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第4話 入学試験

第4話です!遂に始まった試験だけど、何やらトラブルか?

私はとりあえず、施設内を確認するために手当り次第に歩き回った。


「思ってたより広いな。まああんな人数を入れておくには当然か。」


ちなみに、この高校は倍率が2倍と割と高い。そんなみんな戦闘がしたいのか?


「うがーー!」


「あれが魔物ね。随分と小さいね。」


「あれはDランクの魔物ですね。ランク付けされてる魔物の中では最もランクが低いですよ。」


「よし、特訓の成果を見せるぞー。」


私は血液操作を発動させ、身体能力をあげる。そして渾身の蹴りを叩き込んだ。


「えい!」


「ぎゃーー!」


すると魔物は黒い炭のようになり消えていった。


「なんか、弱くない?」


「Dランクの魔物は、一般成人男性が本気で殴ったら倒せるレベルです。要はクソザコナメクジですよ。」


「それ言ってるやつ始めて見たよ。」


すると、腕輪からポコンと音が鳴る。


「へー。倒したらここにポイントが表示されるのね。今のでゲットしたポイントは...3ポイントか。」


恐らく貰えるポイント数で言えば最も少ないのだろう。ランクに応じてポイント数も多くなるはずだ。


「よーし、どんどん敵倒しまくるぞー!」






一方その頃冬季はと言うと、


「ぎゃーー!」


「よし、これで20体目くらいかな。ポイントも50になったし、そろそろ...」


その瞬間、後ろから攻撃がくる。


「おっと。」


冬季は何とか反応しそれを躱す。


「やっぱり来ると思った。」


「悪く思うなよ?これも試験に受かるためだ。」


攻撃してきたのは、冬季のポイントを奪おうとやってきた受験生だった。


「真面目に魔物を倒してればいいと思うけどなー。」


「そりゃ少しくらいは倒してるさ。でも、ここにいるヤツらは強くてもCランクくらいだからな。飽きてきちゃったんだよ。」


「それで、僕を襲ってきたと?」


「お前は結構ポイントを稼いでいそうだからな。さっさと終わらせて、他のやつからもポイントを奪ってやる。」


「はぁ、全くこれだから見る目のないやつは困る。」


「なんだと?」


「僕はここに来て確信してるんだ。今この受験生の中に、僕より強いやつは存在しない。」


そう言った瞬間、冬季の目が白くなる。


「さあ、始めよう?」





あれからせいぜい30分と言ったところか。私は順調にポイントを稼いでいた。


「よし!これで60ポイント。もう何体倒したんだろ?」


でも流石に疲れてきたな。少し休憩しようかと思った時、


「何休憩してんの?」


と、後ろから女性の声が聞こえた。


「おお、誰かと思ったら碧じゃん。」


彼女の名前は仙石碧(せんごくあお)。私と冬季の同級生で小中同じのお互いをよく知る関係だ。


「でも、先生から咲が戦闘科受けるって聞いた時はびっくりしたなー。なんか能力者反応がでたんだって?」


「そうなんだよー。不思議だよねー。」


「ふーん?そうなんだ...」


碧はどこか引っかかるようだが、一応納得してくれたらしい。


「おお、お前らここにいたのか。」


「ああ冬季。そっちはどう?」


「今は85ポイントかな。」


「多くない?私は今55ポイント。」


「まあ受験生に襲われたしね。」


「え?大丈夫だったの?」


「そうじゃなきゃ今ここにいないよ。」


私の疑問に冬季は何言ってるんだ?みたいな感じで答えた。


「流石ね。負けてられないなー。」


その時全員の腕輪からピロンと音が鳴る。


「これは、追加情報?こんなの言ってた?」


「どうやら、タダでは終わらないようね」


内容はこうだった。

『これから3階以上にはBランク魔物がボスとして発生している。難易度は上がるが、倒した時のポイントは50ポイントだ。』


「...なるほどね。ちょっとやりがいが増えたな。」


「そういえば、魔物ってどこから連れてきてるんだろうね。」


「さあね。でもここ最近魔物の発生が増えたって聞いたよ。」


「まあ、戦闘者を育てるって言うくらいだから、Bランクくらいなら捕獲しておけるくらいの実力があるってことでしょ」


「そういえば、戦闘科の人は将来どうなるの?」


「お前、それ知らなかったのか!」


「お生憎様。能力者の常識なんて1ミリも知らないのでね。」


「いいか?戦闘科の生徒は基本的にバトラーって職業になる。バトラーは国から認められていて、主に魔物退治や違法組織の壊滅などが仕事になる。それぞれの実力や能力によって、役割もランクも変わってくるんだ。」


「へー、そうだったんだ。」


改めて自分が何も知らないことを感じた。今後は少し能力者の常識についても勉強しないとな。


「うわー!」


その時、上から受験生達の叫び声が聞こえた。


「何の声?」


「ここは2階だから3階で何かあったんだよ。」


「となると、Bランク魔物にやられたか。でも、何人かで行けば勝てない相手では無いはずだ。」


「とにかく見に行ってみようよ。」


そうして私たちは3階へ向かった。


「ねえベルザ、Bランクの魔物ってどれくらい強いの?」


「そうですね。能力者の受験生なら互角くらいですかね。どんなに強くても、5人いれば確実に倒せるはずです。」


「そうなんだ。」


ならあの叫び声はいったい...


「着いたぞ。ってこれは...」


そこには何人もの倒れた受験生がいた。


「ねえ、これ見て。」


碧が腕輪を指しながら言う。そこには脱落の文字が書かれていた。


「脱落ってことは、倒されたってこと?」


「息は?」


冬季が真っ先に生死を気にした。


「大丈夫、死んでは無いらしい。この腕輪はもしもの時のための防犯システムに防御壁が展開されるようになってるから。」


「防御壁って、そんなのあったの?」


「ほんと、なんも知らないのね。後で少しは勉強しなよ?防御壁はね...」


「2人とも、その話は後で。どうやら向こうから来てくれたらしい。」


その瞬間、壁からすごい勢いで魔物が出てきた。しかも、


「え?なんで2体も?」


2体は私達を挟む形で出てきた。


「どうやら他の階から降りてきたらしいな。」


冬季がそう言いながら居合の姿勢をとる。


「困ったなー。一体を3人で叩くつもりだったのに。」


「どうしようか。」


そう悩んでいるうちにも魔物は迫ってくる。


「なら、ここは2人と1人に分けようか。僕は階段側のやつを倒すから2人は反対側お願い。」


「え?流石に無茶だよ!」


冬季1人に任せたくないのか、流石に碧も止めに入る。


「大丈夫、これでもそこそこ強いよ?俺。」


正直、冬季を1人にはしたくない。だが、冬季からはいつも謎に安心感がある。


「わかった。頼むね。」


私は冬季を信じて一体任せることにした。


「了解。」


そう言うと冬季は、一瞬で魔物の近くまで走り、魔物を引き付けながら下の階へ向かった。


「碧、行こう。」


「う、うん。」





「よし、ここならいいだろ。」


僕は魔物を下の階へ誘い込んだ。この階はさっき見たところ脱落者はいない。つまり、脱落者への気を使わなくて良くなるということだ。


「いくら防御壁があるとはいえ、万が一もあるからな。ここなら心置きなくやれる。」


「うがーーー。」


魔物の見た目はでかいスライムのようだった。どろどろとしていて、触れていくところがどんどん腐っていく。


「なるほど。長期戦は良くなさそうだね。」


そう言いながら僕は刀を抜いた。


「僕の能力は戦闘向きと言えばそうなんだけどちょっと違うんだよねー。」


「うがーーー!」


その瞬間、魔物が攻撃を仕掛けてきた。でも、


「遅いね。」


僕は簡単にその攻撃を避けてカウンターを入れる。


「ぐあーー!」


魔物は声を上げるが、そんな無防備ではただの的だ。


「核はどこにあるかなっと。」


僕が攻撃に出ようとすると、魔物は自身の体を飛ばし、遠距離攻撃を仕掛けた。


「よ、ほ、そいっと。」


でも、僕には当たらない。そのまま僕は魔物に近づきやつの全身を細切れにした。もちろん核も巻き添えに。


「うがーーーー!」


そう叫びながら魔物は消えていった。


「うん、上手く扱えてきたな。『神眼(しんがん)』。」


神眼。その能力は『見たい物を見ることが出来る。』というもの。相手の弱点から、次の行動までもお見通し。まさしく神の目にふさわしい効果である。


「でもこれ、このままだと結構目に不可がかかるんだよなー。この前なんて使いすぎたら次の日太陽の光が少し見えただけでしばらく前が見えなくなったし。」


さて、終わったことだし上に加勢に行くとしますか。

次回!

碧&咲VSBランク魔物

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