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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第二章

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第50話、ビッグシオマネキ

「ナンバ艦長、ネプチューンとコンゴウリキシの連携訓練を行いたい」

 ネプチューンライダーの、ササギ中尉だ。

 片目に黒い眼帯をしている。


 後ろに、”コンゴウリキシ”のツナトリ(パイロット)である、キバ軍曹とウエダ一等兵もいる。


「確かに、連携訓練は必要だ」

 今、”吞竜”は、千葉県から茨城に近づいている所だ。


「ここいらは、”()()()()()()()()”の生息地です」

 ササギ中尉だ。


「……美味しいのか……」

 

「美味しい」

「うまい」

 ササギと、いつの間にか後ろにいた、整備士のオリガが力強く言った。 

 二人とも、”蟹漁獲用装甲双胴空母、ブラックオパール号”出身だ。

 

「機関反転」

「”呑竜”停止~」

「こちら艦長。 全艦に告げる、これよりネプチューンとコンゴウリキシの連携訓練として、”()()()()()()()()狩り”を行う」

「特に、調理班は”蟹を料理する準備”をしておけ、以上」


「今夜は、カニパだ~」

「カニ鍋ですわ~」

「うおおおおお」

 艦内が沸いた。 


「”()()()()()()()()”は、大きさは、一メートルくらいの狩りやすい蟹だ」

「左手の、ハサミだけは気を付けてくれ」

「全体の指揮は私がとるが、コンゴウリキシの指揮はキバ軍曹にお願いする」

 ササギ中尉が、眼帯を触った。


「「了解」」


 ”吞竜”の下部出撃庫だ。


 ササギが、ネプチューンの首元から、コックピットである”耐圧球”に滑り込んだ。

 肩の後ろに、足元まで届く長い、”超振動大太刀”を装備している。 


 キバは、四ツ目に見える小隊長仕様のコンゴウリキシにツルハシを装備。

 ウエタのコンゴウリキシは、スコップを装備していた。


「行ってくる」


「行ってらっしゃいませ。 キバ様」


「気を付けてね。 ジローちゃん」

 メグミの友人である、ヒビキだ。

 ウエタ一等兵と付き合っている。

 すかさず、ヒビキはウエタの頭を撫でる。


 カチ、カチ


 フランソワーズとヒビキは、”魔除け”の火打石を鳴らした後、格納庫から出て行った。


「……おおう……」

 一連の”陸軍組”のやり取りを、ササギはネプチューンのモニター越しに見た。


「出撃準備完了」


「こちらも、オッケーだ」


「格納庫閉鎖確認」


「注水してくれ」


 ザバザバと海水が入ってくる。

 海水が、満たされた後、前半分の床のハッチが後ろにスライドした。

 

 水深は深くない。

 水没した民家が、うっすらと見えた。


「出撃する」


 ネプチューンから、海底へ降りて行った。


「結構いるな」

 

 パパパパ

 

 ササギは、モニターにカニの居場所を表示させる。

 モニター上に、カニに丸いロックオンマークがついた。


「コンゴウリキシ、情報を共有する」

「見えるか?」


「「見えた」」 

 コンゴウリキシのモニターにも、同じようにロックオンマークが着いた。


「動きはそれほど速くない、後ろからやってくれ」


「「了解」」


 狩ったカニは、フロートを着けて海上の”呑竜”に送る。

 増設されたクレーンが大活躍するだろう。


 ”吞竜”のクルーは、約50名くらい。

 ”ビッグシオマネキ”を5匹も狩れば十分だ。


「そろそろ十分だ。少し周りを調査してから、帰還しよう」


「「了解」


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