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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章

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第25話、カガミモチ

 日本海軍気象部のブリーフィングルームに、休み明けの隊員が10名ほど、まばらに座っている。


 隊長が来て、

「ブリーフィングを始める」

「まずは、スパイラルを観測した、メグミ中尉に拍手っ」


 パチパチと気のない拍手が起きた


「やあやあ、どうもどうも」

 メグミが周りに頭を下げている。


 日本の周りの状況の大まかな説明の後、

 

「各自、手元の書類とメインモニターから持ち場を確認すること」

「起立っ」


 ザッ


「掛け声っ」

「いのちをだいじにっ」


「「「いのちをだいじにっ」」」


「出動っ」


 日本海軍、気象部の隊員が、勇ましく出動していく。


 

 メグミは、基地の2階にある飛行艇格納庫で”水無月”の発進の用意をしている。


「・・・チェック」


「・・・チェック」


 ”水無月”は避難潜水の後、フル整備されているとはいえ、故障があれば困るのは自分である。

 最終チェックは入念に行う。 

 ふと、開いた格納庫のハッチから下を見ると、白くて丸い飛行艇が着水してくるのが見えた。

 丸い機体に、さらに丸いレドームを背負っている。

 回転の止まっているレドームには、”07”と書いてある。



 ”レドーム搭載型、中型水空両用飛行艇、満月”


 真ん丸いリフティングボディ中央に、バブルキャノピーを上下に装備した複座式。

 牽引式双発レシプロエンジンに、フロートを左右に二つ。

 ある程度、”潜水艇”として、水中を移動可能。

 キャビンがあり、ある程度の生活スペースを備える。


 丸い機体に、丸いレドームを備え”サトリシステム”を運用する。

 ”サトリシステム”は、百目鬼ネットの通信環境の、補完および強化を行うシステムである。

 交代で地域をカバーする。


 乗組員の”オリエ”は丸い機体と、丸いレドームから、”カガミモチ”と愛称している。



「あっ」

 メインフレームの”個別通信”を開く。


「お帰り。オリエ、ヒビキ」

 友人である、長身の”オリエ”と、黒縁眼鏡をかけた小柄な”ヒビキ”を思い浮かべる。

 同じ同期で、二人とも中尉である。


「ただいま。メグミ」


「ん、ただいま」


「ていうか、聞いたわよ~」

「ナンバ艦長とデートしたんだって~」

 ”オリエ”が声を上げた。


「えへへ、付き合うことになりました~」


「なっ、こんな変な娘で大丈夫?」


「ん、ナンバ艦長は、最初からメグミに気があった」

 ”ヒビキ”が眼鏡を上げる。


「どうしたのよ。あんな優良物件」


 しかし、ナンバの愛読書は、”ナマコの学術論文”である。


「えへへ」

「いや~、デートで、”イズモ”に”こんぴら参り”してきたよ~」

「46センチ砲の発砲を見たよ~、”文福茶釜”の30センチ砲とは迫力が違うねっ」

「”神雷”のスクランブル発進も見えたよ~」


「・・・あんた、マニアックなことばっか言ってないで、おしゃれとかにも気をつけなさいよ」

「ナンバ艦長に呆れられても知らないわよ」


「ん。それは大丈夫と思われ」


 その後、色々話した後、


「じゃ、そろそろ行ってきます」


「行ってらっしゃい」

「次の休みで、飲みながら詳しく聞くわよ」


「ん。」


「分かった~」

 メグミは、2階の格納庫から、電磁カタパルトで”水無月”を射出、出動した。



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