ある日の行動
フィクションです。
今日はまだ朝だというのに呆れるほどの暑さにため息をついた。頭に不快感を感じる。踏切が開くのを待っていると向こうから走ってくる小学生に目が行く。このまま真っすぐで大学がある。そう思うだけで救われる。授業はさして面白くないが、何といっても涼しい教室がある。道中、T字路を通った時に歩道橋の階段の陰に寝転がっている小柄な髪の長い男を見た。そうだ今日は生物学がある日だ、どうして4階なんかでやるんだと舌打ちをしながら早足で教室のある建物に入っていった。
「生物の個体数の中で特に注目することは領域内のメスの個体数です、これはどの生物にも言えます」
教授はメスの割合や個体数の増減のグラフを指して言った。そんなもんかい。ふと窓から見える十字路に目を落とす、歩道や横断歩道で人々が点々と思い思いの方向に進んでいる。今日はこの授業だけだ、そう思うと気分がいい。チャイムが鳴って授業が終わり、いの一番に教室をでて食堂に向かった。時計を見て急ぎ足になる、早くしなくては長蛇の列に並ぶことになる。そのままそのとうりになってしまった。
「皆さん急いで来すぎだよ」
小声でぼやいて、回れ右をして数時間前に通った道を反対に帰った。20分やそこらしか家までかからないのに、遠い遠いと心が訴えてくる、わざわざ家賃の高い近いところしてもらったんだ、罰当たりな奴め。そんなことをつらつらと考えていたら家に着いた。何度も通っていると景色を気にも留めなくなるとはよく言ったもんだ。
ふと気づくと外が真っ暗になっていた、しまった涼さで寝てしまった。窓をのぞくと自分の部屋の明かりが向かいの建物にまで伸びている。カーテンを閉めて、夕飯のために外に出た。大学までの道のりをまた通っていく、本日3度目だ。湿った布が体に張り付くような不快感に耐えてT字路まで来たところで、ふと いつもと違うコンビニに行こうと思い立った。いつもなら真っすぐ行くが、歩道橋の階段を上りだした。
「こうはなりたくねーよな」
その時向こうから来た男女が手をつなぎながら僕の足元を見て嘲笑気味に言った。彼らは家に帰ったら何をするのだろうか。コンビニの帰りに僕は階段の下で寝ている彼の横におにぎりをそっと置いて行った。
僕はあのホームレスの味方じゃない、そう思ってもどうしようもない、やってしまったという高揚感と不安が首筋を走った。そもそも男かどうかも分からないじゃないか。その時自分のために買ったご飯をあげたことに気づいた。あいつめ
下手ですがご容赦ください。