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第11話 変わる者

第11話に突入!

ロキとヴリトラへ先生が挑む!

ロキとヴリトラと名乗る2人は明らかに只者では無い。大丈夫かと不安になっていた。だが、


「安心しろ。お前らに攻撃が当たることはない。」


そう言って先生はゆっくりと剣を構えた。


「ねえヴリトラ。俺が遊んでもいい?」


「好きにしろ。だがあまり長引かせるなよ。」


「わかってるって」


そう言ってロキが前に出る。


「2人同時に来ないのか?随分優しいな。」


「だって、楽しみは独り占めしたいじゃん?それに、すぐに終わるのも嫌だしね。」


「はっ、あまり舐めるなよ。これでもAランクのバトラーなんでな。」


「そっか、なら...」


そういうとロキはどこからか現れた亜空間から杖とも剣ともとれる何かを取り出し、


「簡単に壊れちゃダメだよ?」

そう言ってロキは先生へ襲いかかった。


「ぐっ」


先生は(すんで)のところでロキの攻撃を受け止めた。


「こっちからも行くぞ!」


先生はそう言ってロキへ攻撃を仕掛ける。流石Aランクバトラーと言われるだけはある。その斬撃の一つ一つが鋭く、速く、精密だ。でも、


「ほらほらー、もっと頑張んないと生徒が死んじゃうよー?」


ロキはまるで遊んでるかのようにその攻撃を躱し続けていた。


「もしかしてもう終わり?残念だなぁ。少しは期待したのに。」


そう言ってロキが先生へカウンターをとばす。


「ぐっ!」


「じゃ、さよなら。」


ロキはもう飽きたかのように先生へトドメをさそうとした。だが、


「かかったな。」


そう先生が呟いた瞬間、ロキの足元から炎の柱が出てきた。


「おっと。」


ロキは少し驚きつつも、その攻撃を躱していた。


「へぇ。まだ終わりじゃなかったんだ。いいね!面白い!」


「はっ!その余裕いつまで持つかな。」


と言っているが、先生は内心焦っていた。


「(まずいな。さっきまで魔力を探知されないために身体強化魔法を使わなかったが、これは使っても勝てんな。加えてこいつ、さっきの不意打ちも余裕で躱しやがった。)」


先生は気づいていた。自分ではこのロキには手も足も出ないことに。


「(なら、取るべき手段はひとつ!)」


先生は、一呼吸置いてから、


「残念だが俺も時間が無い。次で終わりにしようか。」


「随分だね。まだ勝てると思ってるんだ?」


「行くぞ!」


そう言って先生はまたロキに切りかかる。さっきよりもキレがあり重さも増した。でも、ロキはそれをも躱す。


「剣はもういいよ。飽きたから。」


そう言ってロキは先生の斬撃の中でカウンターを出し続けた。


「ぐっ!がっ!(この斬撃の中で、化け物め。だが、これでいい!)」


「これで今度こそ終わりね。」


ロキの攻撃が首へと向かう、その時、


「はあ!」


先生は自身とロキの足元の間を爆発させた。


「捨て身かぁ!いいねぇ!」


「ぐぁぁ!」


爆発の煙が舞う中、先生は激しく転がりながら私達に近寄り、


「撤退する!全員!体を無理にでも動かして出口へ走れ!」


そう言われ私達は急いで出口へ向かった。


「あらら、走ってっちゃったよ。」


「だから遊びすぎるなと言っただろ。」


「まあでも追いつけるしいいじゃん?あ、そうだ。大将に渡されてた"これ"を試そうよ。」


そう言ってロキはカプセルのようなものを取り出し、その中身を辺りにばらまいた。すると、ばらまかれた地面からゾンビが次々とでてきた。


「行きな、ゾンビ軍団。あいつらを殺して。」


その言葉を聞いたゾンビ達が一斉にこちらに向かって走ってくる。


「何あれ!」


「あんなのまで隠し持ってたなんて。」


「知鶴様、お怪我は?」


「そんなの大丈夫よ。それより、

あなたも逃げることに集中しなさい。」


ゾンビ軍団は迫ってくるが、その後ろからロキとヴリトラも迫ってくる。


「逃げらないよー。君達全員ここで殺しちゃうから。」


「もう諦めろ、貴様ら全員ここで死ぬのだ。」


「くっ(このままじゃ追いつかれる。せめて、生徒たちを守らなくては。)ロキ!ヴリトラ!お前らの相手は俺だ!」


そういうと先生は急に方向を変えロキとヴリトラへと迫った。


「ふん。愚かな!」


そういうとヴリトラはロキと同じく、亜空間から槍のようなものを取り出した。


「喰らうといい!」


「はぁぁ!」


先生はその攻撃を躱す。


「逆にこれを貰っとけ!」


そういうと先生は複数の魔力弾をヴリトラへと放った。


「ふん、こんなもの効かんわ!」


ヴリトラはそれを回避も防御もせず堂々と受け止めた。


「俺もいるよー。」


先生の横にロキが迫る。


「そんなのわかってるよ。」


先生はそういうと、地面を隆起させロキの進行を防いだ。だが、


「こんなんじゃ俺は止まらないなぁ!」


ロキはその地面を貫きそのまま先生へ攻撃を仕掛ける。


「ぐっ!」


先生は何とか受け止めるも、既にボロボロの状態なため反撃する程の力はなかった。


「知鶴!無理やりでもなんでもいい!転移魔法で全員外へ飛ばせ!」


先生は私達の方を振り返りそう叫んだ。


「は、はい!」


ここから出口までは距離がある。転移魔法で逃げれば何とかなるだろう。


「転移させます!」


その瞬間、私達の足元に魔法陣が敷かれ次々と転移されていく。だが、あともう少しという時に、


「流石に全員この場から逃がすわけないよね。ちょっとイタズラしちゃお!」


そう言ってロキは謎の魔法を放った。その魔法に攻撃性はないが、私たちの足元の魔法陣が変色した。


「これは一体...」


その瞬間、私達は転移した。






私は雫。先程まで、クラス対抗戦をしていたのだが、突然、乱入者が出てきて転移魔法で逃げることになった。


「あれ?ここは?」


気がつくと、あたりは岩だらけ。どうやら山脈エリアに来てしまったらしい。


「いたたた、どこよここ。」


隣から声が聞こえ見ると知鶴ちゃんがいた。


「知鶴ちゃん!大丈夫?すぐに回復させるから。」


「え、ええ。ありがとう。」


見たところかなりボロボロだ。当然だ、あんな激しい戦闘してたんだから。


「知鶴ちゃん。さっきの魔法陣、最後変な色してたよね。」


「ええ、そうね。多分あのロキってやつにやられたのかも。」


「他のみんなはどこなんだろう。」


「多分、それぞれ違う場所に飛ばされてるわね。しかし、どうしたら...」

そう考えていると、背後から何か聞こえた。


「ゔぉぉぉぉ...」


「ゾンビ軍団!?なんで!」


「ロキが私たちと一緒に飛ばしたのね。くっ、魔力が...」


知鶴ちゃんはさっきの戦闘と転移魔法でもうほとんど魔力を使い切ってしまった。


「とりあえず逃げよう!」


私達は山を降りるようにしてその場から逃げた。


「くっ。速い。」


なんでゾンビのくせにこんなに速いの。


「くっ、あっ!」


その時、知鶴ちゃんが足を踏み外し転んでしまった。


「知鶴ちゃん!」


私は急いで彼女を抱え、再び走り出す。


「はぁはぁ...」


普段前線で戦わない私はみんなより体力が少ない。そのため、もう息が上がってしまった。


「げ、限界だ。」


山を降りた頃には私はもう疲れ果てていた。


「だ、大丈夫?雫ちゃん!」


「はぁはぁはぁ。」


雫ちゃん....知鶴ちゃんが私をまたそう呼んでくれるなんて。


「うがぁぁぁ」


ゾンビ達が背後から迫ってくる。もう追いついたのか。


「このままじゃ!(魔力さえ残ってれば!)」


「(どうしよう。このままじゃやられちゃう。何とか守らなきゃ。知鶴ちゃんを何とか...)」



『防ぐだけじゃ勝てないよ。』



「(...そっか。やっぱりそうなんだね。うん、わかったよ。)」


私はゆっくり体を起こし立ち上がる。


「雫ちゃん!?早く逃げないと!」


「安心して知鶴ちゃん。私が守るから。」


「でも、あなたの能力じゃあいつらを倒せない!」


そう、私もそう思っていた。あの人に言われるまでは....





ある日、私は冬季さんに呼ばれて屋上にいた。


「雫ちゃんさぁ。自分の能力は守ることしかできないって思ってるでしょ?」


「うん。だって私はシールドの展開と回復しかできないし。」


「そこで終わるのはもったいないよ。」


「え?」


「その能力は使い方によっては相手を簡単に倒せる可能性がある。もちろんメインは回復とかだろうけど上手く使えれば優れた攻撃手段となる。あとは、雫ちゃんが覚悟を決めるだけだね。」


「覚悟?」


「雫ちゃん。自分が相手を倒すのに強い抵抗を感じてるね?その能力の影響かはわからないけど。」


「う、うん。今まで防いで守ることしかしてこなかったから。」


「確かに防ぐことは大事だ。でもね、防いでるだけで勝てるほど勝負は甘くないよ。」


「!!」


「覚悟を持ちな、そうすれば今まで守れると思ってなかった人も守れるようになる。」






「(ありがとう。冬季さん。)」


私はゾンビ達へ向かってシールドを発生させる。


「サラウンズシールド!」


そのシールドはゾンビ達を囲うように展開された。


「なにこれ?こんなの見た事ない。」


「(知鶴ちゃん見ててね。これが今の私!)クラッシュ!」


私は展開されたシールドを圧縮して、ゾンビ達を押し潰す。


「ぐぎゃあああ!」


ゾンビ達は瞬く間に消滅した。


「はぁはぁ。無事?知鶴ちゃん。」


「え、ええ。あなた、いつの間にあんなことが。」


「ま、まぁね。ちょっとある人から助言を貰って。でも、流石にもう無理。」


私はその場に倒れ込む。どうやら体力が限界のようだ。


「大丈夫?しっかり!」


「大丈夫だよ、ちょっと疲れちゃった。」


「全く、無理するからよ。」


そういうと知鶴ちゃんは私をおんぶしてくれた。


「このまま出口に向かうわ。あなたは休んでなさい。」


「そんな、知鶴ちゃんも疲れてるでしょ?」


「あなたよりはマシよ。あと....ありがとう、助かったわ。それと...今までごめんなさい。」


「...えへへ。」


昔の知鶴ちゃんに戻ったようだ。私は知鶴ちゃんにおぶられながら出口へと向かった。

次回!

予想外の出来事が起こる!

?「許さねぇぞ」

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