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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第三章

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第75話、開封、第三部

 約三カ月の休暇が終わった。

 科捜研のデータの分析と、北海道沖と四国沖に、同時期にスーパーハリケーンが発生したことにより”サニーデイズ”作戦は継続されることとなる。


 予定通り、”第二次サニーデイズ作戦”が発動された。


 古の言い伝えから、台風は赤道付近で発生して、北上してくるものだったらしい。

 特に、”大異変”以前では、突然発生しなかったようだ。


「というわけで、今回、”呑竜”は南下してもらいます」

 ヤスコ中佐だ。

 帰投してきたときと同じように、全体会議を行っている。


「しかし、レインメーカーが対人兵器を装備している可能性が高いので、”吞竜”を改修しました」 

 ”戦争放棄憲章”に調印しているため同盟国に、対人兵器の装備許可を得なければならない。


「対艦船用の三次元レーダーと、各種デコイの使用許可が出ました」

「ナンバ艦長」


「はい」


「”玄武”に、開封コードを取りに行ってもらいます」


「……了解しました」



 ”四聖級空中要塞、玄武”


 大戦中、日本軍が製造した、空中要塞。

 四聖級と名付けられるように、四機あったが、他の三機は大戦中に墜とされている。

 三機は、日本の西側に墜ちて、西側の土地がヒマラヤ山脈麓の高原まで水没して全く無くなった、間接的な原因にもなったといわれている。

 無茶な土壌改良を繰り返していたのだが。

 原子力発電所が爆発した地域も海の底だ。

 人工知能(AI)制御で、日本上空の高高度を巡回している。

 ここに、対人兵器の制御用プログラム一式を封印しているのだ。

 完全スタンドアローンな為、直接プログラムを取りに行く必要がある。



 さらに、各艦には、”真名”という暗号化された隠し名が設定されている。

 ”真名”は、艦長とランクSの情報を閲覧出来なければ知ることは無理である。

 ナンバは、”玄武”に直接行く必要があった。


 機内が与圧され、固定燃料を用いたブースターを装備した”スーパー満月”が用意された。

 水素酸素分離式のジェットでは、推力が足らず高高度まで飛行できない。


 ナンバはパイロットに、メグミ中尉を指定した。

 死ぬときは一緒という覚悟の表れだろう。 

 この時代の人間にとって高高度の空は、深海以上に未知なる領域なのである。


 増加ブースターがつけられた”スーパー満月”が、垂直の発射台に設置されている。


「ごめんね、メグミ、つき合わせて」

 高高度の空は怖い

 ヘルメットと酸素マスクを着けているのでくぐもった声だ。


「ううん、逆に選んでくれてうれしいの」

 各部のスイッチを忙しなく押していく。


「カウントダウンを始める。 よろしいか」


「了解~」


「始めてください」 


「ファイブ、フォー、スリー、ツー、ワン」

「ゼロ」

「ロケットブースター点火っ」 


 ゴゴゴゴゴゴゴ


 青空を、オレンジ色に染めながら、メグミたち空へ上った。



「見えた」

 ”玄武”の形は、簡単に言えば巨大なエイだった。

 むき出しの対空気銃や、砲台が表面を覆っている。

 上空には、星空が見えた。


「IFFはきちんと認識されてるよ」


「着艦するよ~」

 中央に飛行甲板のハッチがゆっくりと開きつつある。

 ブースターをパージ。 

 ”お松大権現”と同じように、移動式の下駄に固定されて着艦した。


「ようこそ、移動要塞”玄武”へ」

 女性の声で、アナウンスが聞こえた。


「メグミは、機体で待ってて」

「何もないと思うけど、いつでも飛ばせるようにしていて」

 巨大な何かの胃袋の中にいるような感じだ。


「分かった~、気を付けてね~」

 

 ナンバは、PC室に移動する。

 入るときに、網膜と指紋のチェックがあった。

 四角い、ハードディスクを端末に繋ぐ。


「”呑竜”の”真名”を答えなさい」

 男性とも女性ともとれる声だ。


「酒を()み酔いしれる八首の竜」


「照合確認」

「歌ってください」


「くっ」


「歌ってください」


「この酒~~、呑竜~~♪」

「恋~、にょおうぼ~~♪」


 他、5曲くらい、恥ずかしいような、微妙な、歌を歌わされた。


 ちなみにこのやり取りは、地上でも監視、記録されている。


 必要なプログラムがハードディスクにコピーされた。


「大丈夫だった」

 心配そうにメグミが聞く。


「……何もなかったよ」

 ナンバは、ニッコリメグミに笑いかけた。


「離艦準備完了。 また聞かせてください」

 アナウンスが聞こえた。


「帰ろうっメグミッ」


「う、うん」

 メグミは怪訝な顔で、”スーパー満月”を飛ばした。


 ”吞竜”の出港準備が整った。

 

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