薔薇
花言葉短編其ノ参「薔薇」
あなたのことを思って 私はペンを握る
無数にある言葉の中から あなたに合った言葉を選ぶ
この時間が楽しくて 私の顔は緩んでいく
私はどんな表情をしているのだろう 周りから見たら気持ち悪くないだろうか
世間の評価を気にして 縮こまっている私に
あなたは手を差し伸べてくれた 華奢で白いその手で
あなたは何をしているの? 誰と一緒にいるの?
私だけと一緒にいて あなたの可愛い素顔を私以外に見せないで
それを私は言えない 言ったらきっと嫌われてしまうから
そんな考えがきっと良くない 世間の目を気にしているのは私だ
分かってはいるけど 頭では分かっているけど
私の手は止まらない 定期試験の時より動き続ける
あなたの目は輝いている でも私には眩しすぎる
あなたが思っているより 私は良い子じゃない
それでもあなたに見て欲しい 私のことを見て欲しい
黒く歪んだ私を あなたの輝くその瞳で
向かい合って話すのは きっと私には無理だから
今日も私は書き続ける あなたに届いて欲しい
私の思いを書きまくる ありったけの思いを
全部読んでくれるかな? 優しいあなたならきっと読んでくれるよね?
最近用意した便せんに 書き終えた手紙を入れる
便せんに描かれている薔薇の花 私には似合わない
赤く染まった美しい花 まるで私と正反対
私に似合う色は何色か あなたなら分かってくれるよね?
久しぶりの花言葉短編でした。
薔薇の花言葉は色によって違います。あらすじに色毎の花言葉を書いていますので是非読んで見てください。
あなたは何色でしたか? 今作品の主人公は何色だったのでしょうか?
もし、薔薇の花を誰かに贈ろうとしている人がいましたら花言葉に注意して選んでくださいね。
それでは、また次回の作品で。