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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章

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第36話、シーキャット

 メグミは、先日拾った部品を調べていた。


「……夜に一瞬、周りが静かになって巨大な船が見えたような気がするのよね……」

「この硬さにこの軽さ……、ハイパーカーボン製?」

「でも製法は、大戦末期に失われたはず」

 百目鬼ネットで検索しながらつぶやいた。

 

「科総研に出すか……」

 調べるのを諦めたとき、


 ピピピピ


 とメインモニターが音を出した。


「作戦協力要請信号だ。発信元は……」


「日本空軍、酔鯨(すいげい)級潜水空母”呑竜(どんりゅう)”」


(ナンバ君の艦だ~)

 メグミは、緩みそうになる頬を必死に引き締めながら、イソイソと”水無月”を離水させた。


 信号の方にしばらく飛ぶと、”呑竜”が海上に浮上して、艦載機を発艦させるところだった。

 前部の飛行艇格納庫のハッチを、全開に開いている。

 その前に、可変翼を装備した”F41シーキャット弐”が可変翼を最大に広げていた。



 ”可変翼後退機、F41シーキャット弐”


 日本空軍が採用する、可変翼後退飛行艇。

 双発のジェットエンジン装備。

 潜水空母に乗せるために可変翼後退機を採用した。

 フロートは、引き込み式で本体と一体化する。

 現在”呑竜”には、3機配属されている。



 ズドオオオン


 ”シーキャット弐”が電磁カタパルトに射出され、アフターバーナーを吹かしながら舞い上がってくる。


「こちら、日本海軍所属”水無月”協力しますよ~」


 (っつ、メグミさん!?)


「こちら、”呑竜”、協力感謝する」


 (んっ、ナンバ君!?)


 続いて二機の ”シーキャット弐”が上がって来た。

 作戦内容は、先日の”リュウグウウミガメ”二頭を補足したので、”誘導弾”を用いて外洋に誘導することである。

 

 メグミはしばらく、”シーキャット弐”三機の編隊飛行の後をついて行った。


「こちら、”子猫ワン”、ターゲットを発見」

「”子猫ツー”、確認」

「”子猫スリー”、確認」

「”水無月”確認しました~」


「こちら”大猫”ターゲットの位置を確認した。 そちらに向かう」

「”誘導弾”で誘導を開始せよ」


「「「了解」」」


 三機の”シーキャット弐”は、機関砲で”リュウグウウミガメ”の鼻先から、外洋に向かって”誘導弾”を撃ち込んだ。

 白い水柱が線上に並んだ。

 ”誘導弾”は、リュウグウウミガメ”に取って美味しいにおいがする物質を放出する。


「こちら”水無月”、上空でウミガメの様子を報告します~」

 ”水無月”を上昇させ、ウミガメがどこに動いているかを報告し始めた。


「一番、二番魚雷管に”誘導魚雷”」

「三番、四番魚雷管に”音響魚雷”を装填、注水せよ」


「注水完了」


「一番、二番、”誘導魚雷”射出」


 ゴゴゴン


 と言う振動と共に魚雷が射出される。


「魚雷は、ウミガメの鼻先で進路を外洋に変更、直進中~」

 メグミが報告する。


 途中で、レドーム付きの”満月”も参加した。

 外洋まで誘導するのに約5時間かかった。


「ふうう、やれやれ~」


”シーキャット弐”が”呑竜”に帰っていく。


「……”水無月”、寄っていくかい?」


 (ナンバ君……)


「はい、寄らせていただきます」


 メグミは、”水無月”を”呑竜”に向けて飛ばした。




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