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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第二章

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第57話、セントウ

 メグミは今日は”準勤務”なので、訓練日にしている。

 ヒイラギも一緒に、訓練に付き合っていた。

 ”呑竜”の艦内の左右を、艦首から艦尾まで通っている廊下を、ジョギングしている。

 並んで4人くらいが走れる幅があった。 


「そういえば……ヒイラギ准尉のお父さんは……海軍所属だったよね」

 ハッ、ハッ


「はいっ……零戦乗りです……」

 ハッ、ハッ


 二人は、走りながら話をしている。


「あっ、艶男(アデオス)に選ばれた人?……」

 (海軍の、ウルトラエースだ)


「そう……です……」


「……何故、陸軍に……」


「……父が有名過ぎて……居心地が悪いんです……」


「そっか……」

(聞きにくいこと聞いちゃったかな)


「オヤッ、メグミ、訓練かい」

 180センチ近い長身。

 燃えるような赤い髪。

 アナスタシアだ。


「訓練日です」


「そうかい」


 ”吞竜”の中を、くるりと一周してくると、トレーニングウエアに着替えた、アナスタシアがいた。


「私も一緒に走るよ」


「日の出とと~もに起きだして~♪」


「「日の出とと~もに起きだして~♪」」


「走れと言われてひた走る~♪」


「「走れと言われてひた走る~♪」」


「俺によしっ」


 おっとこれ以上は、嫁入り前のお嬢様方には良くないぜ。 


 2時間連続で走った。



 軍に決められている通り、銃の訓練をする。

 ”呑竜”の射撃場に来ていた。

 メグミとヒイラギは、軍に支給されている、”73式ニューナンブ回転式拳銃”である。

 

 ズルリ


 アナスタシアは、巨大な自動拳銃を引っ張り出した。


 ”トカレフ、454、ビューティー・アンド・ザ・ビースト”


 13mm徹甲弾使用。

 黒一色に塗られている。


「これくらいじゃないと、”メガシャーク”には効かないよ」


 ドゴオオ、ドゴオオ


 音からして違う。

 メグミやヒイラギでは、肩の関節が抜けかねないだろう。


「いいだろう」

「完璧さ」



 三人は訓練を終えて、汗を流すためにセントウに来ている。


 どの軍艦や生活施設には、”セントウ”を設置することが、法律で義務付けられていた。



 ”セントウ設置義務法”


 日本国憲法第25条、第2項


 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び”()()()()の向上及び増進につとめなければならない。

 

 を基に作られた法律。

 

 海水浄化技術(海水から水を作る)が未熟だった時代に、入浴文化を守るために作られた。

 今や海水浄化技術は十分に発達し、各家にお風呂があるので形骸化しつつある。



「お風呂はいいねえ」

 アナスタシアだ。

 胸も含めて全てが大きいが、バランスが取れ、スタイルは良い。


 軽く20人は、入れる大浴場である。

 壁には、頂上に雪が掛かっている富士山の絵が描かれていた。

 窓の外は、海面ギリギリの高さらしく、青空と波打ち際が見える。


「ふ~、そうですね~」

 メグミが浴槽で長くなった。

 胸は小ぶりだが、スタイルは良い。


「そういえば、メグミ、昨日、ナンバ艦長と何してたんだい?」


「メグミ先輩?」

 ヒイラギは、体を流している。

 160センチ半ばの身長だが、意外と胸があった。


「……えっ……」

 メグミの動きが止まる。


「いや、”石鹸投げるよ~”とか、”タオル行くよ~”とか」


 男湯と女湯は、上で繋がっている。


「先輩、それって、”セントウデート”ですかっ?!」

 ヒイラギが、メグミを振り返る。


「あっ、いやっ、そのっ」

 メグミが全身、真っ赤になった。


「……ふ~んデートなのか……」

 (日本の文化……なのかな) 


「先輩っ、新婚さんみたいですねっ!!」

 ヒイラギが、元気一杯だ。

 

 更に赤くなる。


「ぐはっ」

 

 メグミが撃沈した。


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