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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第三章

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第87話、マモリネコ信仰

 アメリカ軍の司令官は、一言で言うと慇懃無礼だった。

 日本軍がエルキャックを助けたことを、さも当然のことのように言う。

 沖縄のアメリカ軍の領域近くで戦闘したことを非難してきた時は、(エルキャックを助けるためにだ)流石に”霧島神宮”の関係者から注意の声が上がった。

 大体沖縄は日本の領土だ。


 ナンバの頭に、大戦中の有名な大和型の艦長の名セリフがよぎる。

 周りを敵に囲まれ孤立したときに、敵が打電で降伏勧告をして来た。

 その時、


「”馬鹿め”と打電してやれ。 ”馬鹿め”だ」


 と返しその後、劇的な逆転勝利をするのである。


 これが、命を懸けて守ったものに対する態度かっ

 思わず無線を切ってやろうかと思った瞬間、ナンバの膝にネコサマが乗った。

 いつものように、無意識に頭を撫でる。


「……OH!?」

 アメリカ運の司令官が固まった。


「???」

 ゴロゴロ

 ナンバがネコサマの喉を撫でる。


 アメリカ軍の司令官の背後から

「マイガッ」

「オー、ガーディアンキャット??」

「ドンリュー イズ タカラブネ―??」

 という小さな声が聞こえてきた。

 司令官が、黒いサングラスを外す。


「ナンバサーン、マモリネコサマですか?」


「あっ」  

 ナンバはアメリカ軍の司令官に聞かれて初めて、猫がひざに乗っているのに気づいた。

「失礼しましたっ」

 慌てて猫を下ろそうとしたとき、


「……久しぶりですね、アイゼンハウアー」

 艦長席の斜め後ろに、子猫を抱えたミヤビが立っていた。


「エージェント・ミコ、……”ミヤビ”」

 

 

 ”アメリカ軍と、マモリネコ信仰”


 日本軍は大戦中に大半の艦船を失い、マモリネコも艦と命を共にした。

 その為、日本では現在マモリネコ信仰は、忘れ去られつつある。

 しかし、大戦中ほとんどの艦船を失わなかったアメリカ軍には、マモリネコ信仰は根強く残っていた。

 マモリネコがいる船は、”タカラブネ”と呼ばれ、周りから大変うらやましがられるのである。

 鎖国をしたため、マモリネコサマをお迎えする機会が減ったから尚更だった。

 日本では、失伝しているが、ネコサマのお世話役として派遣されてくる、エージェント・シンショクとミコの存在も大きい。

 アメリカ軍の戦略分析室の分析では、シンショクとミコがいる艦の稼働効率が10パーセント上がるとされている。

 安全性に至っては、20パーセント上がるとされていた。

 シンショクとミコは特殊な訓練を受けた”フナノリ”のプロなのである。

 ミヤビは、沈みゆく”吞竜”からでも、ネコサマを無事に帰還させるだろう。



 ”呑竜”にマモリネコが乗っていることを知ったアメリカ軍の態度は、一変した。

 司令官である、”アイゼンハウアー”はネコサマを羨ましいという態度を隠さない。

 ストレートに、”エルキャック”を助けてくれたことの礼を言われた。

 更に、礼をするために”エンタープライズ”でパーティーを開くという。

 ”呑竜”と”霧島神宮”の乗組員全員が招待された。

 アメリカ人たちは、一度警戒を解くと陽気で愉快な人たちだった。

 ナンバとメグミは、軍服とドレスの正装でパーティーに参加する。

 バイキング方式のパーティーだった。


「あっ、すごいっ、牛肉のステーキだっ」

「サラダもこんなに」

 会場のいたるところで驚きの声が上がった。 


「ナンバサーン、チョーといいですかー」

 ナンバはアイゼンハウアーに肩を組まれて、艦長クラスに人が集まっている所に連れていかれた。

 

「どうやってネコサマをおむかえできたのですかー」

 全員真剣な目で聞いてくる。


「えーと」

 ”お松大権現”に飛行艇でお参りに行って、”キャットストライク”が起きたと素直に言う。

 

 チョクセツお越しいただくッ

 ソノ手があったのかッ

 額然とした表情でつぶやいていた。

 その後、艦長クラスである、アメリカ軍の幹部がこぞって”お松大権現”に飛行艇でお参りする。

 このことが、アメリカが日本に対して、鎖国を開放することの一要因になるのは先の話である。

 

 ”呑竜”は沖縄のアメリカ軍の支配領域を通過できるようになった。

 ”吞竜”は、沖縄の沖まで南下する。

 

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