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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章

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第44話、科総研

ヤスコ・サワグチ中佐。

「アネさんっ、お世話になりましたっ」


「アネゴッ、もう行っちまうのか」


 イナバと、サクラギである。

 スクランブル訓練の後、めちゃくちゃ懐かれたのだ。

 そろそろ休暇のために、本部に帰還するつもりだ。


「さびしくなるねえ」


 オリガだ。


「ありがと~、また寄らせてもらうよ~」


「ああいつでも歓迎するよ」

 カイラギが言った。


 メグミが”水無月”に乗り込み”ブラックオパール”から離艦した。 

 一路、日本軍本部をめざす。


「今回の勤務も濃かったな~」

 報告用の書類を作成した後、


「そうだ」

 

 気になっていた部品を”科総研”に持っていく。

 異常気象の後に拾ったものだ


 

 日本軍、科学総合研究所、”科総研”


 日本軍の総合研究所だ。

 歴史は古く、大戦前の警視庁までさかのぼる。

 日本軍が誇る研究者集団だ。



「これはっ」

 拾った部品を見せると男性職員に驚かれる。


「ヤスコ中佐っ、これを見てください」   

 主任らしい白衣を着た女性隊員が奥から出てきた。


「……ハイパーカーボン製に、ステルス塗料っ」


「やはり……」


「メグミ中尉でしたね」


「はい」


「詳しく聞かせてちょうだい」


 拾った経緯を説明した。


「そう。 これから話すことは、機密になるから他言は無用よ」


「最近、空軍の降下猟兵(アクアボーン)を、ここ(旧国会議事堂上部の階層建築を利用した海上軍事基地)の最下層まで降下させて調べさせたの」


「厳重な鍵付きのアタッシュケースの中に入った”作戦計画書”が見つかったわ」


「水没した長官室の椅子に座った、白骨化した長官の腕に、手錠付きであったそうよ」


「ミッション、”レインメーカー”と書いてあったわ」


 身を乗り出して、声が小さくなる。


「……AIを用いた完全自立型の()()()()()に、ナノマシンを使った、()()()()を載せる計画みたいなの……」


「えっ」

 拾ってきた部品は艦の外装にも見えなくはない。


 ゴクリ


「……メグミ中尉……」

 ヤスコ中佐がメグミの目を見ながら、首をゆっくり縦に振った。


 メグミも、青い顔をしながら、ゆっくり首を縦に振り返した。


 日本陸空海軍すべてを巻き込んだ作戦に、メグミが参加することが決まった瞬間である。

  

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