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[画像付き] 気象観測員『メグミさん』。 地表のほとんどが海に沈んだ近未来の地球で、日々がんばってます。  作者: トウフキヌゴシ
第一章

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第20話、ウズシオ

「寒かったら、ひざ掛け使ってね」

 メグミは、副操縦席に座ったナンバに言った。


「ありがとう」


 天気は、快晴。

 近くに、スーパーハリケーンはないようだ。


「後ろのキャノピーちょっと引っ張って」


「はいよ」

 ナンバが2座席分の大きさのあるキャノピーを後からスライドさせてメグミに渡す。


 パタン


 メグミが、キャノピーを閉じた。 

 メグミが、スロットルを上げる。

「パラララ」と言うエンジン音が。「バアアアアア」と言う音になり、紅い飛行艇は静かに離水した。


 まずは、”ウズシオ”がある、旧”ナルト海峡跡”に向かう。


 水没したビルの屋上にある、飛行標識を確認しながら、四国の方へ飛んだ。

 途中、元三重県の伊勢市の上空を通過した。


「”いせ”神宮も”いづも”に行ってるみたいだね~」


「本当だ」

 

 振り向いて、副操縦席のナンバに笑いかけた。


 鳴門海峡大橋の巨大な柱が見えてきた。

 道路部分は、海中に沈んで海水越しにうっすらと見えている。

 その上を、渦が沢山巻いていた。


 ナルトの”ウズシオ”である。



 ”旧ナルト海峡跡の人口渦潮”


 昔から、淡路島と四国の狭い海峡を通る()()()()()()によって、”渦潮”が発生すると言われてきた。 

 しかし、”大異変”による海水面の上昇により、淡路島と四国の土地が3分の2になっても、渦は巻き続けていた。

(潮の満ち引きが無くなっても、”()()()()()()()()()()()()()()()()渦が巻くようだ)

 現在ナルト海峡は、幅が広がりとても海峡とは言えなくなっている。


 昔から”ナルトの渦潮は海底にある巨大なスクリューで作られている”と言う噂があった。


 この噂の真偽は、”大異変”後の混乱により有耶無耶のままになっている。

 ”オーサカ国”が近いこともあり、日本政府も公式には何も言っていない。

 ”科学論文投稿サイト”に”ウズシオ”の研究を投稿しても、何者かによってすぐ消されるそうだ。



「・・・空軍の潜水艦の航路も外されてるんだよな、ここ・・・」


「・・・うん。海軍の気象部も”ウズシオ”が危ないから近づくなって言ってる・・・」 


「まっ、いいかっ」

  

「そっ、そうだねっ。あはは」


「上から見るの初めてなんでしょう?」


「うん。そうそう」


 二人は気を取り直して、雄大な”ウズシオ”の光景を、上空から楽しんだ。



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