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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第二章

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第61話、仙台沖海戦跡

 抜けるような晴天を、飛行艇”水無月”は飛んでいる。


「ここいらに着水させましょうか~」

 メグミが、ヒイラギに言った。


「ここは?」 


 周りには、海上に傾いて沈んでいる、空母や艦船が沢山ある。

 日本軍のだけではなく、外国の艦も多数あった。


 ”水無月”を適当な所に着水させる。


「”仙台沖海戦跡”よ」



 ”仙台沖海戦”


 過去の世界大戦中期、北海道は、”帝政ソレント”に占領されていた。

 さらに”帝政ソレント”軍は南下して来る。

 当時の日本軍は、これに全艦体を指し向け抵抗する。

 両軍の艦隊は仙台沖で衝突した。

 ”仙台沖海戦”である。



 メグミはキャノピーを横に開け、翼の上に移動する。


「現在、打撃神社群のほうが空母の数が多いのは、日本軍の艦船の大半が、ここに沈んでいるかららしいわ」 

 メグミが周りをくるりと見渡した。


「そうなんですかっ」

 ヒイラギが、翼の上に来た。 


「結局、北海道は、”エイプリルフール”が世界にばらまかれ、”大異変”が起きるまで日本に帰ってこなかったのよね~」

 メグミが、翼の一部を持ち上げ、二人用のテントを組み立てる。


「”ペレレストロイカ”で”帝政ソレント”が”ロシア連邦”になったんですよね」

 ヒイラギが、手伝った。


「そうよ~」

 そのどさくさに取り返したのだ。


 テントの設営が終わる。

 夕方まで、定時の気象観測をして過ごした。


「寒くなって来たわね~」

 風はないが、しんしんと冷え込んできた。


「そうですね」

 

 二人ともコートに手袋で身を固めている。


「テントに入ろうか~」


「はいっ」


 テントの真ん中に設置された、小型のダルマストーブに、魚の骨を原料とした薪を入れる。

 持ってきていた、カニと簡単な具材で鍋を作った。


「飲める~?」


「少しだけ」 


 二人で鍋をつつきながら、”日本酒もどき”を飲んだ。


「ここいらはね、夜、面白いのよ~」

「しばらく待ちましょう~」


 二人はテントの入口を閉めてしばらく、ゆっくりとお酒を楽しむ。


「ふふ、そろそろね~」

 メグミが、腕時計で時間を確認する。


「何ですか」


「外に出ましょうか~」


 テントを開けると、海の中に”星空”があった。


 沈んだ艦船の隙間の水平線から本物の星空が、続いているように見える。


 ”水無月”や艦船が、星空に浮かんでいるようだ。


「うわああああああああ」


「いいでしょう~」

「ここいらはね、周りの沈んだ船に囲まれて、”ビッグウミボタル”が海面に集まるの」


「すごいですうう」

 ヒイラギが、”水無月”の翼の端まで行った。


「ふふっ」

 (また、ナンバ君と来ないとね~)



 100年以上前、沢山の戦死者が出た戦場跡である。

 ”ウミボタル”達は鎮魂のために集まっているかもしれない。

 

  メグミは、”日本酒もどき”をお供えのつもりで、少し海に流した。

 

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