表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/96

第45話、ネコ神さん

「ほんとに見たんだって~」

 小さめの背丈の巫女が言う。


「ほんとに~」


「ほんとだって~」


 背丈が、大中小と揃った三人の巫女さんが、風呂上がりのコーヒー牛乳を片手にくつろいでいる。

 風呂上がりの普段着だ。

 大浴場から出た所の休憩所である。


「ニャ~、ニャ~」

「ゴロゴロ」


 三匹の猫が足元や膝の上でくつろいでいる。


「お~、よしよし」

 背が一番高い、眼鏡をかけた巫女さんが近くの猫の頭を撫でていた。



 ”航空母艦型神社、お松大権現”


 昔、無実(直訴)の罪で処刑されたお松さんが飼っていた三毛猫が、化け猫になり復讐したという伝説から出来た神社。

 通称、”ネコ神さん”。

 全国的にも珍しい、ネコの狛犬がある。

 艦内には沢山、ネコが飼われており、広い航空甲板のそこかしこに横たわるネコの姿は、圧巻。

 拝艦料を払い入艦すると、ネコと一緒に食事したり、お茶をしたりすることが出来る。

 ネコ好きの聖地である。



「いーや、あれは幽霊船だった」

 この前のスーパーハリケーンの中で、船のシルエットを見たと言うのだ。


「まさか、レインメーカー?」

 中くらいの背丈の巫女だ。 


「だって、船の周りだけ、雨も風もなかったんだよ」


「ん~? あ、こら、痛い痛い」


「ニャ~ニャ~」

 

 背中を爪を立てて登られたようだ。

 中くらいの巫女の顔の横に、ネコの顔がある。


「取り合えず。上に報告しといたら」

 背の高い巫女が、ネコにイリコをあげている。

 ちなみに、この神社の巫女は、ネコを神の使いとして、ネコに仕えている。

 大半の業務はネコの世話である。


「うん。わかった」



「以上が協力してくれた、”打撃神社群”からの報告書よ」

「スーパーハリケーンの中で、()()()が収まるというところが、メグミ中尉の報告と一緒よ」

「他にも似たような報告が何件かあるわ」

 ヤスコ中佐が胸の前で手を組んだ。


「やはりあるんでしょうか。レインメーカーは?」

 メグミは心配そうだ。 


「……上層部は、あると考えているわ」


「そうですか」

 

 メグミは、部品を拾ったときの報告を終えた。

 そのまま、しばらく深刻な顔で考えている。


「……お松大権現……」

 確か、徳島県沖に停泊しているはず。


「今度、ナンバ君と行かなくてはっ」


 ふにゃりと表情をゆるめた。


 情け容赦なく、ネコをたくさん、触りまくらなくてはっ


 メグミさんは、かなりのネコ好きだ。 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ