表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
番外編、メグミさんのキットプレーン 蓮月スーパーエイト制作記

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/96

完成

みてみん使用成功。

「出来たっ」

 メグミは最後のボルトを締めた。

 ”蓮月スーパーエイト”の完成である。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

  ※すいません。複座に改造は無理でした。

  イメージとかけ離れていたらごめんなさい。

  みてみんを使ってみたかったのです。


「あとは、空軍に飛行評価をしてもらって、飛行許可証発効だ~」

 

「お、出来たのかい?」


「はいっ」


 いつかの大柄な女性だ。

 片目に黒い眼帯。

「最終チェックしてあげるよ」

「野郎ども、これが最後だ、隅々までチェックしな~~」


「お~う」

「了解」

「まかせな」

 むくつけき男たちが機体に群がる。


 ”蟹漁獲用装甲双胴空母、ブラックオパール号”所属整備士の、”整備書類”まで作ってくれた。(お墨付きみたいなもの)



「今日は、お願いします」 

 メグミが頭を下げた。


「お願いします」

 書類を挟んだ板を持った、ナンバが答える。


「海軍気象部所属、メグミ・タチバナ少尉です」


「日本空軍所属、タイチロウ・ナンバ大尉です」

「これですね?」


「はいっ」

 メグミが元気に答えた。


「整備書類がそろってるんですね」


「はいっ」


 世間話をしながら、機体を確認していく。


「えっ、タチバナ少尉は、論文をかかれるのですか」

 ナンバだ。

 時々メグミのしぐさに見とれている。 

 少し顔が赤い。


「はい、”大ナマコのコノワタと再生医療について”という論文です」

 メグミが恥ずかしそうに言った。


「えっっ」

 それって、自分が憧れてる論文と同じ題っ

 固まってしまうナンバである。 


「あのっ」

 固まってしまったナンバに、心配そうに声を掛けるメグミであった。


「し、失礼しました」

 ナンバが復活した。

 顔が見るからに赤い。


「ふふ、はい」


「では浮かべましょう」

 

「はいっ」


 台座に乗せられた、飛行艇を海に浮かべる。

 

「では、試験飛行を始めます」

 メグミは複座型を選んでいる。

 ぎこちなくナンバが後席に座る。

 あ、憧れの人がこんなに可愛いなんて

 み、密室!!

 飛行艇である。

 当たり前だ。


「ふふ、いきますよう~」

 機体右の穴にクランクを入れ回す。


挿絵(By みてみん)

※クランクを刺して、矢印の方向に回しましょう。


 ククク、ゴオオ


 ブッルルン


 二重反転プロペラが軽く回る。


「かかったあ」

 はしゃぐメグミ。


 それを見て、顔を真っ赤に染めてうつむくナンバ。


 もやい(ロープ)をはずして、蓮月は大空に飛び立った。


異常がないかを確認しながら、ゆっくり飛ばす。


 帰ってきた。


 パララララ


 エンジンが止まる。


「はい、問題ないです。 許可証は問題なく発効されるでしょう」

 ナンバが、手元のチェックシートを見ながら言った。

 気象部の職場は、飛行艇の上が基本だ。

 水無月も含めて最低限の整備は出来る。


「やったあ」

 メグミがうれしそうに跳ねる。


「くっっっ」

 ナンバが上を向いた。


「お、お疲れさまでした」

「よ、よろしければ、夕食でも食べに行きませんか」

 もう夕方だ。

 ナンパである。


「ふふ、いいですよ~」

「手続きのことも聞きたいですし~」

 メグミが笑いながら答えた。

 この後、二人は、完成祝いとして飲みに行く。


 赤く塗られた、キットプレーン、”蓮月スーパーエイト”。


 将来、二人の子供を乗せて飛ぶことになる機体である。


挿絵(By みてみん) 

 ※さあ飛び立とう。


 了



複座にしたかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ