第64話、突入前
”水無月”はスーパーハリケーンの近くについた。
”網走”所属のMI224,スーパーハインド改が三機飛んでいる。
近くに”網走”もいた。
観測を続けてくれているのだ。
◆
”双胴飛行艦空母型、強制更生施設、網走”
帝政ソレントが残していた、硬式飛行艦を二艦、横に繋いで飛行甲板と格納庫をつけたもの。
さらに、ソレント製の真空管コンピューターを改良し、現代でも使えるようにしている。
真空管から、オレンジ色の温かい光を出しながら計算している事だろう。
まさに、日本の魔改造の極致である。
強制更生というよりは、無制限の慈善活動をしているようである。
◆
「ありがとうございます」
「母艦もしばらくすると来ますので、スーパーハリケーンから退避を」
「ふんっ、少しは役に立てたかしらっ」
「せいぜいあがくといいわっ」
「「「何かあったらすぐ言いなさいっ」」」
”網走”が下がっていった。
少し離れた所に、真っ黒い、巨大な柱のようなスーパーハリケーンがある。
「吞竜を待ちましょう」
「はいっ」
”水無月”を着水させた。
◆
その日の昼過ぎには、”吞竜”は現地に着いた。
ドパアアアアン
少し離れた所に飛び出してくる。
一番機を素早く回収した。
「避難潜水深度まで潜航」
これで、スーパーハリケーンの悪天候の影響はほぼ受けない。
「観測用ソノブイ、放出」
”満月”のレドームをもとにした、ソノブイを浮かべる。
二本のワイヤーと通信用のケーブルがついている。
ステルス艦の疑いがあるので、カメラの機能を強化されていた。
「観測用ソノブイ海上に到達」
「画像来ました」
モニターに海上の映像が出る。
「告げる、こちら艦長」
「これより、スーパーハリケーンに突入する」
「皆も知っているように、スーパーハリケーンは人災の疑いが強い」
「レインメーカーと戦いになる可能性もある」
「各部署、気をひきしめてくれ」
「艦長からは以上だ」
「第一種警戒態勢」
照明が赤く変わる。
「微速前進」
「スーパーハリケーンに突入っ」
海上は大きく荒れ始めた。




