第26話 吸血鬼対龍
神宮寺と咲が激突!神宮寺の強さは?
咲「はぁぁぁぁぁ。」
碧「どうしたの、そんな大きなため息ついて。」
雫「幸せが逃げてますね。」
咲「実は....」
昼休み。3人でお弁当を食べていた時、咲は2人に神宮寺と戦うことになったことを伝えた。
碧「うわー。そりゃ大変だ」
咲「正直、勝てる気がしないよ。」
雫「そうですかね?私は全然勝てると思いますよ。」
咲「え?」
咲はそんなことを言われるなんて思ってもいなかった。
雫「ここ最近、様々な出来事がありましたがそれは私たちの成長のきっかけになりました。今の咲さんならもしかしたらいけるのでは?」
咲「そうかな?」
碧「確かに。可能性は低くはないんじゃない?」
咲「.....わかった。私頑張る!」
2人の励ましにより、咲の中で覚悟が決まった。
碧「それで、いつ戦うの?」
咲「さっき神宮寺くんに会って、今日の放課後だって。」
雫「早くないですか?昨日連絡あったんですよね?」
碧「まぁ、何かあっても骨は拾うから。」
咲「それ私死んでるじゃん!(でも私の緊張をほぐしてくれてるのかな。)」
そんな会話をしながら咲は放課後まで対策を考えるのだった。
そして放課後、咲は言われた通り体育館に来ていた。ここの体育館は生徒たちの訓練のために超強力な素材で作られているため組手などにも最適なのだ。
神宮寺「じゃあ、始めるぞ。」
咲「うん。」
神宮寺の言葉を聞いて、私は能力を発動させる。
咲「(今の私ならできる!)」
そう思い、咲が背中へ意識を集中させると、羽が出てきた。
神宮寺「なら、俺も使うぞ。」
その言葉と共に神宮寺も能力を発動させた。背中に羽が出てきて、体の表面には鱗がある。さらに、尻尾まで生えてきて、爪もドラゴンのように長く鋭くなっていた。
咲「あれ?龍じゃないの?」
神宮寺「ドラゴンの特徴も発動できるぞ。じゃあ、まずはこちらから攻めようか!」
そう言って、神宮寺が胸の中心から炎の玉を幾つも放った。
咲「遠距離戦は私もできるよ!」
咲はその攻撃を魔力で作った血液を丸めて魔力弾のように放った。それは二人の間で衝突し激しい爆発がおきた。
神宮寺「(遠距離はほぼ互角か。なら近距離で攻める!)
なら次は近距離だ!」
次の瞬間、神宮寺がものすごい速さで突っ込んで来る。
咲「(速い!でもこれくらいなら。)」
神宮寺が爪での連続攻撃を仕掛けてくる。しかし咲はその攻撃をギリギリになりながらも外してみせた。
神宮寺「いい反応速度だ。だけど躱すので精一杯か?」
咲「くっ!」
咲が徐々に押され始め、このままでは押し負けてしまうという状況になったとき、
咲「なら、ちょっと狙ってみようかな!」
次の瞬間、咲は神宮寺くんの攻撃を血液のシールドで防いだ。
神宮寺「何!?(そんなものを隠していたのか。)」
咲「隙が出来たね!」
咲はその瞬間に渾身のパンチを相手に放った。
神宮寺「(速いな。避けられない。でもな)」
そのパンチは的確に神宮寺の胸あたりを捉えた。だが、
咲「え?嘘。(血液操作の身体強化はしっかりしてるのに。)」
神宮寺「それじゃあ俺は倒れない。」
何と神宮寺は平然と立っていた。
神宮寺「攻撃したばっかだからこれは避けられないなぁ!」
咲「ぐぅぅ!」
神宮寺が隙をついて私に向けて尻尾で攻撃する。咲はそれを受けて少し吹き飛ぶ。
咲「な、なんで。確実に捉えたはずなのに。」
神宮寺「俺の身体機能はドラゴンのように強化されている。さらに、この鱗のおかげで防御力も上がってるんだよ。」
咲「なるほどね。(これは肉弾戦は厳しいかも。)」
神宮寺には能力での攻撃を当てなければならなくなってしまった。
神宮寺「さて、折角羽があるんだから空中戦といくか。」
そう言って神宮寺が羽を動かして浮いた。
咲「いいよ、のってあげる。」
咲もそれに合わせて羽を動かし中に浮く。
神宮寺「じゃあ行くぞ!」
次の瞬間、神宮寺が先程同じように突っ込んでくる。
咲「くっ!(空中にいる分早くなってる。)」
神宮寺からの攻撃に対して咲は防ぐことしか出来なかった。
神宮寺「まだ上のギアがあるぞ!」
すると神宮寺は腕に炎を纏わせた。
咲「まじか。なら私も!」
咲もそれに合わせて、腕に血を纏わせる。
神宮寺「さっきと同じと思ってたら痛い目を見るぞ!」
咲「ぐっ!(攻撃力が上がってる。)」
咲は彼の攻撃を防ぐが、少しずつ魔力も体力も削られていく。
神宮寺「(このまま魔力切れを狙う!)」
神宮寺の攻撃は止まらず、咲は防戦一方となった。
咲「(このままじゃ負ける。何か考えないと。)」
咲は思考を巡らせる。何とか自身が有利に働くように、自身が勝っているところを模索した。
咲「防いだままは嫌だなぁ!」
その時、咲が1度距離をとる。
神宮寺「どうした?これで終わりか?」
咲「違うよ。こっちも攻めたくなったの!」
その瞬間、咲は神宮寺へ突っ込んだ。
咲「今度は私の番だよ!」
神宮寺「何!?(この速度、もしや俺より。)」
咲は神宮寺へお返しと言わんばかりの連撃を放つ。
咲「はぁぁ!」
神宮寺「(防ぎきれん。だがこいつの攻撃力では俺には勝てない。)」
咲「(スピードは私の方が速いみたいね。だったら!)」
咲はさらに速度をあげて神宮寺の隙を作る。
咲「ここだよ!」
神宮寺「くっ!(防御の隙をつかれた!)」
咲はそこへ再びパンチを放った。しかし、
神宮寺「無駄だ。お前の攻撃は俺には聞かない!」
神宮寺は当たり前のように受けた。でも、
咲「わかってるよ!」
神宮寺「ん?(腕に纏わせていた血液が消えてる?)」
咲は腕の血液をひと塊にして、神宮寺の上に設置していた。
咲「これは耐えられるかな!」
神宮寺「何!?」
その血液が神宮寺に激突した。
神宮寺「ぐはぁ!」
神宮寺はそのまま地面へと叩きつけられた。
咲「どう?流石にこれは耐えられないでしょ。」
そう思っていた時、
神宮寺「今のは中々に効いたぞ。」
神宮寺は平然と立ってきた。
咲「まじ?」
神宮寺「お前は攻撃力に難ありだな。」
どうしようと悩んでいた時、
湊「はいストップ!」
突然湊が中に入ってきた。
神宮寺「何しに来た湊!」
湊「いやいやもういいでしょ。咲の強さを試すために戦ったんでしょ?どうなの?」
神宮寺は少し間を開けると、息を吐きならがら能力を解いた。
神宮寺「湊の言う通りだな。強さは十分わかったし、もういいか。」
咲「た、助かったぁ。」
咲も能力を解き、床に座る。
神宮寺「(しかし、今までの攻撃は俺を傷つけないようにしていたように見えた。もし殺す気で来ていたら....)」
湊「じゃあ帰ろっか!2人とも疲れてるようだし、なんか奢ってあげる。」
咲「ほんと!やった!」
こうして、晴れて神宮寺にも認められた咲は湊の奢りで美味しいパフェを頂きました。
べラス「おい、お前ら。主のご指名だ。そろそろ準備を始めろ。」
?「奴らと強力しろと?」
?「あいつら見てるとイライラすんだよ。んな事する訳ねぇ。」
?「めんどいなぁ。」
べラス「いいからやれ!お前らそれでも悪魔か?」
?「お前に指図されるのは癪だが、主からならば仕方ない。」
魔人七人衆 ルシファー
?「てめぇ!殺してやろうか!」
魔人七人衆 サタン
?「怒られるのはもっとめんどいなぁ。」
魔人七人衆 ベルフェゴール
べラス「全く(こいつらを制御なんて出来るわけないのに。)」
その日の帰り道、湊が急にこんなことを言い出した。
湊「なぁ、ベルザさんって結局何ものなんだ?」
咲「それがよく分からないの、本人に聞いても、「私はただの吸血鬼ですよ。」としか言わないし。」
湊「ただの吸血鬼とは。」
神宮寺「まあそのうち話してもらえばいいだろ。」
咲「まぁそうなんだけどね。」
神宮寺「それよりも!このまま死なないためにも、しばらく特訓をするぞ。」
咲「そうだね。」
咲は家に帰り、ふとベルザに聞いてみた。
咲「ねぇベルザ、私って今どれ位使いこなせてるの?」
ベルザ「まだ半分くらいですね。あとは完全に吸血鬼化出来ればいいんですが。」
咲「でもこの前は暴走しちゃったじゃん。」
ベルザ「恐らく、経験が足りないのでしょう。神宮寺さんも完全なる龍化はできていませんでしたし。」
咲「経験かぁ。」
そんな会話をしながらテレビをつけてニュースを見る。
『先日、魔物に襲われた市民の謎の発言が話題になっています。その人の証言によりますと、襲われると思った瞬間には魔物の首が消えていたという事です。』
咲「急に魔物の首が消える?そんなこと有り得るのかな?」
ベルザ「誰かが気づかれないように魔物を倒してるのかもしれませんね。」
咲「でもそんなことする意味ある?」
ベルザ「どうでしょう。人には様々な事情がありますから。」
咲「吸血鬼がそれを言うのね。」
しかし、一体何が起きているのだろうか。
魔物「ぐぁ!」
?「これでいいかな。今はこれくらいしか出来ないのがもどかしいな。」
水葉「頑張ってるねぇ。」
?「なんか最近よく来るなお前。」
水葉「暇だからね。それより、なんで首を斬るの?」
?「確実だからだが?」
水葉「能力使わないの?」
?「そんなことしたら痕跡が残るだろ?」
水葉「まぁそれもそっか。」
?「そういえば、どんな稽古をつける気だ?」
水葉「それは秘密。来たら教えてあげるよ。」
?「....そうか。」
次回
四神集結!




