほとんどは強力な能力を持っている。だからこそ、放置しすぎはリスクがあるのだ。
隼司「ん?もしかして今回、俺ら出番ない?」
冬季「そうなるかもな。まぁ護衛とかしてもらおうか。」
椎名「なんか雑!言いけどね。」
観月「与えられた指示を遂行するまで。」
冬季「と、言うことで明日からよろしくね!」
そんなこんなで迎えた翌日。冬季が言った通り、無能力者の人達が来た。
?「は、初めまして。僕は文月悠真です。本日はよろしくお願いします。」
?「どうも〜。緑川椿でーす!」
?「結城沙羅。よろしく。」
?「......」
雫「あの、もう1人は」
するとその子は紙を取り出し書き出した。そこには【榊智之】と書いてあった。
穂乃香「この方の能力の都合ですか?」
冬季「流石、察しがいいね。ということで、今から2人ずつに分けまーす。」
そういうことで、私達は無能力者の4人に魔力操作を教えることになった。
雫「私は美澄雫です。よろしくお願いします。」
碧「仙石碧だよ。よろしくね。」
椿「こちらこそよろしくー。」
碧「さて、まずあなたの能力を教えて貰える?」
椿「了解。私の能力は『創造』って言って無から何かを生み出す力を持ってるの。」
雫「すごいですね。そんな能力あるなんて。」
椿「ただ、どんな代償があるのかとか副作用とかが全く不明なんだよね。」
碧「なるほど。強力だけどリスクもあるって感じだね。」
椿「まぁ、そもそも使えないけどね!たまに魔力の暴走で変なのができちゃうけど。」
雫「それを教えるのが私達の役目です。じゃあ始めましょう。」
知鶴「私は九重知鶴よ。よろしく。」
穂乃香「如月穂乃香と申します。よろしくお願いします。」
沙羅「こちらこそ。」
穂乃香「では、あなたの能力を教えて頂けますか?」
沙羅「私の能力は『操る者』。生き物を思うがままに操れる。でも、肝心の操り方が分からなくて。」
知鶴「任せなさい!操り方も含めて色々教えて上げるわ。」
穂乃香「知鶴様、操り方知ってるんですか?」
知鶴「いや、これから調べるのよ。」
誠一郎「松風誠一郎って言うんだ。よろしく。」
神宮寺「神宮寺龍青だ。よろしく。」
智之「......」
誠一郎「えっと、じゃあ、能力教えてくれる?」
そういうと智之は首を縦に振り、初めて言葉を発した。
智之「転べ。」
神宮寺・誠一郎「へ?」
次の瞬間、2人が地面に転がる。
誠一郎「うぉ!」
神宮寺「なっ!」
智之が心配そうにこちらに向かってくる。
誠一郎「なるほど、魔力が言葉に乗るタイプか。」
冬季「鑑定だと、その能力名は『操言』。発した言葉の通りになる能力だ。言葉を操ってる感じだからそういう名前になった。」
神宮寺「でも、魔力を操れてない分けじゃないような。」
冬季「言葉なんて誰が聞いてるか分からないからな。危険性を考慮したんだろう。」
誠一郎「そんな理由で。」
智之「......」
智之は少し悲しそうだった。
神宮寺「大丈夫だ。俺らが手とり足とり教えるから。」
誠一郎「よっしゃあ!国のヤツら見返すくらいの成長を見せてやるわ!」
智之は2人を見て、嬉しそうに首を縦に振った。
咲「柊咲です。よろしくね。」
湊「涼風湊だ。よろしく。」
悠真「は、はい。これからお世話になります。」
湊「(見たところ、あまり明るいのは好きでは無さそうだ。)」
咲「それで、悠真くんの能力はなに?」
悠真「は、はい。僕の能力名は『空間支配』です。自分の指定した空間内を自由に操れます。」
咲「それ、強すぎじゃない?」
悠真「ただ、複雑すぎてそもそも使えないし、消費魔力も尋常じゃないって言われてます。」
湊「なるほどね。でも、使いこなせればとんでもなく強くなるかも。」
咲「そうだね。じゃあまず魔力操作について教えるね。」
悠真「は、はい!お願いします!」
冬季「(皆大丈夫そうだね。さて、どこまで伸びるかな。)」
?「べラス。エドラの作戦はどうなっている?」
べラス「はい。意外と上手くいっています。」
?「それは何より。」
べラス「ですが、中々幹部級の器は現れません。」
?「まぁそんなもんだ。気長にやれ。」
べラス「はっ!」
その時、部屋に誰かが入ってくる。
べラス「!?(何だこの気配は。)」
?「どうも。突然の来訪お許しください。」
べラス「誰だ貴様!ここをどこだと思ってる!」
?「よい、べラス。話を聞こうでは無いか。」
?「私の名はアドルフ。魔界最強を誇る、ロールビア家の三男です。」
?「ほう、あの一族の者か。して、我に何か用か?」
アドルフ「はい。あの鬱陶しい奴らを倒すために、我々と手を組みませんか?」
次回!
無能力者達の特訓が始まる!




