第30話 第三勢力
突如現れた乱入者。一体何者か。そしてその目的は?
突然のことで頭が混乱した。
咲「(な、なんで私を?)」
ベルザ「な、なんでここが。」
ベルザも戸惑いを見せる。何か知っているのか聞こうとした時、
燐「はっ!お断りだね。今は私達の生徒みたいなもんだ。お前みたいなやつに渡す訳には行かねぇな。」
?「そうですか。残念です。」
そう言った瞬間、穴から大量の鎧を着た軍がやって来た。
?「なら力ずくで奪わせてもらいましょう!」
その瞬間、軍が一斉に向かってきた。
燐「こんなんでやれると思うなよ?」
雷斗「ここから先は行かせない。」
水葉「久しぶりに怒るよ!」
風露「速く制圧しないと。」
そう言って四神が次々と敵を倒していった。その姿は私達との稽古とは全くの別人だった。
碧「これが本来の四神。」
穂乃香「凄まじいですね。」
?「やはりこの程度ではいてもいなくても変わりませんか。しかし、私達の軍はこの程度ではありませんよ。」
その瞬間、私達の後ろにも同じような穴が2つできていて、そこからまた別の軍が現れた。最初の穴に比べたら小さく、軍の数も少ないがそれでも相当な数だ。
知鶴「どうやらやるしかないようね。」
碧「正直万全じゃないけど、頑張るか。」
湊「俺が前に出る。みんなは後に続いて。」
そう言って動けるものが軍を迎え撃った。
湊「はぁぁ!」
湊は範囲攻撃で敵を制圧し、その他のやつを他の皆が倒す。
知鶴「魔力は少ないけど、近接戦ならできるわ!」
穂乃香「ゲリラ戦の特訓も、暗殺者には必要ですので。」
碧「まだ九尾なら憑依できるわ!」
私も加勢しに行こうとした時、私の周りをシールドが囲った。
咲「これは。」
雫「咲さん。あなたは狙われている身。むやみに動くのは危険です。」
誠一郎「俺らがやるから、そこで守られてくれ。やるぞ」
隼司「おう。」
誠一郎くんと隼司くんは私に向かってくる奴らを倒していき、雫はシールドで私を守った。
?「あらあら、学生にまでやられてしまうとは。あなた方の軍は大丈夫なんですか?」
そう言った時、穴から何者かが出てくる。
?「今年の学生は優秀だな。羨ましい限りだ。」
水葉「あちゃぁ。面倒なのが増えたね。」
雷斗「俺が行く。みんなはそのまま頼む。」
その瞬間、雷斗がそいつへと攻撃を仕掛ける。
?「おっと、四神か。」
しかしそいつはその攻撃を躱してみせた。
雷斗「お前、悪魔だな。しかもかなり上位の。」
?「そこまでバレたならいいだろう。俺は七大悪魔のレヴィアタンだ。」
雷斗「七代悪魔か。なら気を緩められないな。」
そういった途端、雷斗さんは魔法を展開した。そこからはひとつの刀がでてきた。
雷斗「お前は俺がやる。」
レヴィアタン「最近運動してないし、ちょうどいいかな。」
燐「お、武器出したか。なら私も出そっと!」
水葉「なら私も!」
風露「その方が早く終わりそうです。」
そう言って他の神も魔法陣を出し、武器をとった。
燐「この斧でぶった切ってやる!」
水葉「水の神はトライデントのイメージ無い?」
風露「私の二刀流からは逃げられません。」
その瞬間、3人が再び制圧にかかる。さっきよりも早く敵がやられていく。
雷斗「おーおー、やってるねぇ。なら俺も始めよう!」
そういった瞬間、雷斗さんがとてつもない速度で相手に迫る。
レヴィアタン「速いなぁ!でも。」
雷斗さんの斬撃がレヴィアタンを捉えた。しかし、
雷斗「へぇ。」
レヴィアタン「ただの斬撃じゃあ俺はやられないよ?」
レヴィアタンはその攻撃を腕で受け止めていた。その腕には鱗が着いていた。
雷斗「面倒なやつだな!」
レヴィアタン「そう言わず、楽しもうぜ!」
その瞬間、2人が一進一退の攻防を繰り返す。それを見ていた時、私はあることに気がついた。
咲「(あれ?最初に来てたやつは?)」
その瞬間、私は背筋が凍るような目線を感じる。嫌な予感がし、振り返ると
?「ようやく会えた。」
そこには案の定奴がいた。シールドがあるのになんで。
咲「くっ!」
私は迎え撃つために能力を発動する。
?「まぁそう殺気を向けないで下さいよ。私達に着いてきて頂ければ悪いようにはしません。」
咲「なんで私を狙うの!」
私がその疑問をぶつけると、奴は飄々(ひょうひょう)と答えた。
?「あなたではありません。その中にいるやつですよ。ねぇ、ベルザお兄様」
咲「お兄様!?」
ベルザ「......」
ベルザは黙ってしまった。本当にこいつがベルザの兄弟なの?
?「その様子、何も知らなそうですね。いいでしょう。少し話してあげます。」
そう言って奴は話し始めた。
?「私の名前はセロ。そのベルザお兄様の兄弟です。私達の家系は魔界でトップの実力を誇っていました。ところがある日、お兄様が謀反を起こし逃亡。裏切り者となり、処分を命じられました。」
咲「そうだったんだ。」
ベルザがなんでこっちの世界に来てたかがようやくわかった。
セロ「あなたに罪はないのです。抵抗せずに兄を渡してくれませんか?」
ベルザ「.....」
咲「....ごめんなさい。それは無理。」
ベルザ「!!咲さん!?」
咲「私、彼に救われたの。だからそんな簡単に渡せないわ。」
セロ「そうですか。それは残念です。」
その瞬間、シールドが解除された。
誠一郎「咲ちゃんから離れろ!」
隼司「これでもくらえ!」
その瞬間、2人がセロに突っ込んだ。
セロ「邪魔ですね。」
そう言うと、セロが血を操り2人へ放った。
誠一郎「がっ!」
隼司「ぐっ!」
それは2人に直撃し、2人がその場に倒れる。
誠一郎「(なんだこの威力。咲ちゃんの比じゃない。)」
咲「これが、本物の吸血鬼の力。」
何もかもが上位互換。でも!
咲「それを諦める理由にしたくないの!」
そう言って私はセロへ攻撃を仕掛ける。
セロ「人間の身でここまで能力を使いこなすとは。」
しかしセロはその攻撃を当たり前のように躱してみせた。
セロ「これで気を失ってください。」
咲「ぐぅぅぅ!」
セロはカウンターのパンチを腹に打ち込んだ。その攻撃で私は吹き飛ぶ。
セロ「さぁ、ベルザお兄様を差し出すのです。」
咲「はぁはぁ。」
勝てない。全てが上位互換のこいつには何も通じない。それでも、ベルザには沢山助けてもらった。
咲「何度言っても同じよ。私はベルザを渡さない。」
セロ「そうですか。致し方ありません。」
そう言うとセロは爪を立てた
セロ「申し訳ありませんが、死んでください。」
その攻撃が私に迫る。
咲「(誰か。力をかして!)」
そう願いセロの手を見ると、驚く事が起きた。なんとその攻撃が少しゆっくりに見えたのだ。
燐「くそ!(行かなきゃ行けねぇのに数が多すぎる!)」
水葉「咲ちゃん!」
セロの攻撃は咲を貫いた。と思った。
雷斗「うぉ!まじか。」
風露「これは。」
セロ「(躱された!?)」
私はその攻撃を躱してみせた。私は1度距離をとる。
セロ「何が起きたのです。」
咲「おぉ。(これってまさか。)」
そこで私は思い出した。そうだった。私達にはもう1つ、彼がくれたものがあったのだ。
咲「(これがセロに勝ってる唯一の部分!)
借りるよ冬季!あなたの目をね!」
ちなみに神宮寺と源は気絶してて、雫は2人を回復させてます。(どっかの雷神のせい。)
次回!
まさかの展開。
レヴィアタン「お前は...」




