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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第二章

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第54話、くらぶマン

 アナスタシアは、ナンバがメグミに渡した本のタイトル、”大ナマコのコノワタと再生医療について”を見た。


「お、その本はなかなか興味深いねえ」


「知ってるんですか?」

 ナンバだ。


「内容もいいけど、書いた人と、一杯飲みたくなる」

 アナスタシアが腕を組んだ。


「ですよねっ」

「著者の、メグミさんです」

 ナンバが、食い気味にいった。

 どこか誇らしげだ。


「えっ、は、はい」

 メグミが動揺して。ナンバを見た。

「ちょっ、ナンバ君」


「へええ、いいねえ」

 アナスタシアが、二人を見てニヤニヤ笑う。

「今度、三人で飲もうや」


「そういや、ナンバ艦長だね」


「はい」


「この艦は、”気象兵器”の調査に来てるんだよね」

 日本軍の公報に、協力を依頼する記事が乗っていた。


「雇われたげよっか?」


 アナスタシアは、トーキョーディスティニーランド、極東方面軍所属の傭兵である。

 日本軍とも、親密な関係にあった。

 因みに、ディスティニーランドUSAは、トーキョーと同じような理由で、”皇帝大王イカ”の群生地になっている。

 ”アイオワ級戦艦の主砲塔”八門に、守られている違いはあるが。


「それはすごいと思いますが……」


 アナスタシアは、装甲材研究の世界的権威でもある。

 ステルス装甲であると思われるレインメーカーの発見に、役に立つかもしれない。


「本部に問い合わせてみます」

 ナンバは、通信室にむかった。 


「え~と、こほん」

 メグミは、少し顔が赤い。

「アナスタシアさん、これって”くらぶマン”に乗りましたよね?」


 ウエアウルフを指さして言った。



 ”くらぶマン”

 陸地が沢山あった時代から続く、エアバイクサイトである。

 人型になる、まさに着るエアバイク”ウエアウルフ”として紹介された。

 インプレッションでは、オーナーである、アナスタシアしか乗りこなせない、オンリーワンエアバイクと紹介されていた。

 エアバイクを楽しむ人を、エンスージアスト、もしくはエンスーという言葉を作った。



「おや、メグミちゃんも乗るのかい?」

 アクセルを握るふりをする。


「はいっ、エアモトグッチに乗ってます」


「縦置きVツイン? またマニアックだねえ」

「トルクリアクションは? シャフトドライブだろう?」


「言うほど強くないです」


 ウルフは、水冷4気筒(インライン4)ハヤブサエンジンである。


「対応時速300キロ、すごいんでしょう?」

 ウルフを指差しながら言う。


「今度、後ろに乗せたげよっか」

 アナスタシアは、嬉しそうに言う。


「是非、お願いします」

「アナスタシアさん……」


「ナスチャでいい」

 ナスチャはアナスタシアの愛称。


「……ナスチャさん」


 メグミに、エアバイク乗りの友人が出来た。


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