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邪悪ヤンデレ厄災系ペットオメガスライム  作者: maricaみかん
3章 頂へと歩むオーバースカイ

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51話 新たな力

 ぼくはミアさんに貰った力がどういうものか検証するために、闘技場のような場所をサーシャさんに借りていた。ミアさんは猫型モンスターだったから、恐らく身体能力を強化する能力だと思う。

 ただ、どれだけ強くなるのかなどが全く分からなかったので、念のために人を遠ざけてもらっていた。

 最悪壊してもいい場所を用意して欲しいとサーシャさんに要求したところ、この闘技場を借りることになった。


 まずは、アクアと契約した時と同じように、契約の証を強く意識してみる。すると、全身に何かが流れ込んだような感覚があった。

 恐らく、これが身体能力を強化してくれるのだろう。

 まずは、試しに走ってみることにする。想像していたものの何倍も力が強く、思いきり壁に突っ込んでしまった。

 慌ててアクア水で防御したから何ともなかったものの、これはアクア水で加速していた時よりもすごい。


 いきなり全力は絶対無理だとわかったので、まずは、力を限界まで弱めてから使ってみる。

 それでも制御には苦労したが、走ることだけはなんとかできた。これを戦闘に組み込むことには、相当な努力が必要そうだ。


 それからしばらくの間、一番弱い状態で能力を使い続けていると、基本的な動きはこなせるようになっていた。

 ただ、まだ最弱状態だとしても、実戦で使うことはやめておいた方が良いだろうと感じていた。

 このままでは、体を操ることに神経を注がなくてはならず、ぼくの最大の強みであるアクア水にまで気が回らないだろうと感じていた。


 それでも、この能力は本当に強力だということは既に感じていた。

 これなら、きっと王都で戦ったオリアスの能力より数段強いだろう。アクア水を移動に使わなくても、十分な身体能力は間違いなく発揮できる。

 つまり、アクア水を他のところに使えるようになるということだ。

 それに、体の頑丈さも上がっている感覚があったので、アクア水を移動に使うとすれば、これまでよりはるかに早く移動することも可能かもしれない。


 アリシアさんのスピードを超えられるほどの可能性を、ぼくはこの能力に感じていた。

 単に速さで勝っただけでアリシアさんに勝てるとは思わないけど、アリシアさんに追いつき追い越すという目標が、手を伸ばせば届く距離にあるのではないかと初めて感じていた。


 ミアさんが死んでしまったことは本当に残念だったけど、ぼくはこの力をくれたミアさんにとても感謝していた。

 ミアさんはぼくにミアさんの事を忘れないでと言っていたけど、この能力がある限り、ミアさんの事を忘れることはないだろう。

 でも、できれば、ミアさんが新しい契約者を見つけるなり、ぼくたちのパーティに加わるなり、どうにか新しい幸せを見つけてほしかった。


 過ぎたこととはいえ、どうにかする手段はなかったのかと考えてしまう。仲間に迷惑をかけずにミアさんを助ける手段はなかったと言われたら、きっと納得すると思う。

 それくらい、どうすればよかったのかは分からなかった。

 だけど、ミアさんとは、他の退治してきた人型モンスターとは違って、分かりあうことができたのではないかと思えて、つい、ミアさんの事を考えてしまっていた。

 ミアさんが、もっといい契約者と契約できていれば、他の未来もあったのだろうな。本当に、あの契約者は最低だった。ああはなりたくない。

 ぼくは絶対、アクアとノーラの事を雑には扱わないと誓っていた。


 それからずっとミアさんの能力を試していたが、その日は、最低限に抑えた力を何とか制御できただけだった。

 ぼくはサーシャさんと相談して、しばらくの期間をこの力の習得に使って、依頼を受けないことに決めた。


 その日の夜、ぼくはステラさんに、ミアさんに貰った力の使い方について相談していた。


「ミアさんに貰った力は、身体能力の強化だったんですけど、まだうまく使えているとは言えません。ステラさん、何かコツのようなものって、知っていますか?」


「そうですね。単純に、防御力のようなものを強化できる例もあると聞きます。そういった場合は、制御にそこまで苦労はしないようですね。体の一部分だけ強化できるような場合もあって、そういう場合は、制御がとても難しいようです。上手く制御できないと、自分の事を傷つけてしまうこともあるようですね」


 腕だけを強化すると腕の速さに他の体がついていかない、みたいなことだろうか。アクア水で1方向以外にぼくを動かす時に似ている感覚かもしれない。ぼくも気を付けるべきだろう。


「それで、制御のコツですが、とにかく使う時間を長くすることだそうです。寝ている間でもずっと使えるくらいになると、どんな状況でもうまく使えるそうですよ。

 練習自体でそこまでうまくならなくても、使っている時間が単純に長いと、体が動きを覚えるように、自然と習得できるものらしいです。

 いきなり強化の段階を上げるより、最小限の力でずっと使っている方が、はるかに習得が速いと聞きます。

 ですから、まずはそこから始めてはいかがでしょうか」


「そうなんですね。ただ、家の中で使うと、いろいろ壊してしまいかねません。1日中ずっとというのは、少なくとも今は難しいと思います」


「そうですか。なら、訓練のための場所を長く借りる以外にないでしょうね。サーシャさんに頼むといいでしょう」


「そうですね。そうしてみたいと思います。慣れてきたら、家でも使ってみようと思います」


「それでいいでしょう。ユーリ君、頑張ってくださいね」


 やっぱりステラさんは本当に頼りになるな。契約技の事をこの人に聞いておかしな答えが返ってきたことがない。きっとこれからもステラさんの事を頼りにするのだろうな。


 そして、次の日からミアさんの契約技の訓練を再び行った。

 できるかぎりずっと契約技を使っていると、本当に使い方に慣れてきて、今なら全力とはいかずとも、それなりの強さの状態なら、問題なく戦闘に使えるような気がしていた。

 最弱の状態なら、アクア水と併用しても全く問題が発生しなかったし、中くらいの状態なら、王都で戦ったオリアスよりは戦えるだろうと思えていた。

 ミアさんの契約技だと、ちょっと長いから、契約技の訓練をしながら名前を考えていた。

 アクア水はなんとなく決めた名前だけど、ミアさんの契約技には、絶対ミアさんの名前を入れたかった。

 そうすれば、もっとミアさんの事をぼくに刻み込んで、忘れないでいることができるだろうと考えたからだ。


 結局、契約技の名前は、ミア強化に決めた。単に強化の方が分かりやすいかもしれないとは思うけど、ぼくは絶対にミアさんの名前を外したくなかった。だから、これでいいだろう。


 そして、今日から家の中でもミア強化を使うことにした。大丈夫だと思ってはいたが、うっかり力加減を間違えることはなかった。

 今のところは最弱のままでしか家では使わないことにしているけど、慣れたらもっと強化度合いを上げた方が良いだろう。

 幸い、ずっとミア強化を使っていても、体力などを使い果たす感じはしなかった。

 たぶん、アクア水をずっと使っていたことで、契約技を使うこと自体に慣れているからだな。


 これから、ミア強化の存在は、ぼくたちにとって大切なものになるだろう。これがあるだけで取れる手段が大幅に広がるし、本当にいい力をミアさんはくれた。

 ありがとう、ミアさん。あなたのくれた力で、これから頑張っていくから。


 それから、ミア強化を実戦に使えると判断したぼくは、依頼を受けてマナナの森へと向かった。今回は強いモンスターはいなかったので、一応ほかのメンバーにサポートに入れるようにしてもらいながら、ぼく1人で戦ってみた。

 すると、これまでよりかなり楽にモンスターを倒すことができた。

 何なら、ぼくとアクアとカタリナの3人で戦っていたころより、今のぼく1人の方が上手にモンスターを倒せるのではないかと思うくらいだった。

 獣と変わらないスピードのモンスターくらいなら、アクア水で補助しなくてもぼくには追い付けない。一方的に攻撃することも簡単だった。

 それを見たみんなはとても褒めてくれた。


「ユーリ、すごい。格好いい。ミアのおかげで、格好いいユーリがいっぱい見られた」


「格好いいかはさておき、あんた、本当に強くなったわね。その力をしっかり使って、あたしに楽させることね」


「ユ、ユーリさん、本当にすごいですっ。これならきっと、ドラゴンにだって勝てますよっ」


「ユーリさん……本当に強くなったんですね……わたしの力はお役に立てますか……?」


 ぼく1人でかなりのモンスターを倒せるようになったことは分かったけど、問題は連携だ。ぼくの立ち回りの幅は増えたけど、それが即座にオーバースカイとしての強化につながるわけでは無い。

 ぼくの移動速度が速くなるなら、カタリナやフィーナはこれまで以上に誤射に気を配らなければならなくなる。ユーリヤやノーラ、アクアはぼくの動きの速さに合わせる必要が出てくる。

 ただぼくが強くなったと単純に喜ぶわけにはいかなかった。


 それから、連携をいろいろ試してみたけど、なかなか難しかった。

 みんなで連携するよりぼくが直接倒した方が早いと思う場面も多くなってしまって、でも、だからといって、他の人たちに何もさせないのなら、ぼくたちがパーティである意味がない。

 とても悩ましい問題が出てきてしまった。


 敵の数が多い場面でなら、人数が多いことは単純に役に立つ。手数が増えるからだ。

 でも、ぼく1人で倒せてしまうような相手なら、連携を工夫するよりぼくが突っ込む方が楽だし早い局面が多い。

 だけど、連携自体はちゃんとしておかないと、ぼく1人で倒せない敵が出てきただけで終わりだ。


 どうするかいろいろと試行錯誤した結果、ぼく以外のメンバーで連携して敵に当たり、ぼくがそこからあぶれた敵を倒すという形が今のところは強かった。

 みんなとの距離が離れてしまった気がして落ち込んでいると、ノーラがぼくを舐めてくれたり、アクアが手を繋いだりしてくれて慰めてくれた。


 ミアさんには本当に感謝しているけど、新しい問題ができてしまった。これからこのパーティでどうやっていくのがいいか、よく考えないといけないな。

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