表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/73

第14話 吸血鬼化

第1章最終話です!

そして、新たな物語が始まる?

私は気がつくと、私の心の中にいた。


「しかし、驚きました。まさか羽を生やすとは。」


「私にも何が何だか。どうなってるの?」


「恐らく、あなたが強い自分でありたいと思ったからでしょう。能力者自身に何があっても譲れないほど強い信念があると、体は能力の全てを出そうとします。ですか、まだ経験値不足なのか、羽を生やすところで止まってしまったといった感じです。」


「そんなことが有り得るの?」


「分かりません。私の憶測の域を出ないので。」


「そっか。」


きっと、私がもう一度羽を生やそうとしても、簡単には出来ないだろう。


「現状は、能力の半分を出したと言った所でしょうか。名付けて、半吸血鬼化ですね。」


「まんまじゃん!」


分かりやすいが、いいのか?それで


「おっと、そろそろ意識が戻る頃合ですね。」


「え?」


その瞬間、私はまた何かに引き込まれるように視界が暗くなった。






「う、うーん。」


目が覚めると私は病院のベットにいた。


「お、目が覚めたか?」


隣では冬季が付き添ってくれていた。


「碧は、他のみんなは?」


「私はここよ」


横を見ると同じくベットに横たわっていた碧がいた。


「碧は憑依による負担が溜まりに溜まって倒れたんだ。身体に問題は無い。お前はシンプルに傷が多いからな。特に、そのロキにつけられた傷とか深くて、危ない時もあったんだぞ?」


「そうだったんだ。あ、先生は?」


「先生も同じようなもんだよ。ただ、雫ちゃんの回復があったとはいえ、傷は深く、多い。少しの間は入院だろうな。」


「そう。」


コンコン。


その時、病室をノックする音が聞こえた。


「はーい。」


冬季が扉を開けると、そこには松葉杖を使って来た先生がいた。


「お前ら、大丈夫か?」


「それは先生の方ですよ。」


碧が心配そうな目で先生を見る。


「俺は心配いらんさ。しかし、ここまでやられるとは思ってなかったがな。」


「まぁそう落ち込まないでください。」


冬季が先生を慰める。


「ところで、結局あいつらなんだったんですか?」


「それがなにも掴めてないんだ。知ってるのはロキとヴリトラという名前と、ある組織の幹部ということだけ。それも、本人達が言った情報だから嘘かほんとかもわからん。」


「そういえばあいつら自分達は魔人だって言ってました。」


「魔人だと?なのにあの強さ...より危険度がましたな。」


「どういうことです?」


「俺のバトラーとしてのランクはAだ。これは普通の魔人ならタイマンで倒せるレベルなんだ。だが、俺はあいつと戦いわかった。悔しいが、何をしても勝てそうにない。」


「恐らく、あいつらは魔人の中でも最上種なのでしょうね。僕も、ロキには終始遊ばれていた気がします。能力も未知数ですし、本気だったらどうなってたか。」


実際に戦ったこの二人がここまで言うなんて。


「(...今のままじゃ駄目だ。早く吸血鬼化を使いこなさないと。)」


「咲さん、碧さーん!」


「思ったより元気そうね。」


「お邪魔します。」


そんな会話をしてたら、3人がお見舞いに来てくれた。


「よかったです。どうなるかと思いました。」


「心配かけたみたいでごめん。にしても、知鶴さんまで来るとは思わなかったな。」


「あんなことがあったら心配にもなるわよ。それにあなたの怪我には私との戦闘でできたものもあるし。」


案外、優しい人なんだな。


「....この前のあなた達を見下した発言、撤回するわ。あなた達は強かったわよ。」


知鶴さんは申し訳なさそうでどこか悔しそうにそう言った。


「でも、次は負けないわ。覚悟しておきなさい!」


「望むところだよ!」


「次はそのスピードに追いついて見せるよ!」


「私も、次は一撃で仕留めます。」


「いいなぁ。僕もやりたい。エキシビションで誰か俺とやらない?」


「それは無理。」


私と知鶴さんが食い気味にツッコミを入れる。


「そんなー。なら、先生とやりましょう。」


「おい!俺にも拒否権があると思うぞ!?」


「あははははは!」


こうして、私たちにまた新しい友達が出来たのでした。












その一方で、ロキとヴリトラはアジトへ戻り、廊下を歩いていた。


「はぁ、もっと遊びたかったなぁ。」


「仕方なかろう。だが、あのままやり合ってれば、どうなってたかわからんぞ?」


「バカ言わないでよ。俺らが勝ってたに決まってんじゃん。」


「あらあら、相変わらず仲がいいのね。」


そんな会話をしている時、誰かが横から声をかけた。


「カーリー、いたのか。」


「ええ。にしても、ヴリトラその胸の傷。誰かにやられたの?」


「ああ、少々面白いやつがいてな。」


「ほら!ヴリトラだって楽しんでんじゃん!」


「ほんの一瞬だ。すぐに消えた。」


「ちぇー。」


「ほら、あの方が待ってるわよ。他のみんなも来てるから、終わったら来てね。」


「ああ、わかった。」


そこから少し歩き、大きな扉の部屋の前で止まった。


「相変わらず、すごい覇気。ドア越しでも感じるよ。」


「あぁ、凄まじいな。」


ヴリトラがドアを開ける。


「戻ったか、ヴリトラ。ロキ。」


「はい、ただいま戻りました。」


「ただいまです!大将。」


「ふふふ、ロキ。お前は相変わらず元気だな。で、どうだった?」


「Bクラス以下や、教員連中は全く問題ありません。ただ、Aクラスの奴らは少し厄介かと。この傷も、奴らからつけられました。」


「俺も、意外と強い剣士と会ったよ。」


「ほう、お前らがそこまで言うとは。今年の奴らは優秀なようだな。」


「どう致しましょうか。」


「とりあえず、お前達はしばらく休んで良い。ああそうだ。この後他の"魔人7人衆"の奴らも誘って、温泉にでも行くといい。」


「やったー!ありがとうございます!」


「寛大なお言葉、感謝します。」


「何、構わんさ。そうだ。戻るついでに"べラス"を呼んできてくれ。」

ヴリトラ「かしこまりました。では、失礼します。」


「失礼しまーす。」


「しかし、あの二人があそこまで言うとは。中々面白いじゃないか。こちらも戦力を増強しないとな。」


「お呼びでしょうか。我が主。」


その時、べラスと呼ばれる者が部屋に入ってきた。


「おお来たか。つい先程、ロキとヴリトラから報告を受けた。どうやら今年は豊作のようだ。」


「それはそれは、楽しみ甲斐がありそうです。」


「そうだろう?だが、あの忌まわしき奴らか動くことも考えられる。引き抜ける奴らは引き抜いておきたいのだ。頼めるか?」


「お望みのままに。」


「では、よろしく頼む。ふふふ。これからもっと盛り上がるだろうな。楽しみだ...」









あれから数週間がたった。私の傷はだいぶ良くなり、そろそろ退院出来そうだ。


「なんか、回復するのが早くなったような。」


「吸血鬼化の影響でしょう。吸血鬼は再生能力が高いのです。」


「へぇ。羨ましいなぁ。」


「やっほー咲!」


その時、碧が病室に入ってきた。碧は何日か前に既に退院していた。


「だいぶ元気そうね。」


「うん、意外と治るのが早くてね。」


「よかった。間に合わないんじゃないかと思ってヒヤヒヤしたよ。」


「ん?何かあるの?」


提出物でもあったのだろうか。


「あーそっか。咲は知らなかったね。そろそろ始まるんだよ。各学年でのバトルロワイヤルが!」

次回から第2章です!

新キャラ、新能力盛りだくさん!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
第一章まで読ませて頂きました。 主人公の咲はとても親しみやすく、自然と感情移入することができました。 登場人物同士の掛け合いもテンポ良く進み、読んでいて楽しかったです。 咲の能力や強敵の存在と続きが気…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ