第60話、カシマ
リピート、アフター、ミー。
”香取型練習巡洋艦、二番艦型神社、鹿島神宮”所蔵、”酔鯨級潜水空母型奉納の剣、フツノミタマノツルギ”
”呑竜”のメインPCの、バックアップは終了した。
艦の中央付近に設置された、直径3メートルのハードディスクが高速回転している事だろう。
”吞竜”は。JAXAの基地を出港。
浮上して海上を航行している。
メグミとヒイラギと、”水無月”一番機が、先行観測の順番である。
一週間ほど先に進み、周辺の異常の確認も含めて気象観測する。
「メグミ、ヒイラギ、”水無月”一番機、出発します」
「いってらっしゃい、気をつけて」
フランソワーズ大尉の声だ。
ドオオオン
電磁カタパルトで射出された。
◆
旧茨城県上空をしばらく飛んでいると、
「先輩、左に神社が見えますっ」
左に、赤と白に塗り分けられた、巨大な”酔鯨級潜水空母型奉納の剣、フツノミタマノツルギ”が見えた。
”呑竜”と同型艦だ。
「鹿島神宮ですか?」
「う~ん、ちょっと違う。 あれはね~」
「”奉納の剣、フツノミタマノツルギ”よ」
「一応、氏子たちに奉納された剣扱いになるわ」
巨大な、潜水空母を指差した。
メグミが、操縦を変わる。
「鹿島神宮はその下」
よく見ると、小さな艦が随伴している。
◆
”香取型練習巡洋艦、二番艦型神社、鹿島神宮”
香取型練習巡洋艦の妹。
神職や巫女の練習をするために建造された。
巡洋艦とはいえ、練習艦なので小型且つ武装は控えめである。
◆
”酔鯨級潜水空母型奉納の剣、フツノミタマノツルギ”
本来、武道の神様である、武甕鎚大神を、お祭りする”鹿島神宮”である。
が、
練習艦の火力に不安を覚えた氏子たちが、寄付を募り”酔鯨級潜水空母、フツノミタマノツルギ”を奉納した。
基本、”酔鯨級潜水空母、フツノミタマノツルギ”は、鹿島神宮所蔵の宝物扱いになる。
◆
「”鹿島神宮”が、”酔鯨級潜水空母型奉納の剣、フツノミタマノツルギ”を、指揮する形になるわね~」
メグミが、”水無月”の飛行速度を落とした。
「神娘、鹿島で、検索して見なさい」
神社を擬人化した、案内用AI”神娘”である。
「あ、 出ました」
ヒイラギのメインモニターに、胸の豊かな白い髪の女性AIが映る。
『香取型練習巡洋艦二番艦型神社、妹の鹿島です。 ……』
(以後説明が続く)
「? 随伴艦の経験値取得量増加ってなんですか???」
「胸囲的なけしからん装甲で、人気を博すと書いてるんですけど???」
…………
異世界と混線しているようだ。
詳細は、神のみぞ知る。




