第36話 後悔と克服
三つ巴の戦いが三ヶ所で!?
早く来てよ四神ー!
マモン「さて、日頃の恨みをはらさせてもらおうか!」
そう言ってマモンがサタンへ突っ込む。
サタン「こいよ!」
サタンはマモンと正面からぶつかり、そのまま激しい殴り合いが起こる。
サタン「はっ!相変わらず小物くさくてめんどくせぇな!」
マモン「お前は脳筋すぎるなぁ!」
神宮寺「なんだ、こいつら。」
隼司「悔しいが、次元が違う!」
誠一郎「これ、やばくね?」
サタン「ほらほら、まだまだいくぞ!」
マモン「来いよ!」
2人の攻防の激しさが増す。
サタン「(ほんと、めんどくせぇ能力だ。他に何持ってるか分からねぇんだからたちが悪い。)」
マモン「(この馬鹿力。生き物なのか?体がもつか?)」
神宮寺「(このままだと俺らも巻き込まれる。この隙に退散するか?)」
そう思った時、後ろに再び穴ができる。
神宮寺「!?」
誠一郎「おいおいおい!」
隼司「なんだよこいつら。」
その穴からは大量の蛾型の魔物が出てきた。
神宮寺「(これは、きついか?)」
誠一郎「(最悪は全開放も視野だな。)」
隼司「(骨が折れても出し切る!)」
ベルフェゴール「レヴィアタン。なんで来たの?」
レヴィアタン「それを言うわけないだろ。さて、他の奴らも始末したいがお前からだな。それまでこいつらで足止めするか。」
レヴィアタンがそう言うと、最初にできた穴から大量の蛾型の魔物が出てきた。
レヴィアタン「あいつらを殺せ。」
その一声で、蟻達が襲いかかってきた。
雫「蟻!?」
知鶴「わ、私、虫無理なのーーー!」
穂乃香「いえ、正確には魔物です。」
知鶴「そういう事じゃなくて!」
雫「と、とにかく倒さないと!」
雫達はそれぞれの能力で魔物達を迎え撃つ。
レヴィアタン「さて、そろそろやるか!」
レヴィアタンがベルフェゴールへ爪の攻撃を仕掛ける。
ベルフェゴール「お前じゃ無理だよ。」
しかし、その攻撃は謎のシールドで守られた。
レヴィアタン「舐めるな!」
そのシールドを、レヴィアタンは力づくで破壊した。
ベルフェゴール「えー、壊しちゃったの?めんどくせぇ。」
ベルフェゴールはそう言いながらゆっくりと立ち上がった。
ベルフェゴール「まぁ、しょうがないか。」
その瞬間、ベルフェゴールの雰囲気が変わった。
ベルフェゴール「死ぬ事が一番めんどくせぇ展開だ。」
ベルフェゴールはそう言うと、戦闘態勢に入る。その姿勢は、武術のような構えだった。
レヴィアタン「お前はなんで面倒くさがりなのにそういうのなできるんだろうな。羨ましいぜ。」
ベルフェゴール「んなもん知るか。俺だってこんな才能なかったら、主にめんどくせぇ修行とかやらされてねぇんだわ。」
レヴィアタン「ふっ、まぁいい。お前らを潰して、俺らが上に立ってやる。」
セロ「やれやれ、大人しくしていて欲しいんですがね。」
ロキ「人の楽しみ奪おうとして何言ってんの。」
咲「(私は楽しみじゃないんだけどなぁ。)」
セロ「まぁいいです。あなた方に負けるようなやつは我が一族にはいませんので。」
そう言うとセロは血を操作して無数の矢を作った。
セロ「早く終わらせましょう。」
その言葉と同時、大量の矢が私達を襲う。
咲「(多すぎる!捌き切れるかな?)」
ロキ「鬱陶しいな!これ使っちゃお!」
ロキがそう言って剣を振るうと、その場に炎の幕ができた。その幕により矢は全て防がれた。
セロ「(また魔法。あの剣、一体いくつの魔法が)」
ロキ「今のうちに攻めるよ!」
咲「わかってる!」
私達は一気に攻め込む。
セロ「(速い。ですが、)」
セロは私達の斬撃を余裕で躱した。
咲「ちっ!(駄目か!)」
ロキ「お前、中々面白いね!」
ロキのテンションが上がる。
ロキ「なら、俺も全力で行こうかな!」
ロキはそう言うと剣に付与された魔法を全て解放した。
ロキ「身体強化。炎と電気を纏わせる。武器を強固に。筋力増強。」
咲「(なに、この量!)」
セロ「それがあなたの本気ですか。」
ロキ「うん!行くよ!」
その時、ロキがさっきとは比にならないスピードでセロへ迫る。
セロ「ですが、調子に乗らないことです。」
セロは余裕こそないものの、ロキの攻撃がを躱している。
ロキ「(こうも躱してくるとは。これは長丁場になるかな?)」
咲「私も加勢しないと。」
ロキ「咲ちゃん!ごめんけど、1人で殺らせてよ。」
咲「え?(セロと戦うのは避けたいし、好都合!)ご自由にー。」
ロキ「どうもー。さて、もっと遊ぼうよ。」
咲「(今のうちに、2人の加勢に行かないと。)」
湊「はぁ、はぁ。(まずいな。魔力が...もう....)」
その時、湊の影の分身が消える。
碧「湊!(やばい、こいつらタフ過ぎる。今のままじゃ、憑依がとける!)」
咲「湊!碧!」
私が来た時には、2人ともかなり疲弊していた。
?「こいつらじゃ時間がかかりすぎるか。本当は出る気なかったんだけど。」
その言葉が聞こえた途端、蟻達が突然1箇所に集まりだし、やがてひとつの塊にまとまる。
湊「なんだ?急に動きが。」
碧「うっ!(魔力が急に膨れ上がって!)」
咲「これは。(ルシファーや、レヴィアタンと同じような雰囲気を感じる。)」
その塊は徐々に人型になり、声の主が姿を現す。
?「俺がすぐに終わらせようか。」
ロキ「!?(こいつ。ルシファー達と同じような雰囲気を)」
セロ「おお、ベルゼブブ。まさか来てくれるとは。」
ベルゼブブ「いつアイツらが来るか分からないのに呑気に遊んでる場合か。」
ベルゼブブはそう言うと、いつの間にか湊の後ろに移動していた。
ベルゼブブ「ほい!」
湊「がはぁ!」
ベルゼブブは湊を攻撃し、その衝撃で湊は吹き飛ぶ。
湊「が、がぁ。」
湊がその場に倒れ込む。
ベルゼブブ「まずは1人目。」
ベルゼブブがトドメをさそうとする。
碧「させない!」
碧が炎を飛ばし、ベルゼブブの攻撃を阻止する。
ベルゼブブ「邪魔だ」
しかしベルゼブブは謎の魔法でその攻撃を無効化した。
碧「(吸収された!?)」
ベルゼブブ「お前は大人しくしてろ」
ベルゼブブはそう言うと何体かの蟻型の魔物を碧へ放った。
碧「くっ!(これじゃあ!)」
ベルゼブブ「今度こそ、トドメだな。」
咲「湊!(このままじゃ!)」
その時、私の頭に冬季を失ったあの光景がよぎる。
咲「(このままじゃ、また失う!それは、駄目だ!)」
私はそう思い、血液パックを取り出す。
ベルザ「!?咲さん!それは。」
咲「止めないで。私はもうあんな思いはしないって決めたの!」
それは、咲が1人で特訓していた時だった。
咲「がっ!ぐっ!」
ベルザ「咲さん!ストップです!」
咲「っ!はぁ、はぁ。」
ベルザ「うーん。また駄目でしたね。」
咲「おかしいなぁ。経験値はもうだいぶ溜まったと思うんだけど。」
ベルザ「恐らく、体と心が拒んでいますね。吸血鬼にとどまらず、何か別の生物になることはとてつもない苦痛が伴います。体や心が、まだその苦痛に耐えられないのでしょう。」
咲「くっ!(早く!強くならないと!)」
咲「(いつまで耐えられないなんて甘えるつもりだ!耐えて見せろ、私の体!)」
そう言って私は血液パックの中身を飲み込む。
ベルゼブブ「ん?(なんだ、この違和感。)」
咲「がっ!ぐっ!」
碧「咲!」
湊「(明らかに様子がおかしい。どうした。)」
咲「(耐えろ!耐えろ!もう二度と、あんな思いはしない!)」
その時、私の体を血が覆う。
咲「(これは?)」
ベルザ「まさか。」
咲「(なんだ、この感覚。姿が変わっていく、魔力も、力も!)」
そしてその血がはれると、辺りを膨大な魔力が覆った。
セロ「!?(まさか、この魔力量は)」
ベルゼブブ「な、何が起きた。」
ロキ「....ははっ!咲ちゃん。君って最高だよ。」
碧「咲....なの?」
湊「なんだ、この魔力量。」
その変化に、私自身すら困惑する。
咲「こ、これは?」
ベルザ「....おめでとうございます咲さん。それが。それこそが!完全なる吸血鬼化です!」
ついに解禁された吸血鬼化!
咲の実力は如何に!?




