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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章

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第34話、クロッサー

 ドオオオン


 低空を超スピードで飛行していく、戦闘飛行艇を見つけた。


「うわ」

 双眼鏡で、確認する。


「クリスティアニティの、マンハント(人攫い)部隊だ」

 尾翼の横に銀十字が光っていた。


「ロシア正教所属の、”SU63フランカーモーリェ(海)”だね」 

「近くに”強制更生施設艦、シベリア”が来てるんだ」



 ”強制更生施設併設型、重航空巡洋艦シベリア”


 この世界には、”絶海の孤島”や”家族単位で大きな船”で海上をさまよいながら、生活している人が少なからずいる。

 これらの人たちは、社会生活の経験が少なく、”海賊”になったり、人知れず犯罪の犠牲になる場合が多い。

 これらの人たちに、強制的に社会の仕組みやルールを教え、更生するための施設を備えた艦を”強制更生施設艦”と言う。

 ”海賊”などは物理で黙らせてから、更生することになる。

 ちなみに、捕まると”シベリア送り”になると言われる。

 主に、”クリスティアニティ”が運営する。

 アメリカの”強制更生施設艦、アルカトラス”や、日本の”網走”も有名。



「いや~、彼らは強引なんだよね」

 数年前に、気象観測中の、()()()()の観測員が”シベリア送り”にあった事件がある。


「取り合えずさらっとけっていうノリなんだろうな~」

 マンハント(人攫い)部隊と言われる所以である。


「うわ、ちかづいてきた」

 大慌てで、ロシア語で”日本人”と書かれた大きな旗を取り出し必死に振った。


 ”SU63フランカーモーリェ(海)”が近づいてきて、ホバリングする。


 ”SU63フランカーモーリェ(海)”のコックピットに乗った、シスター服をきた修道女が、笑いながら十字を切った。

 マンハント(人攫い)部隊のパイロットの”クロッサー”と呼ばれる仕草だ。


「あの後、いきなり、発砲したりするからな~」

 しばらく、最大限の笑顔で旗を振っていると、修道女が軽く手を振って去って行った。


「怖い怖い」

 ほっと胸をなでおろすメグミである。


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