第22話 絶望の陥落
魔人たちと対決!
果たして運命は如何に!?
咲「(こいつ、ロキやヴリトラと同じ幹部なのか。だとすると、とんでもない実力だよね。)」
ハスター「さて、貴様らと遊ぶ気もない。手早く終わらせよう。」
そう言ってハスターがいきなり魔法による攻撃を仕掛ける。
冬季「はっ!」
知鶴「くらうわけないでしょ!」
しかし冬季がその攻撃を弾き、知鶴は防御魔法で防いでみせた。
知鶴「え?嘘...」
しかし、知鶴が驚愕する。なんと、その一発で知鶴の防御魔法にヒビが入ったのだ。
知鶴「(あいつ軽く放ってたのに。それが観月のパワーに匹敵するっていうの?)」
ハスター「ふん。魔法が使えると言ってもたかが知れてるようだな。」
そう言ってハスターが再び魔法を放とうとした時、
碧「流暢すぎるんじゃない?」
穂乃香「舐めすぎです。」
碧と穂乃香がハスターの後ろに迫っていた。
碧「くらえ!」
穂乃香「はぁ!」
2人が攻撃を仕掛けるが
ハスター「甘いな。」
ハスターは防御魔法を展開し、その攻撃を防いだ。
碧「嘘!?」
穂乃香「気づかれていましたか...」
その防御魔法はハスターの背中を守るように展開された。
知鶴「多分、そいつは私よりずっと格上の魔法使いね。高度な技術も持ってるだろうし、攻撃力も段違いよ。」
ハスター「それがわかってもなんの意味もない。」
そう言ってハスターが宙に浮いた。
冬季「はっ!空も飛べるのか?」
ハスター「冥土の土産として教えといてやろう。その小娘の言う通り、私は魔法が使える。その中でも風魔法が得意なのだ。」
冬季「ご丁寧にどうも。(舐めてるな。だがそこに隙が生まれるはずだ。)」
その時、冬季が構える。
冬季「咲、行けるか?」
咲「うん。やってみる。」
咲自身もあれから特訓を重ね、強くなっている。彼女の中でも、簡単にやられるわけにはいかないという思いがあるのだろう。
咲「あなたは逃がさない。ここで倒す!」
ハスター「ほう。(あの小娘、中に相当なやつがいるな。危険だ。)」
その瞬間、ハスターが咲に殺気を放つ。
咲「(なんか狙われてるような。)」
べラス「私に気づきましたかね?」
中にいるべラスがそうつぶやく。
咲「これはやばいかも。」
冬季「行くぞ!」
冬季がハスターに向かって突っ込んでいく。
咲「うん。目にもの見せてやる!」
それに続いて咲も突っ込む。
ハスター「何度やっても無意味だ!」
ハスターが咲達に風で生成された斬撃を放つ。
冬季「それじゃ俺は捉えられない!」
咲「おっと!危ないけどギリギリ躱せる。」
咲達はその攻撃を躱しながらハスターに近づく。
冬季「この間合いならやれる!」
咲「私の攻撃はシールドでも防げないよ!」
渾身のの攻撃がハスターに当たる。と思った、
ハスター「学ばないのかお前達は。」
ハスターは防御魔法を展開する。
冬季「んな事わかってるに決まってるだろ!」
咲「ちょっと舐めすぎじゃない?」
しかし、彼らもそんなことは想定していた。咲は手に纏わせていた血を操作して防御魔法の隙間を着くように血を鋭く尖らせて放った。
ハスター「ほう。(こやつ血を操れるのか。)」
しかし、ハスターは風魔法でその血を弾いた。
冬季「よそ見すんなよ?防御魔法が100%安全な訳じゃないぞ。」
その時、冬季が防御魔法へとてつもない速さで斬撃を飛ばす。
ハスター「何だと?」
その時、ハスターの防御魔法にヒビがはいる。
ハスター「だが、そんな時間を与える訳ないだろ。」
ハスターは冬季へ攻撃を仕掛けるが
咲「私もいるよ!」
咲が爪での攻撃を仕掛ける。
ハスター「別に防御魔法は複数個出せるぞ?」
そう言ってハスターが防御魔法を展開した。
咲「まじ!?」
ハスター「周りにあの程度の魔法使いしかいないのならそんな思い込みをするのかもな。」
冬季「思い込みか。それはお前もあるんじゃないか?」
冬季がそう言ってハスターの防御魔法を破壊した。
ハスター「馬鹿だな。また展開するだけだ。」
ハスターはそう言って再び防御魔法を展開した。だが、
冬季「思い込みこみをしてるのはお前だ!」
その瞬間、冬季が防御魔法を一撃で破壊した。
ハスター「何!?(こいつ、猫を被ってたか。)」
冬季「もう展開したところで遅い!」
冬季はそのままハスターへ斬りかかる。
ハスター「ぐっ!」
ハスターはその攻撃を躱しきれず、少し斬られる。
冬季「畳み掛けろ!」
その合図と共に、みんなが一斉に攻撃を仕掛けた。
咲「このタイミングはいった!」
碧「くらっときな!」
穂乃香「貰いました!」
知鶴「私も魔法使い。舐めるな!」
ハスター「調子に乗るな!」
その時、ハスターが自身を覆うように風魔法を放った。
咲「ぐわぁ!」
碧「がぁ!」
穂乃香「ぐっ!」
近くに居た三人が激しく吹き飛ぶ。
ハスター「これで終いだ。」
そう言ってハスターが咲へ風の斬撃を放った。
咲「(まずい!)」
咲はシールドを展開するが、簡単に砕かれた。
咲「やばっ」
その斬撃は完全に咲を捉えた。
その頃、ロキと戦闘中の隼司達
隼司「じゃあ行くぞ。2人とも。」
観月「承知。」
椎名「OK。」
その瞬間、3人が一斉にロキへ突っ込む。
ロキ「さあ、かかってきな!」
隼司「その余裕そうな顔を変えてやるよ!」
まず真正面から隼司が激突する。
ロキ「おお、まあまあ速いね。やるじゃん。」
隼司「その余裕、どこまで持つかな!(しかしなんだこいつ。強化魔法もかかってるのに攻撃がまるで当たらない。)」
源「俺もいるぞ!ロキ!」
その時、源先生が炎の玉を飛ばす。
ロキ「鬱陶しいなぁ!」
しかし、ロキはそれを打ち消してしまう。
観月「我らへの注意を切るのならそこには死あるのみ。」
ロキの真横には既に観月が攻撃を仕掛けていた。
ロキ「そんなの見えてるよ。」
しかし、ロキは自身の武器でそれを受け止める。
観月「愚かな。」
ロキ「おっと!?(押し込まれる?)」
しかし、観月の力が勝りロキが押される。
ロキ「へぇ!やるねぇ。」
椎名「前だけ向いてたらやられるよ?」
その時、椎名が背後に迫っていた。
ロキ「(いつの間に?ちょっとやばいかも。)」
観月「我から意識をそらしたな。」
その瞬間、観月が一気に押し込む。
観月「はぁぁぁ!」
ロキ「おっと!」
押し負けると踏んだロキはその攻撃を躱す。だが、
椎名「隙ありだね!」
ロキ「まぁそうなるかぁ!」
既に椎名がロキの懐にいた。
椎名「一発目貰い!」
ロキ「ちぃ!」
ロキはその攻撃を躱せず、胸を斬られた。
ロキ「凄いね。まさか攻撃を受けるとは。」
隼司「流石にお前が強くても、4対1はきついだろ?」
観月「数の差とはあまりにも非情。」
椎名「参ったするなら殺さないよ?」
ロキ「(武器だけじゃ押し負けるか。)いいよ。君たちを認めて能力を使ってあげる。」
ロキはそういうと凄まじいオーラと魔力を放った。
椎名「くっ!(何この魔力。異質というか不気味というか。)」
観月「なんと(現状は我々が有利なはずなのだが、何だこの不安な思いは。)」
隼司「ははっ!これはやばいかも。」
源「気をつけろ!ここからがやつの本領だ!」
ロキ「行くよ!?パラダイスボンバー!(パチン)」
ロキが指を鳴らすと3人の足元が爆発した。
椎名「うぉ!」
観月「ぬぅ!」
隼司「おっと!」
3人は何とか躱すがロキは既に迫っていた。
ロキ「まず君から。」
観月「何!?」
ロキは観月へ蹴りを放った。
観月「ぐはぁ!」
ロキ「次は...」
そういうと、ロキは後ろに来ていた椎名に攻撃を仕掛ける。
ロキ「君だ!」
椎名「まじ!?」
椎名はそれに対応出来ず、パンチを貰ってしまう。
椎名「かはぁ!」
源「ロキ!俺が相手だ!」
ロキ「うるさい。(パチン)」
そう言ってロキは再び指を鳴らし、先生の足元を爆発させた。
源「ぐぅぅ!」
隼司「くっ!(まずいな。このままじゃ)」
ロキ「最後に、君だ....ん?」
隼司「!?」
その時、ロキも隼司も違和感を覚えた。
それは突然だった。今になって初めて出てきた、凄まじいオーラ。
ロキ「(オーラを感じる方向からして、学校からか?でも、ここまで届くなんて。)」
隼司「な、なんだよこのオーラ。(離れていても分かる。これはやばい!)」
そのオーラの発生主は学校にいた。
咲に斬撃が当たった!かと思われた。
冬季「ぐ、がはぁ!」
咲「冬季!」
なんと冬季が咲を庇ってその斬撃を受けてしまっていた。
咲「嘘!冬季!しっかり!」
冬季「ぐっ、がっ、(ちっ!思ったより深いな。これはやばいな。)」
その時、ハスターへ向かって影が飛んでくる。
ハスター「ちっ!また援軍か。」
湊「みんな、遅れてごめん!って冬季!」
雫「冬季さん!しっかり!」
咲「雫ちゃん!今すぐ冬季の治療を!」
雫「はい!」
湊「てめぇ!!」
湊はハスターへ怒りのままに影で攻撃を仕掛ける。
ハスター「なかなかの手数だが、私には通じない。」
咲「冬季!しっかり!」
冬季「ははっ。これはまずいなぁ。」
雫「(なんで?私の回復が全然効かない。)」
ハスター「いくら回復させようとしても無駄だ。私の風の斬撃は1度くらえばその部分から少しづつ崩壊していく。」
雫「そんな。」
それはあまりに絶望的なことだった。冬季が助からないと知り、咲達の顔が絶望に染まる。
冬季「さ、咲。」
その時、冬季が咲に話しかけた。
冬季「大丈夫だ。俺は死なない。仮に今消えたとしても絶対に戻ってくる。安心しろ。」
そう言った冬季の体が砕け始める。
咲「冬季!」
咲は冬季へ手をのばすが、その瞬間、冬季の体はまるで砕けた氷のように消えていった。
咲「.......」
雫「冬季さん。」
碧「嘘...」
穂乃香「......」
知鶴「なんてこと...」
全員がその光景を目の当たりにした。そんな受け入れ難い現実を。
ハスター「次は貴様らだ!」
湊「しまった!」
ハスターが咲へ斬撃を飛ばした。
咲「............」
殺す。
ハスター「何!?」
その斬撃は打ち消された。その瞬間、辺りをとんでもないオーラが包む。
湊「!?」
ハスター「(なんだ、こいつ。急に雰囲気が。)」
雫「ぐっ!咲さん?」
碧「うっ!(何よこれ。)」
知鶴「(こんなオーラ。一体どこから。)」
穂乃香「(何が起こったのです。)」
許さない。絶対許さない。そんな怒りと悲しみが混じった感情が咲の心を包む。
咲「.....」
咲はゆっくりの振り向き、ハスターを見る。
咲「ぶっ殺す!」
その瞬間、咲を大量の血が包んだ。
ベルザ「こ、これは。」
周りの血を弾き飛ばし、彼女が現れる。羽もはえ、髪も伸び、爪も鋭く、牙も生えた。その姿は正しく吸血鬼。
ハスター「(何が起こった。一瞬でここまで...)」
咲「.....(こいつだけはダメだ。生かしちゃおけない絶対にここで潰す!)」
消えてしまった冬季。
怒りのままに咲が暴れる!
?「流石にまずいですね。」




