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第25話 四神

第3章開幕!

四神とは何者なのか!

 四神。それは国にも抑えられない存在。この世に4人しかいないEXTRAランクの者たち。彼らは咲達にとって最後の頼みの綱のようなものだ。


 咲「四神って、滅多に動かず国が直々に頼み込んで仕事をするような人達じゃないですか!」


 源「俺も驚いたよ。でも、彼らが自主的に動こうとするほどやばい相手ということだ。」


 知鶴「それで、四神は何をする気なのでしょう。」


 源「詳細は追って連絡すると言っていた。まさか四神が動くとも思っていなかったんだろう。」


 湊「まぁそうですよね。彼らが動いた事例は少ない。」


 碧「でも四神って変な噂ありません?」


 穂乃香「噂とは?」


 碧「なんか、能力者が初めて出た時代からずっと生きてるって噂。」


 雫「そんなのあるんですね。」


 源「まぁ強いお方や偉いお方はそういった噂ができるものだからな。」


 誠一郎「四神か。1回くらい会ってみたいな。」


 神宮寺「気持ちはわからんでもないが。知らない訳じゃないだろう?四神の姿は国家機密。その姿を見たものはいないとされているんだから。」


 誠一郎「そういえばそうだったな。」


 隼司「でも俺はその気持ちわかるぜ!強いやつに会ってみたいのはよくあるよな。」


 誠一郎「おお!お前分かるな!」


 そう言って2人が肩を組む。


 咲「仲良いね、2人とも。」


 源「ともかく、今はしばらく様子見だ。変に動いて迷惑をかける訳にはいかない。」


 全員「はい。」


 こうして話し合いは終わった。


 咲「(四神。どんな人なんだろうな。)」








 あれから数週間がたち、咲も退院して家に帰り、自室でくつろいでいた。


 咲「やっと退院出来たー。もう入院は懲り懲りだよ。」


 ベルザ「まぁ生きていただけ良かったじゃないですか。」


 咲「うわぁ!」


 その時、ベルザの声が聞こえた。いつの間にか戻ってきていたのだ。


 咲「いつの間に?」


 ベルザ「昨日の夜に戻って来れました。」


 咲「どこ行ってたの?」


 ベルザ「代償をくらってたんですよ。」


 咲「代償?」


 ベルザ「ええ。あの時、私は色々条件をつけて何とか出てこれました。ですが、咲さんの現状では私の召喚なんて自殺行為に等しいです。色々デバフをつけたり、代償をくらうことで何とか出てこれるようになったんですから。」


 咲「そうだったんだ。」


 ベルザは暴走していた咲をいとも簡単に止めて見せた。まだまだ底が知れない。


 咲「私も早く強くならないと。」


 と、そんなことを考えていると咲のスマホが鳴った。


 咲「?誰からだろ。」


 スマホを見ると、源からだった。


 咲「もしもし?どうしました。」


 源「咲、今大丈夫か?」


 咲「ええ、大丈夫ですけど。」


 源「なら、今すぐ学校に来てくれ。」


 咲「え?ま、まぁ分かりした。」


 咲は疑問を持ちながらも、とりあえず学校に行くことにした。







 咲が着いた頃にはもう全員が揃っていた。


 咲「それで、どうしたんです?」


 源「この方から話があるそうだ。」


 そう言って源が横に手をやる。そこには咲達の知らない女性が立っていた。


 知鶴「あ、あの。どちら様で?」


 ?「初めまして。私は四神が1人、水神の天川水葉(あまかわみずは)。よろしくね。」


 全員「.....え?」


 その言葉を聞いて、咲達は硬直してしまう。


 咲「(いやいやいや。え?なんで四神がここに?)」


 源「み、水葉様。それでお話というのは。」


 水葉「うん、それはいいんだけど....なんでみんな固まってるの?」


 全員「(あんたのせいだよ!)」


 水葉「まぁいいや。今日は言いたいことがあってさ。」


 水葉が1泊置いて言う。


 水葉「これから君たちが戦う相手は今までの歴史上最も強く、恐ろしい相手だと思う。正直、勝てるかは分からない。それでも、みんなは戦うと言った。でも今のままじゃ勝てないのはわかってるよね?」


 その言葉を聞いて、皆は(うつむ)く。


 水葉「だから、私達四神と稽古しない?」


 全員「え?」


 水葉「さっきからみんなそれしか言わないじゃん!どうしちゃったの?あ!もしかしてみんなロボットとか?」


 源「い、いえ。そういう訳では無いのですが。」


 咲「....大丈夫なんですか。四神が生徒へ稽古をつけるなんて。」


 水葉「ん?別に大丈夫だよ。というか、上のやつらが勝手に隠してるだけで、本当は私たち名前も姿も別に隠してないよ?」


 雫「そうだったんですか。」


 水葉「どう?提案を受けてくれる?」


 湊「まぁ正直、受けない理由がないですよ。」


 誠一郎「ああ。願ったり叶ったりだ。」


 神宮寺「是非ともお願いしたいですね。」


 水葉「そう、それは良かった。じゃあ、1ヶ月後くらいにまた来るから。その時にやろうね。」


 そう言って水葉が帰ろうとした時、


 水葉「あ、そうだ。」


 思い出したかのように止まって、こう言った。


 水葉「多分今のみんなと稽古してもすぐ死んじゃうから、その間に強くなっといてね。」


 そう言い残し、水葉は去っていった。


 咲「......ねえ。」


 碧「うん...多分私達、とんでもないこと引き受けたよね。」


 雫「あばばばばばばば。」


 知鶴「ちょ、雫!?しっかり!」


 神宮寺「嘘を言う訳もないし、本当なのだろう。」


 穂乃香「あはは。笑えませんね。」


 誠一郎「俺ら寿命1ヶ月ってこと。」


 隼司「ま、まぁまぁ。」


 咲「(冬季、ごめん。帰ってくる前に死んでるかも。)」









 水葉「やっほ!」


 ?「ん?ああ水葉か。どうした?」


 水葉はある一人の男のところに向かっていた。


 水葉「いやぁ。今生徒の子達と会ってきたんだけどね、みんなすごいね。全員強くなれるよ。きっと。」


 ?「そうか。」


 水葉「1ヶ月後、皆と稽古するの。国から許可は貰ったからもし良かったらどう?」


 ?「行きたいのは山々だが、俺の立場的に大丈夫かどうか。」


 水葉「バレないようにすれば大丈夫だって。」


 ?「まぁ、気が向いたら行くよ。」


 水葉「OK、じゃあね。」


 そう言って水葉は歩き去っていった。


 ?「...皆、頑張れ。」








 その頃、とある組織にて


 べラス「そろそろ集合の時間だぞ?あいつら来るんだろうな。」


 次の瞬間、べラスの後ろからとてつもない速さの突きが飛ぶ。


 ?「おら!」


 ベラス「よっと。」


 べラスはその攻撃を躱し後ろを向く。


 べラス「全く、いつも不意打ちで攻撃してくるなよ。エドラ」


 エドラ「いやな。お前だけ運動不足でなまってないかと思ってな。」


 べラス「余計なお世話だ。」


 ?「やっほー2人とも、久しぶり。」


 ?「相変わらずむさ苦し奴らだ。」


 べラス「ローザ、セレス。久しぶりだな。」


 エドラ「おいセレス。むさ苦しいとはなんだよ」


 セレス「そのままの意味だ。」


 エドラ「喧嘩売ってんのか天狗風情が。」


 セレス「ふっ、切れやすいのは鬼のお前にはお似合いだな。」


 べラス「おいおい、ストップストップ。再会早々喧嘩かよ。」


 ローザ「そうだよ?主に怒られても知らないよー。」


 エドラ「ちぇ。」


 ?「よく来たな。四天王諸君。」


 その時、全員が膝をついた。


 ?「今、四神が動いたのを感じた。魔人七人衆に任せるつもりだったが、お前達にも動いて貰うことになるかもしれない。」


 べラス「承知しました。」


 セレス「お望みのままに。」


 ローザ「僕はいつでも行けるよ。」


 エドラ「俺もだ!早く暴れたいぜ。」


 ?「ふふふ、まぁそう慌てるな。そこでだ、べラス。あいつらをそろそろ動かして欲しい。」


 べラス「彼ら3人をですか?」


 ?「ああ。ハスラーが追い込まれたのを見るに、相手も簡単には行かない。使えるやつらは使いたいのだ。」


 べラス「承知しました。」


 ?「うむ。では、解散とする。」


 そう言って主は姿を消した。









 咲は家に帰り、とある物を見つめる。


 咲「いつ見てもすごい。」


 それは、冬季が預けた刀だ。咲はその刀を手に取りそっと抜いてみる。


 咲「おお、すごい綺麗だ。よっぽど丁寧に手入れしてたんだなぁ。」


 冬季は昔から物を大切に使っていた。だからか、その刀には刃こぼれ一つなかった。


 咲「冬季。私、不安なの。またみんなを危険な目に合わせるんじゃないかって。」


 答えが帰ってくるわけでもないのに、咲は刀に問いかけた。


「きっと大丈夫さ。」


 咲「!!」


 咲は咄嗟に後ろを振り返る。もちろんそこには誰もいない。ただ、冬季がそう言ったような気がしたのだ。


 咲「ふふ、ありがとう。」


 咲が感謝を述べた時、スマホが鳴る。


 咲「ん?神宮寺くんからか。」


 咲は刀を戻し、電話に出る。


 咲「はい、もしもし。どうしたの?」


 神宮寺「いや、お前の能力を見て思ったんだ。俺と随分似ていると。」


 咲「そうなの?」


 神宮寺「ああ。俺の能力は『龍化』。龍やドラゴンのような姿になれるんだ。」


 咲「へぇ。(確かに似ている。)」


 神宮寺「そこでだ、今度俺と対決しろ。」


 咲「.....え?」


 突然そんなことを言われて咲が思わず唖然とする。


 咲「いやいや、対決って。負ける気がするんですけど。」


 神宮寺「冬季が認めていたとはいえ、暴走している状態の強さはあまり参考にはならない。だから、お前の実力を見せて欲しい。」


 咲「わ、わかった。」


 神宮寺「じゃあ、よろしく頼む。日にちは追って伝える。」


 そうして電話は切れた。


 咲「.....(どうしよう。私、四神との稽古の前に死ぬのかも。)」


 相手は他でもないあの神宮寺である。暴走した誠一郎を一撃で気絶させたという話は咲にも入っている。さらに、Aクラスのトップということもあり、咲は少し絶望していた。


 咲「....あはは。終わったかも。」


 こうして、新しい絶望をいくつも叩きつけられた咲なのだった。

次回

神宮寺対咲

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