第29話 VS四神 後編
風露と雷斗。語感似てるなぁ。
そんな2人の実力は!?
雫「よ、よし。知鶴ちゃん!ががが頑張ろう!」
知鶴「あなた声も足も震えてるわよ。」
自分番が来た瞬間、雫はとても緊張しだした。
知鶴「今できることをやればいいのよ。ほら!」
そう言って知鶴が雫の背中を叩く。
雫「うわっ!もう!」
風露「始めてもいい?」
風露がそう聞くと、2人は臨戦態勢に入る。
知鶴「ええ、大丈夫です。」
雫「よろしくお願いします!」
風露「じゃあいくよ。」
そう言うと風露は無数の風の矢を生成して放った。しかも、
知鶴「何よこれ!(矢が不規則過ぎる!)」
知鶴はその攻撃を躱せず、直撃かと思ったその時、
雫「サラウンズシールド!」
雫が知鶴をシールドで囲い、直撃を防いだ。
知鶴「ありがとう。じゃあこっちからもお返しよ!」
知鶴は魔法陣を出し、無数の魔力弾を放った。
風露「この数じゃ無理だよ。」
そう言うと、風露が再び無数の矢を放った。その矢は全ての魔力弾にあたった。
知鶴「嘘!?(杖で強化もしてるのよ?)」
風露が間髪入れず矢を放ち再び知鶴へ迫る。
知鶴「雫ちゃん!お願い!」
雫「うん!サラウンズシールド!リフレクト!」
雫がそう言うと、シールドに当たった矢が全て反射して、風露へ向かった。
風露「反射できるんだ。でも、意味ないよ。」
そう言うと、風露さんは前に手を出し、下向きに手首を曲げた。すると、先程まで向かっていた矢が全て床に落ちた。
知鶴「なるほど、風神なだけあるわね。」
雫「くっ!サラウンズシールド!」
そう言うと風露の周りにシールドが展開される。
雫「クラッシュ!」
雫がシールドで圧殺しにかかるが、
風露「これくらいなら切れるね。」
風露は風で刃をつくり、そのシールドを細切れにしてしまった。
雫「くっ!」
知鶴「(中途半端な威力じゃ魔力を無駄にするだけね。なら!)雫ちゃん!やるわよ!」
雫「わかった!」
すると、雫は魔法強化を知鶴に付与し、魔力を送り続けた。
知鶴「(私の元からの魔力と、魔法強化さえあれば!)」
風露「なるほど。(これはなかなかだね。)
でもそんな隙を与えるわけないよ。」
風露が再び風の矢を放つ。
雫「(ここ!)シールド、タイプアブソーブ!」
その瞬間、シールドに当たった矢が吸収されていった。
風露「そんなものを隠してたのね。」
咲「何あれ!?」
誠一郎「矢を吸収した?」
知鶴「よし、準備完了!」
その時、魔力を溜めていた知鶴の準備が終わった。
雫「吸収したら、放出もしないとね。」
そう言うと、雫ちゃんが魔法陣を展開する。
知鶴「くらいなさい!これが私の最高出力よ!」
雫「シールド、リリース!」
知鶴が魔法陣からとてつもない威力の魔力光線を放った。雫は魔法陣からさっき吸収した矢を放った。
風露「いい威力だね。でも」
風露がそう言うと、魔力光線の周りに風が発生しだした。
風露「こういう使い方もできるよ。」
すると何と、魔力光線の軌道がずらされたのだ。そしてそのまま風露の横を通り過ぎ、魔力光線は壁を貫いた。
知鶴「そんなの...ありなのね。」
知鶴が魔力を切らし、その場に倒れる。それにより、魔力光線も消えた。
雫「もう、無理です。」
雫も体力に限界が来てしまった。
水葉「はいそこまで!2人ともお疲れ様!」
風露「最後の攻撃は良かったかな。他の魔法の威力の上昇を目指してみて。」
雫「は、はい。」
水葉「じゃあ次いってみよー!」
雷斗「じゃあ俺は待機してるんで、いつでもどうぞ。」
そう言う雷斗からはどこか期待が込められていた。
神宮寺「相手は四神です。本気で行かなきゃ太刀打ちできませんよ。」
源「ああ、わかってる。」
そう言って2人は能力を発動させた。
神宮寺「龍化」
源「身体強化魔法。お前にもやるよ。」
神宮寺「先生の能力も魔法ですか?」
源「いや違う。俺の能力は『剣と魔法』って言うんだ。その名の通り、魔法が使える剣士だ。」
神宮寺「聞いてるとそれも結構強くないですか?」
源「そんな簡単じゃないんだよ。何せ魔法と剣って真逆のことをやらされてるから均等に練習してると、本職には数段劣るしな。」
神宮寺「なるほど。扱いが難しいんですね。」
雷斗「おーい。そろそろいいんじゃない?」
神宮寺「よし!じゃあ行きますよ!」
源「ああ、援護は任せろ!」
次の瞬間、神宮寺が雷斗へ突っ込んだ。
神宮寺「(いつ何が来るか分からない。警戒を高めなければ)」
雷斗「考え事は良くないね。」
神宮寺「な!?」
その瞬間、雷斗は既に神宮寺の後ろにいた。
神宮寺「くっ!(目は離してなかった。どんな速度で移動したんだ?)」
雷斗「軽めにパンチ!」
そのパンチは神宮寺のお腹を正確に捉えた。
神宮寺「ぐっ!」
神宮寺が吹き飛んだと同時、
雷斗「次は君ね。」
源「くっ!(やはりそうなるか。)」
雷斗が源へ攻撃を仕掛けるが、
源「はぁ!」
雷斗「おっと。」
その瞬間、雷斗の足元から炎の柱が立つ。
雷斗「そんなのもあるんだ。」
神宮寺「よそ見も駄目ですよ。」
雷斗の回避先には神宮寺が迫っていた。
雷斗「悪くは無いけど、遅いかな。」
次の瞬間、神宮寺を上から雷が襲う。
神宮寺「がっ!(これくらいなら!)」
その雷は直撃した。だが、
神宮寺「これくらいは耐えれる!」
神宮寺はそのまま雷斗さんへ突っ込んだ。
源「はぁ!」
源もそれに合わせて火球を放つ。
雷斗「やるね。でも、」
次の瞬間、2人の体に電流が走った。
神宮寺「がぁぁあ!」
源「ぐぁぁぁぁ(なんという攻撃速度。)」
2人はその場に膝をつく。
雷斗「まだまだだね。」
神宮寺「ぐっ、あっ(悔しいがこのままじゃ無理だな。だったら。)」
神宮寺が震えながら立ち上がる。
神宮寺「俺も全てを出し切る!完全龍化!」
そう言った瞬間、神宮寺の体がみるみる変わっていき、完全なドラゴンへと変わった。
神宮寺「がぁぁぁ!」
雷斗「おお、これはこれは」
源「(生徒たちが体を壊してでも戦ってるんだ。俺もそれくらいの覚悟を持て!)」
その時、源がゆっくり立ち上がった。
源「筋力増強、重力軽減、武器強固」
知鶴「そ、そんなに重ねがけしたら先生の体が!」
隼司「先生も体張ってるな。」
咲「神宮寺くんも、暴走しなければいいけど。」
湊「そこは四神が何とかしてくれるといいけど。」
次の瞬間、源と神宮寺が攻撃を仕掛ける。
源「はぁ!」
雷斗「おっ!速くなったね。」
神宮寺「ぐがぁぁぁ!」
雷斗「こっちも威力が増してるね。」
しかし、そう言いながら雷斗は簡単に躱してしまう。
源「くっ!(ここまでやっても無理か。)」
その時、神宮寺が先生へ声をかけた。
神宮寺「せん、せ。俺に、あわせ、て」
その言葉は途切れ途切れで意識が飛びそうになっていることがわかった。
源「神宮寺...(あいつの体も限界に近い。次が恐らく最後のチャンス。)」
神宮寺「がぁぁあ!」
その時、ドラゴンとなった神宮寺が口に炎を溜める。
雷斗「それを放つ前にやっちゃうよ?」
源「させない!」
雷斗「おお(さっきより鋭くなってる。)」
神宮寺「(ありがとうございます。先生)」
次の瞬間、神宮寺が口から炎を放った。
雷斗「(やっぱりこれが狙いね、でも!)」
その瞬間、炎が直撃した!かに見えたが、
雷斗「いい所ついてたけど、俺をちょっと見くびったね。」
次の瞬間、雷斗が大量の雷を落とした。
神宮寺「ぐがぁぁぁぁ!」
源「ぐはぁぁぁぁ!」
2人はその雷を受けて気絶した。神宮寺の能力も解けて人型に戻った。
水葉「そこまで!お疲れ様。」
雷斗「悪くないけど、2人ならもっと伸びるかな。」
雫「私これで何回回復させたんでしょう。」
水葉「さて、とりあえず四神全員は終わったから、最後に2人とやる人を決めようか。」
またジャンケンが始まると思った。その時、
?「ようやく見つけた。」
その言葉と共に、空間に罅が入り咲たちの前に謎の穴が開いた。そこからは何やらとんでもないオーラが溢れ出ていた。
燐「!?これは」
雷斗「なんでここに?」
水葉「まずいかもね。」
風露「まさか、来るなんて。」
その穴からは続々と魔人のような奴らが出てくる。そして、奥に1人。オーラの正体はあいつのようだ。
?「これはこれは、四神が子守りですか?」
燐「はっ!そっちこそ何しに来た!」
?「いえいえ、別にあなた方とやり合いたい訳ではありません。」
そう言うとそいつは咲を指さしこう告げた。
?「そこの吸血鬼を中に宿している娘を渡しなさい。」
咲「.....え!?」
突如現れた乱入者。
四神も警戒。こいつらは何者か!?




