第37話 覚醒と希望
ついに吸血鬼化発動!その実力は如何に!?
咲「これが、吸血鬼化!(今までのどんな力より強い!)」
ベルゼブブ「(この娘からのオーラが急激に変わった?とにかく潰さなければ。)」
次の瞬間、ベルゼブブが私に向けて、何匹か蛾型の魔物を放つ。
咲「(今の私ならできる!)」
私は血を操り魔物達へ放つ。するとその魔物達は一撃で粉々になった。
ベルゼブブ「何!?(俺の眷属が。)」
碧「嘘!?あいつらを一撃で?」
湊「ははっ!こりゃバグレベルだろ。」
咲「おお(これが、今の私の力。)」
ベルゼブブ「俺がやるしかないか。」
そう言うとベルゼブブは短剣程の長さの針の武器を取り出した。
ベルゼブブ「死ぬといい!」
ベルゼブブがそう言いながら私に突っ込む。
咲「速い!(でも、見える!)」
次の瞬間、激しい衝突が起きる。
ベルゼブブ「なかなかやるな。(やはり危険だ。)」
咲「(すごい、今までだと見えなかったのに細かい動きまではっきり見える。)」
碧「す、すご。」
湊「何が起きてるかもわからないな。」
セロ「(これ以上何かあると危険ですね。)」
ロキ「よそ見してていいの?」
その瞬間、ロキがセロへ斬撃を放つ。
セロ「すみませんが、もうお遊びには付き合えません。」
セロはそう言うと、その斬撃を止めて血で作った大量の針を雨のように降らせた。
ロキ「ちっ!」
セロ「(今すぐに回収して、撤退する!)」
次の瞬間、セロは私達へ突っ込んでくる。
咲「くっ!(2対1はさすがに!)」
次の瞬間、セロからの蹴りが飛ぶ。
咲「はぁ!」
私はそれをサイドステップで何とか躱す。
咲「(どうしよう、数で不利になっちゃった。)」
ロキ「俺もいるよ!」
ベルゼブブ「させるか。」
その瞬間、ベルゼブブが大量の蟻達を放つ。そのアリ達が1箇所に集まり、謎の塊になる。そこから形が形成されると、そこにはもう1人ベルゼブブがいた。
ロキ「分身?厄介だなぁ。」
ベルゼブブ「セロ。すぐに連れ去るぞ。」
セロ「ええ、そのつもりです。」
咲「どうしよう。(2人は動けそうにないし。)」
ベルザ「咲さん。」
するとベルザが呼びかけてきた。
ベルザ「今のあなたならできるかも知れません。」
咲「できるかもって、まさか!」
ベルザ「ええ。そのまさかです。さすがに制限が消えることはないでしょうが。」
咲「でも、そうしたらあなたが。」
ベルザ「大丈夫です。私はセロに負けたことなんてないですから。」
咲「.....わかった。頼むよ。」
そう言って私はその場に魔法陣を展開した。
セロ「おお、これはこれは。」
そこからはベルザが出てきた。
ベルザ「久しぶりだな。セロ。」
セロ「まさかそちらから来るとは。捕まりたいんですか?」
ベルザ「ふっ、それは俺に勝ってから言うんだな。」
セロ「減らず口を!」
そう言ってセロがベルザへ突っ込む。
ベルザ「前よりは速いけど、まだだな。」
ベルザはその攻撃を軽々と受け止めた。そこから2人は一進一退の攻防を繰り広げた。
ベルゼブブ「俺も加勢に!」
咲「させるわけないでしょ!」
私はベルゼブブへ血を放つ。
ベルゼブブ「ちっ!(面倒だな。)」
咲「さぁ、湊を殴った分をお返ししようか。」
ベルゼブブ「(しかし、まだ時間はある。それまでに終わらせればいい話だ!)」
その時、ベルゼブブへ念話がくる。
マモン『おい、ベルゼブブ!話が違うぞ!』
ベルゼブブ『なんだ、どうした。』
マモン『どうしたもあるか!なんで、なんで。』
ベルゼブブ『なんだ?』
マモン『なんで四神が2人も来るんだよ!』
ベルゼブブ『何!?(馬鹿な、まだ時間はあったはず!)』
少し前、マモン達の場所では、頼もしすぎる助っ人が来ていた。
燐「ごめんなみんな。探すのに手間取った。」
水葉「君たち、この辺りに見えない結界でも張って姿やオーラを消してたでしょ。」
誠一郎「燐さんと、水葉さん!」
神宮寺「来てくれたんですね!」
隼司「これで形成逆転だぁ!」
マモン「な、なんでここに。」
サタン「四神か。(殺りたいのは山々だが、マモンも加わると流石に厳しいか。)」
その瞬間、サタンがマモンから離れる。
サタン「今回はなかなか楽しめた。また会おうぜ、四神。」
そう言うとサタンは地面へ拳を放ち、土煙をあげる。
燐「ちっ!」
煙が消えると、そこにサタンの姿はもちろん、マモンの姿も消えていた。
マモン「(流石に四神2人と殺り合うのは無理があるな。ベルゼブブに連絡して、撤収するか。)」
マモン『俺らは撤退する。お前らも頃合を見て逃げろ!』
そうして念話が途絶えた。
ベルゼブブ「(なぜ四神が?いや、そんなことはどうでもいい。レヴィアタン達に共有し、早く引くか。)セロ!今日はここまでだ!」
セロ「くっ!」
ベルゼブブがそう言うと、セロは距離をとった。
セロ「...次こそは必ず!」
そう言ってセロ達は穴に入り消えていった。
ベルザ「はぁ。何とか助かりましたね。」
咲「そうだね。」
ベルザ「では、私はここまでです。」
そう言うとベルザは徐々に薄くなり、やがて消えていった。
ロキ「じゃ、俺も帰るか。また今度ね、咲ちゃん。」
ロキはそう言うと、煙玉を取り出し床にたたきつけた。
碧「逃げられたね。」
湊「まぁ、今回はいいだろ。」
咲「うん、よかっ、た。」
その瞬間私の魔力がそこを尽き、吸血鬼化がとけ、その場に倒れ込んだ。
湊「咲!」
碧「しっかりして!」
咲「(よかった。2人とも無事だ。)」
その事実を確認したあと、私の意識は闇に消えた。
その頃、レヴィアタン達も同じような状況を迎えていた。
雷斗「レヴィアタン。またあったな。」
風露「みんな、遅くなってごめん。」
雫「雷斗さん!風露さん!」
知鶴「タイミングがヒーローのそれと同じね。」
ベルフェゴール「ええー、もっと面倒くさいじゃん。」
その時、レヴィアタンとベルフェゴールがお互いに距離をとる。
ベルフェゴール「じゃ、さよなら。」
レヴィアタン「次は殺す!」
そう言うと2人は消えていった。
穂乃香「どうやら助かったようですね。」
知鶴「はぁ、一時はどうなる事かと思ったわ。」
雫「ほんとに、2人が来てくれて良かったです。」
その頃、街中は大変なことになっていた。
源「くっ!なんでこんなに魔物が!?」
今まで減少傾向にあった魔物達が急に現れたのだ。そう、あの時四神にきた連絡は突然の魔物出現の対処依頼だったのだ。
源「くっ!(さすがにこの量は!)」
その時、魔物の攻撃が源に迫る。
源「(躱せない!)」
源が覚悟を決めた時、その魔物が急に動きを止めた。
魔物「がっ、」
源「なんだ?」
その瞬間、魔物の首が落ちた。
源「な!(なんだこれは。)」
源が振り返り魔物を見ると、そこの魔物たちは全て倒されていた。
源「一体、何が?」
?「はぁ。ここらは終わりかな?じゃあ次だな。」
その後、他の場所でも発生した魔物は全て倒された。
咲「う、うーん。ここは?」
気がつくと、私はベッドの上にいた。
碧「あ!目が覚めた?」
湊「よかった。元気そうだな。」
咲「湊、碧。」
私の傍には2人が付き添っていた。
碧「ほんとにありがとう!咲は命の恩人だよ。」
湊「ああ、全くだ。感謝してもしきれないな。」
咲「い、いやぁ。それほどでも。」
ベルザ「またできるかは分かりませんよ?」
咲「うわぁ!ベルザ!いたの?」
ベルザ「元から居ましたよ。」
咲「前は代償とかで何日かいなかったじゃん。」
ベルザ「今回は咲さんの実力も上がったおかけで前より軽い代償で済みました。あ、それとひとつ報告が。」
咲「ん?何?」
私がそれを聞こうとした時、
碧「へぇーそれがベルザさんの声かー。やっぱりかっこいいね。」
湊「何度か聞いた事あるけどしっかりと聞いたのは初めてだな。」
咲「え?(声がきこえてる?)」
ベルザ「そうなんですよ。私の声が皆さんにも聞こえるようになったんです。」
咲「もう少し早く言って!?」
ベルザ「そんな焦らなくても。それとも、聞かれたらいやな会話でもありましたっけ?例えば...」
咲「あーーー!思い出そうとしなくていいから!」
碧・湊「あははは!」
私はその笑顔を見て心からほっとした。今度はしっかり守れたんだ。
咲「(本当によかった。)」
もう、昔の私じゃない。確実に強くなってる!
次回
第三章最終話




