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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第二章

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第51話、共生

「周りを調査してから、帰還しよう」

 ササギ中尉が言う。


 カー―――ン


 ネプチューンが、両手で指パッチンをして、広域ソナーを発動。


「むっ」


 水没したビルの、半地下になっている、駐車場に、1メートルくらいの”ハゼ”が、顔を出していた。


「サーチッ、ズームッ」


 ハゼと目が合った。


「っつ、全機っ、緊急浮上っ!!」


「キャノン・シュリンプだっ」



 キャノン・シュリンプ


 別名、大砲エビ。

 その名の通り。鉄砲エビが、1メートルくらいに巨大化したもの。

 その巨大なハサミから、発生する”プラズマ衝撃波”は、太陽の表面温度(4700°C)以上に達する。

 その衝撃は、46センチ砲弾が直撃したものと同じと言われていた。

 浅い海で、最も警戒しなければいけない生物である。



 EWAC(早期警戒管制)ビッグハゼ


 キャノン・シュリンプと巣穴を共にする、1メートルくらいの巨大ハゼ。

 キャノン・シュリンプは目があまり良くなく、代わりにハゼが目の代わりをする。

 EWACと呼ばれる所以である。


 キャノン・シュリンプは良好な視界を、

 

 EWAC(早期警戒管制)ビッグハゼは、安全な巣穴と、キャノン・シュリンプの食べ残しを、


 得る。

 

 このような、両者WIN、WINの関係を”共利共生”と言う。



「やばいっ、急げっ。 シュリンプの衝撃波は、ここまで届くっ」

 ネプチューンと言えども、直撃すれば粉々だ。


 途中で、コンゴウリキシを両脇に抱え、海面に飛び上がるように、浮上した。 


 幸い、自分より大きな獲物は襲わない。

 ”呑竜”の装甲に、余裕で穴を空けられるとしてもだ。


「「ありがとうございました」」


「ふうう、助かった」

「でも、”()()()()()()()()”7匹は上等だよ」


 排水の終わった、下部格納庫だ。



「ジローちゃん、心配したよっ」

 ヒビキだ。

 早速、コンゴウリキシを脱いだ、ウエタの頭を撫でている。


「、……キバ様っ……」

 フランソワーズは、コンゴウリキシを脱いだキバの頭を、豊かな胸で挟むように抱きしめている。

 慈しむように、頭を撫でていた。


「オ、オリガミさん」

 キバが耳まで真っ赤になっている。


 ”撫で撫でランキング”上位入り確定だろう。


 

「……彼女が欲しい……」 

 ネプチューンの、コックピット入口に腰を掛けて、ササギが小さくつぶやいた。



 その後、寂しそうにするササギに関係なく、カニパは大盛り上がりのまま、終了した。

 

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