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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章

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第42話、限定解除

「整備したげよっか」


 ブラックオパールの格納庫で、メグミは声をかけられた。

 ”水無月”を点検している時である。

 振り返ると、180センチ近い整備服を着た女性が立っている。

 短い髪にバンダナを巻いている。

 同い年くらいか。


「えっと」


「オリガだ」

 メグミの横に移動しながら、


「気象部仕様の”水無月”。いいね!十徳ナイフみたいな感じが好きさ」


 ……確かに、テントはったり、ヨットになったり、潜水したり……


「ありがとうございます」

 ただでカニ鍋を貰ったりと、心苦しいメグミである。


「メインモニター見せて」

 ”水無月”の整備歴をみるためだ。


「ふんふん、操縦者……ってあんた、今月の艶女(アデージョ)じゃないか」

「陸軍に弟がいるんだ、関係ないかもしれないけど、ありがとね」


「いえいえいえ、偶々です。はい」

 両手を前で振った。


「ふふふ。あんた気に入ったよ」

「野郎どもっ」


「へーい」


「なんですか、整備長」


「あねご、あねごっ」


 周りの整備士が集まってくる。


「ここにいるのは、今月の艶女(アデージョ)様だよっ」


「お~」


「で、これが、艶女(アデージョ)様の機体だ」


「おお~」


「フル整備だっ。空母付の整備士の腕、見せつけてやるよっ」


「おおお~」


「いやっ、あのっ、待って」

 メグミは、心苦しさにもはや半泣きだ。


「んんっ」

「あんた、空戦免許”限定解除”してるじゃないか」

「ほんとだ」

 周りの整備士も集まって来た。



 ”空戦免許の限定解除”


 日本軍の飛行機の操縦資格は、免許制を採用している。

 その中でも、”限定解除”は、機体の種類、大きさを問わず操縦することが可能で、小隊長クラスが所有するものである。

 また、小隊員に発砲を許可することも可能。


  

「……若気のいたりです……」

 乗れない飛行機があるのが気に入らなかったのだ。


「ふ~ん、そうだ。明後日のスクランブル訓練に参加してみないかい?」

「キャプテンに言っといてあげるよ」


 ”カッコウ”とか、”托卵”と呼ばれる行為である。


「私なんかでよければ喜んで……」

 少し卑屈になっているメグミである。


「野郎どもっ、明後日までに、完璧に(”水無月”を)仕上げるよっ」


「アイアイッ」



 スクランブル訓練、参加機体


 五式戦闘艇、”三日月”六機。


 米国製対地攻撃艇、A60”ライトニングボルト三機。

 

 と言うことが知らされた。


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