17 友達に裏切られた仕返しに(現代風日本?)
現代日本ではないかもしれません。
目の前に一万円を突きつけられていた。
「なにこれ?」
「春菜は一万円で売りやってるんだろう?その代金」
「紘汰あんた馬鹿なの?誰が売りやってるって?」
「やってないの?」
「やってるわけないでしょ!!」
「京子と桜子が春菜が売りやってるって言ってるぞ。なぁ?」
私と一緒に弁当を食べようと一緒に屋上にいた京子と桜子が真っ青になってブルブルと首を横に降っていた。
「どういうつもりなの?」
京子と桜子に尋ねるが腰を浮かして逃げ出す体勢だ。
「紘汰!!どういうことか説明して!!」
「説明も何も春菜は売りやるような子だから相手にしたら駄目だよって俺に言ってきたんだ」
京子と桜子が紘汰をいいなと思っていることは知っていた。
「紘汰はその話を信じたの?」
「別に。春菜がそんな事する度胸があるわけないじゃん」
「だったらなんで一万円私の目の前に突き出してんのよ!!」
「京子と桜子の罪状を詳らかにしやすいだろう?」
「紘汰、詳らかの意味解ってんの?」
「本で読んだから知ってるよ!」
「へぇ〜・・・いつの間にか知恵つけてんのね」
「いつまでもガキの頃の俺だと思ってんなよ!!」
「でも紘汰は紘汰だしね・・・」
「それより京子と桜子は放っといていいのか?」
「あーーうん。どうでもいいわ。紘汰以外にも言ってるならちょっと問題だけど、・・・」
「クラスの半数以上が聞いてたぜ」
「マジか?」
「大マジ」
私はその噂の回収方法を必死で考えた。
授業が終わってホームルームの時間に私は先生に向かって手を上げた。
「坂下、なんだ?」
「すいません。ちょっと噂の訂正をしたくて」
「噂?なんだ?」
私は立ち上がりクラスの全員を見渡す。
紘汰がニヤニヤしていて腹が立つ。
「京子と桜子が紘汰のことが好きらしくて、」
ざわりと教室内がざわめいて京子と桜子は下を向いて小さくなっている。
「おいおい、そんなことをホームルームでぶちまけるなよ」
「いえいえ。ここからが大事なところなんですよ。ちょっと聞いていてくださいよ」
「収集つけられるんだろうな?」
「解りませんが、私の不名誉な噂の撤収はしないと学園生活しにくくなるので」
担任は少し考える素振りを見せて「既に言っちゃってるんだからもういいか?」とボソボソ言って私に先を促した。
「私と紘汰は単なる姉弟に近いと当人同士は思っている幼馴染なんですが、京子と桜子が紘汰を好きらしくて、私を紘汰に近づけたくなかったみたいなんですよ。それで、紘汰に私が売りやってるってクラスの大半が聞いているところで言ったらしいんです。そんな噂が学校中に広まったら・・・学校に来れなくなっちゃうじゃないですか?」
「いや、坂下なら平気そうだけどな」
「先生、流石の私にもダメージありますよ!!卒業してもほら、坂下さんいたじゃない?坂下?ほら、あの売りやってた・・・なんて言われ続けるんですよ」
「ダメージは高田と高根のほうが大きい気がするぞ・・・」
「でも・・・私が売りやってるって他のクラスの人に既に言ってる人もいると思うんですよ」
何人かが私から視線をそらす。
「他の人に言ったならちゃんと回収しておいてね。川田、新名、藤野、横井・・・あと中居もか?」
名前を呼ばれた四人はビクッと体を震わせて小さく頷いた。
「先生もちゃんと私の噂はデマだって言ってくださいよ。私学年主任に呼び出されるなんてごめんですからね。呼び出された日には教育委員会に電話かけちゃうかもしれません。担任が・・・って」
「わ、解った。解った」
「あ、それから紘汰!腹立つから私と付き合え!!」
「了解」
「私から言いたいことは以上です。京子、桜子。二度と話しかけんな!」
ホームルームが終わって私は京子と桜子の目の前で紘汰と手を繋いで下校した。
六年後、なぜだか紘汰と結婚することになった。
両親達が大喜びしたのでまぁいいか。
甘酸っぱいものがまったくないまま離した終わってしまいました。