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邪悪ヤンデレ厄災系ペットオメガスライム  作者: maricaみかん
1章 プロローグ

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if アクアの暴走

 ぼくが学園に通っていると、突然ある教師に問い詰められた。


「お前、そこのスライム、正体は知っているのか? オメガスライムかもしれないらしいじゃないか。さっさと出ていくんだな、この学園から!」


 それから、その言葉を聞いていた人たちなどから騒ぎが起きたので、ぼくは家に帰っていた。

 アクアはなんだか沈んだ表情をしていた。ぼくはアクアの横にずっと一緒に居た。何を話していいか分からなかったので、せめて隣に居ようと思っての事だった。


「ユーリ、明日から、どうする?」


「ほとぼりが冷めるまで待っているとかかな。どうして良いのかよく分からないし、どうしても駄目そうなら、ミストの町から出ていこうか」


「わかった。ユーリ、今日は一緒に寝よう?」


 そう言われたので、アクアと一緒に寝ることに。いつも一緒に寝ているけど、今日はアクアを抱きしめて眠った。


 それから何日か、家でアクアと遊んでいるだけだったけど、ある日、カタリナが家にやってきた。


「あんた、もう学園に来ても大丈夫よ。あんたの噂も、もうすっかり無くなったから。どうしても嫌なら、あたしがそばに居てあげないこともないけど?」


「そっか。なら、学園に行こうかな。カタリナ、またよろしくね」


 それから学園に向かうと、確かに妙な騒ぎはなくなっていた。

 ステラ先生には騒動を謝罪され、それからは普通に学園で過ごすことができていた。

 そのまましばらく学園で生活してから、ぼくは冒険者として活動することになった。ステラ先生に誘われたので、カーレルの街で冒険者をすることになった。


 冒険者としての活動は、ぼくが考えていたよりもとても楽なものだった。

 モンスターは簡単に倒れていくし、厄介な人間が絡んでくることもなかった。

 そうして過ごす中で、ある日、アクアと関係を持つことになった。アクアから誘われたので、それを受け入れることにした。


 それから、何故かカタリナやステラさん、その他出会った人たちに関係を持つことを持ちかけられた。ぼくはアクアの事を大切にしたかったので断っていたが、そのアクアに関係を持つことを勧められて、結局みんなと関係を持つことになった。

 それからの日々は、弱いモンスターを倒しながら、みんなと遊ぶことを中心に生活することになった。そんな日々がずっと続いていき、退屈を感じるようになったころ、急にみんなに子供が出来た。

 人とモンスターとの間に子供はできないので、ぼくとアクアの子供がいないことが悲しかったが、子供との生活は、それまでの退屈を紛らわせてくれた。


 思っていた生活とは全然違うし、これで良いのかと思わなくもなかったけど、退屈を感じながらも、平和な日々を過ごしていくことになった。





 アクアはその日激怒していた。どこの誰かも分からないような奴に、ユーリに対して自分がオメガスライムかもしれないなどと言われたのだ。

 即座にその人間を殺すことに決めたが、問題はユーリだ。ユーリが自分の事を嫌ったらどうしよう。アクアはそんな不安でいっぱいだったが、ユーリは態度でアクアを受け入れていると示してくれた。

 やっぱりユーリの事が大好きだと改めて考えたアクアだったが、ユーリにとって大きな問題があった。学園で、アクアがオメガスライムかもしれないと騒ぎになっていることだ。


 アクアは次の日、自身の分身のようなものを作り出し、学園へと向かった。

 まずアクアは、ユーリに対して自身の秘密を暴露した教師を殺した。その中でその教師の記憶を読み取ると、ステラがつい漏らしてしまった言葉を聞いたその教師が先走ってユーリに言葉をかけたことが分かった。

 アクアはステラに対しても大きな怒りを抱いた。ステラさえ何もしていなければ、ユーリが排除されることはなかったのだ。すぐさまアクアはステラのもとへ向かった。


「アクアちゃん……? ごめんなさい。すぐにこの噂が沈静化するように働きかけますから」


 そうステラは言ったが、アクアにステラを信じるつもりは全くなかった。

 即座にステラに取り付き、ステラの脳を支配した。アクアはステラの全身を改造し、その結果、ステラの人格は完全に失われることになった。ステラはもはや、アクアが操作する肉の人形でしかなかった。


 それから、学園でアクアがカタリナに出会ったとき、カタリナがアクアにかけた言葉が、アクアをさらに暴走させるきっかけになった。


「アクア……! あんた、どうしてこんなことになるまで黙ってたのよ!? ふざけるんじゃないわよ! あんたがユーリを傷つけてるんだってこと、よく自覚しなさいよね!」


 カタリナは怒りこそしていたが、アクアを拒絶するつもりはなかった。

 単純に、大きな問題が発生しているのに自分が蚊帳の外にいること、アクアから信用されていないのではないかという疑い、それらの考えがカタリナの言葉に棘を持たせていた。カタリナは、ユーリとアクアともう一度パーティを組む生活を取り戻したいだけだった。

 だが、怒りに飲まれたアクアにそんなカタリナの考えは通じなかった。アクアはステラと同じようにカタリナを処理した後、学園全体、ミストの町、この国アードラと、どんどん犠牲を広げていった。


 カタリナの体を操作したアクアがユーリの部屋を訪れるころには、この国はすでに完全にアクアに支配されており、生きていると言える存在はアクアとユーリだけだった。


 それから、ユーリの夢をかなえるためにステラとカタリナを操作しながら、ユーリを冒険者へと導いていった。冒険者としてユーリが戦ったモンスターはすべてアクアの支配下にあったし、ユーリが話しかける人間もすべてもう死んでいた。全てはユーリを接待するためのアクアの演出であった。


 そんななか、アクアはユーリに関係を持ちたいと持ちかける。ユーリとの新しい遊びくらいのつもりだった。

 ユーリはとてものめり込んでいたので、アクアは新しい食事を用意するような気分で、操作している人間をユーリと関係を持たせるように動いた。ユーリがアクアの事を考えて断ってくれたのは嬉しかったが、どうせほかの人間もアクアの一部のようなものだったので、ユーリに新しい味を教えるくらいのつもりで、ユーリにアクアが操作する人間と関係を持つように勧めた。


 案の定、ユーリは新鮮味を感じているようで、ユーリの楽しそうな姿に、アクアは喜んでいた。

 だが、ユーリと過ごす中で、ユーリが退屈を感じ始めていたことが分かったので、支配している人間の体を改造して、ユーリとの子供を作った。ユーリは子供が生まれたことで、退屈を忘れているようだった。ユーリがまた退屈を感じ始めた時のために、新しい遊びを用意しておくか。そう考えたアクアは、その時世界のすべてを完全に支配していた。


 この世界で本当の意味で生きているのは、ユーリとアクアだけだった。ユーリはそれに一切気づかないまま過ごし、アクアは全力でユーリといる日々を楽しんでいた。

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