表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/96

第63部分、気泡

「先輩っ、”網走”から無線です」


 強制更生艦”網走”所属のクロッサーから食料をもらった、次の日である。

 同じところで引き続き、気象観測をしていた。


「出ますっ」


「あなた達が何してるかなんて、ち~とも気にならないんだけど~」

「スーパーハリケーンが、発生してるわよ」


「本当ですかっ」


「……信じてくれないのね……」


 ”水無月”のメインモニターに、かなりの量のスーパーハリケーンのデータがなだれ込む。

 リアルタイムのデータだ。

 

「うわっ、信じます、信じますっ、ありがとうございますっ」


「「「別にあなた達のためにやってるんじゃないんだからねっ」」」

 無線から、男女混合の大声が聞こえてきた。


「そのまま、”呑竜”にデータを流してっ」

 メグミがヒイラギに言った。


「はいっ」


「こちら、一番機メグミです」

 手振りでテントを畳む様に指示。


「こちら”呑竜”データを見ている」


「スーパーハリケーンの所に飛びます」


「位置確認だけで、近づきすぎないように」

 人災の疑いが大きい。


「”呑竜”が到着するまで現地で待機」


「了解」

 緊急離水の準備をする。


「気をつけて、メグミさんっ」

 ナンバだ。


「はいっ」

 ヒイラギの着席を待って、離水。


 スーパーハリケーンに飛び立った。



「スーパーハリケーンの位置を補足しました」


「”呑竜”高速巡行深度まで潜水」


超伝導電磁推進装置(キャタピラー)、起動」

 

「スーパーキャビテーション航行準備」



 ”スーパーキャビテーション航行”


 艦首先端部から、大量の気泡を発生させ艦体を包むことにより、水の粘性抵抗から自由になり、水中ではあり得ない移動速度を得ることが出来る航行法。

 水中でありながら、100ノット(時速150キロメートル)出すことが可能。

 その性質上、気泡が剝がれてしまうため、キャビテーション航行は直進しかできない。



「ルート選出」

 可能な限り直線を維持する航路を取る。


「第一コーナーを、”杯1”」


「第二コーナーを、”返杯1”と呼称」


「気泡噴射口、開け」


「気泡発生」


超伝導電磁推進装置(キャタピラー)、全開っ」


 後ろ向きのG を感じる

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ


 腹の底から響いてくるような重低音の中、”呑竜”は100キロ近い速度で水中を駆けた。


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ